国際シンポジウムや上智大学IGC「食農カフェ」などでお世話になっている、
田村梨花氏(上智大学教授)編集、
一昨日『種子―みんなのもの?それとも企業の所有物?』ご一緒した、
印鑰 智哉氏(日本の種子を守る会アドバイザー)
のご著書が、
11月27日発売されています。
『抵抗と創造の森アマゾンー持続的な開発と民衆の運動』
現代企画室/出版
小池洋一、田村梨花/編
2017年11月刊行
定価2700円+税
アマゾンには、古くから現在までの、コミュニティと文化が大地や森、自然の豊かさや資源に敬意を払い発展してきた幅広く多様な経験が存在する。〔......〕本書に綴られている 数々の教訓は、血と汗、時と記憶、夏と冬、長い年月に多くの人びとが経験した苦しみと希望で満ちている。その教訓は、それらが育まれた場所であるアマゾンの地と森林と同様に、 貴重な資源である。緊急性を持って、私たちの経験が役立てられることを願っている。
[マリナ・シルヴァ(環境運動家、元ブラジル連邦政府環境大臣)]
地球環境に深刻な影響を及ぼすアマゾンの森林破壊には、私たち日本の消費者の行動も大きく関わっている。大企業や国家による大規模開発と環境変化は、アマゾンに暮らす先住民や農民などの生活にどのような影響を与えたのか、また、持続的な資源利用を求める民衆の対抗運動はいかに展開されているのか。 研究者と、現地で活動するNGOスタッフ、ジャーナリストが協働してまとめた 調査、研究、活動報告書。
また、
出版記念として、
11月30日シンポジウム
「ブラジル・アマゾンの森に学ぶ持続可能な社会」
上智大学イベロアメリカ研究所
で開催されます。
●講師
印鑰智哉(日本の種子を守る会事務局アドバイザー)
下郷さとみ(フリージャーナリスト)
石丸香苗(岡山大学准教授)
鈴木美和子(大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員)
司会 マウロ・ネーヴェス(上智大学教授)
パネルモデレーター 田村梨花(上智大学教授)
●日時
2017年11月30日(木)17:00〜19:00
●場所
上智大学中央図書館9階921会議室
●使用言語
日本語
●参加費/予約
参加費無料/予約不要
●概要
アマゾンは地球環境問題のホットスポットです。すでにブラジル・アマゾンだけで75万平方キロメートル、20%もの森林が失われました。最近では本来湿潤なアマゾンで短い間隔で大規模な干ばつが発生しています。2000年代に入り政府やNGOなどの努力で森林破壊面積は大幅に減少しましたが、開発圧力は決して弱まっていません。現政権は、アグリビジネスの利益を擁護し、これまでの環境保護政策を反故にしようとしています。
本シンポジウムの目的は、アマゾンに暮らす民衆の環境う保護のための営為を学び、どのように持続可能な社会を創造するかを考えることです。アマゾンでは1970年代以降開発と環境破壊が急速に進むなかで、セリンゲイロ(ゴム樹液採取労働者)、先住民をはじめとする民衆が、教会やNGOなどの支援を受けて、無秩序な開発に抵抗し、自然と共生する持続可能な開発を実践し国内外に提案してきました。シンポジウムでは、そうした実践のうち、アグロエコロジー、先住民運動、土地なし農民運動、 ソーシャルデザインの4つをとりあげ、持続可能な社会の可能性と課題について議論し、理解を深めたいと思います。環境問題への取り組みは、アマゾンの民衆の声を超えて、オルタナティブな社会や生活様式の実現が求められています。パネルディスカッションがこうした問題を考える場になればと思います。皆様のご来場と議論への参加を期待します。
●プログラム
1.「アグロエコロジーがアマゾンを救う」/印鑰智哉
2.「先住民の現在と主体的で持続可能な未来」/下郷さとみ
3.「土地への戦い 社会的再生手段としての土地なし農民運動」/石丸香苗
4.「ソーシャルデザイン 地域文化の回復」/鈴木美和子
パネルディスカッション「アマゾンからの呼びかけと私たちの社会の作り方」
●主催
上智大学イベロアメリカ研究所