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かわいい家かわいくない家(前)

街を歩いていて、「これ、いい家だな~」と思う家と出会う事があります。

それはどんな家かといえば、決して豪華さとかモダンだからとか著名な建築家設計のものだとか、そういう事は一切関係ありません。

立ち姿(佇まい)の良さ、街に対するやわらかな接し方、誇張などせず、むしろ控えめで、でも背筋がしっかりと伸びている家です。

1枚目の写真の家は、それに当てはまっています。なにか飾り立てるようなものは一切ありません。

道路から一段上がる敷地とは言え、門扉を作って外部を遮断する事もありません。

玄関は写真のように質素ではあるけれど、なんだか導かれるような感覚があります。

優しさがあります。

昭和20年代後半(終戦後)から昭和30年代頃の家ではないかと思います。もう築60年くらい。(この家を知ってからもう10年以上、もしかすると20年近いかも?最近そばを通ってないのでもしかすると建て替わっているかもしれませんが。)

でも、きちんとメンテナンスされているのだろうと思うのですが、「劣化してる」いや「朽ちている」ようには感じません。

この家、住んでる人に大切にされてるんだろうな~!かわいく思われているんだろうな~!って思えます。

そんな感じが現れているというか、かわいく、思えてきます。

この家が元気に生きていくよう、何かしら手当をしてあげたい

という気持ちが湧いてきます。

次の写真は、先日、ある街を歩いていて出会った家。。

この写真の家・・悪いわけではないんです。小さくて可愛らしい家です。道路に面しているブロック塀をなくし、植栽をすれば、素敵な家になる要素を持っています。

ただ・・・

写真でわかるとおり、外壁のひび割れがすごい。一応手当はしてあるものの、根本的な改善はされていないと思われます。なぜこんなにもひび割れがあるのか?それは、、構造に無理がある、もしくは根本的に家の耐力が足らない。

この家から奥に3件、同じ形の家が並んでいるのがわかります。建売、または賃貸、なのでしょう。

賃貸であれば、外壁にひび割れがあろうが、大家としては大掛かりの補修をして余計にお金を掛ける気がない事がわかります。分譲の建売ならば、所有者が家を根本的に治す気がないという事です。どちらにしてもその家は、かわいがられてはいないという事です。かわいくない家、ですね。

治す気がない、というのは言い過ぎですね。事情があるかもしれませんから。

私は、根本的な問題がなければどんな古い家でも、その状態に応じて手を掛ければ(改修すれば)いいんじゃないかと思っています。地震についてすごく不安を感じる人はよくお話しを聞き補強する内容と金額が納得できれば改修工事すればいいと思います。納得できなければ建替えをするしかありません。

改修する事と建て替えて今現在の法規にのっとった家を作る事とは同じには語れません。

 

どんなに古い家でも・・とは言ったものの、実際は「良くしてあげたい」と思う家とそう思わない家に分かれます。

住んでいる人が家にこまめに手を掛けているは家は、愛情を注がれている事がなんとなく家の姿に現れています。「しょうがないよ」とまるで使い捨てのような扱いされている家は、見ず知らずの人間の心を引き付ける事は難しいです。

家の立ち姿の話をしましたが、古くてもピンと背筋が伸びてる家と腰が曲がりなんだか老け込んだ感じのする家とは、醸し出すエネルギーの質がまったく違います。

愛情の注がれてない家は後者です。住んでいる(いた)人が、あまりかわいさを感じてない家なのですから、それを見る人も、「かわいい」気持ちを感じることは無いと思います。

(つづく)

 



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コメント一覧

homeroom-goo
おっしゃるとおり、物が時間を経た時、どういう状態?でどう思われるか?ですね。今つくられる物の多くが時間に耐えられる物なのか?

人間も同じなんでしょうね。
sakanoue
おはようございます。
たしかに、新品のピカピカは魅力的ですね。
しかし、時を経て使い込まれて磨きあげられた輝きには勝てないと思います。

渋く光るピカピカが、素敵だと思う。🏠
homeroom-goo
訂正 ピカピカ→新品のピカピカ
homeroom-goo
sakanoueさん!激しく同意!ありがとうございます^^

書いてる事が抽象的でわかってくれる人はいるのだろうか?家に対して「かわいい」とか使ってる時点で読まれないのでは?と思ってました(笑
同意してくださる方が居てうれしいです^^

世の中の多くの人は、ピカピカがいい!と思うのかもしれないけど、全てではないけど、そこには無いものがたくさんあると思っています!…あ、また抽象的(笑
sakanoue
語られている事柄に、激しく同意します。
すみません。他の表現が思いつかないもので😅
私も、散歩や車に乗っている時に、住むならどの家にしようと、キョロキョロする癖があります。
ひかれるのは、やはり古くても窓ガラスがピカピカに磨かれたり、窓下に植木鉢が、並び活気にあふれて、お手入れされてる家。
新しくても、うらぶれた雰囲気のもあります。
中に住んでいる人の心の状態が、垣間見えるように思えます。
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