前にもこのロンドンタクシーのミニカーの事を書いた。欲しくて手に入れたものだけれど、「好き」と思う気持ちが徐々に高まるというパターンの物だった。
別の理由でロンドンタクシーを調べて、、現在作られている新型ロンドンタクシーは、「お客」の事を様々に考え設計されている事を知った。
そういう「人のための機能」が「デザイン」されていて、例えば車いすの人が利用しても、「運ばれてる」人ではなくて「乗客」として乗る事ができる。
ユニバーサルデザイン、、なんていう言葉はあまり好きではないんだけど、どんな人も「したい事がしたいようにできる」のが理想であり、それを、主張する事なく手助け出来るデザインが大切だし、それがいいデザインだと思う。
車に限らず日本の場合には、「特殊な装置」になってしまう事が多くて残念。どうしても「管理する」側の発想でばかりで考えるからだ。対象となる人の「尊厳」や「気持ち」に寄り添ってはいないのだ。
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このミニカーの元となったロンドンタクシーは、古いタイプなので、”そういう「全ての人の」という事を考えて”いたとは思えないけれど、それでも「お客」にとっては快適な車だったのだろう。
なにしろ、デカイ!
村上春樹の初期の小説「羊をめぐる冒険」に、黒塗りの「潜水艦みたいな」車が登場する。
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つつましい一家ならボンネットの中で暮らせそうなくらいの巨大な車だった。・・・・車体は実に見事な黒塗りで、バンパーからホイール・キャップに至るまでしみひとつない。
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きっとアメリカ車なのだろう。そこまで大きくはないにしても、ロンドンタクシーはデカイ。
イギリス車の代名詞の一つである「mini」と並べてみるとビックリする。「mini」がまた軽自動車より小さいので、大袈裟な比較になるが、ロンドンタクシーはminiの2倍以上ある。
miniが、体の大きなイギリス人4人が乗れる車。むしろそれのほうが驚異的なのだけど、ロンドンタクシーは運転手を除き、5人まで余裕で乗れる。
つつましい一家ならリビングルームになるかもしれない。
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そんな大きさの話しは別にして・・・
新型のロンドンタクシーのデザインを知り、旧型にも同じように「人」に対してまじめに考えたデザインがされていたと思うと、どんどん好感度が上ってしまう。
いや・・ 本当を言うと、そんな理屈もどうでもよくて、車のデザインのアチコチが、感覚的に好きなのだ。写真を撮っても、とても良い被写体になる。ひと言で言うと、洗練されている。しかもそのデザインは人の行動に対する思想から生れているから、味わいがある。
今の車・・・特に日本車のデザインには絶対にそんな思想がないし、味わいもないし「好き」という感情も起きない。車によっては「気持ち悪く」なる。
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ロンドンタクシーと同じように、その形、車の思想とデザインにいつまでも好感と尊敬の念を持つのが mini
その2台が、ミニカーとして手元にあると、設計をするうえで、「戒め」にもなり、「励み」にもなる。
形とともに、黒、グレー、白、シルバー と私の好きな色が、心を満たしてくれる。
この2台は、私にとって今のところ、最強の「気持ちを制御する」物だ。
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そんな物があると、疲れを癒してくれたり、怒りや不安の感情などを抑えてくれる効果がある。
あなたも、そんな物を、持っていますか?