別れ。
別れというのは、生きていれば必ず訪れる。誰もがそう知っていながら胸にしまいこんでいる。
別れ。絶対的な死がある限り、それを免れることは、できない。
別れ。それを利用した、泣かすための映画なんて、私の前にはいらない。
少し前にも、あっただろう。
少女が血液の病におかされ、倒れていく話が。
世間はバカみたいに、こういった感動を与えてくれるものを「善し」とし、
もてはやし、小説にはじまり、漫画化、ドラマ化、映画化にまでなったのである。
-------だけどである
では現在、実際に血液の病気と戦ってる少女はこういった現象を目の当たりにし、何を思うのであろうか。
自分と同じ病気で死んでいく映画に、明日への希望の光を見出すことができるだろうか。
映画を観て、夢を持つきっかけに、なるのだろうか。
世間がこの映画で出した涙など、1週間もしないうちに乾ききるだろう。
しかし、少女は、無造作に心に抛られた不安や恐怖に震えながら、涙がこぼれるのをこらえるのである。
「世界の中心で愛を叫ぶ」
こういう作品の本当の存在意義があるとすれば、
しかし、少女は、無造作に心に抛られた不安や恐怖に震えながら、涙がこぼれるのをこらえるのである。
「世界の中心で愛を叫ぶ」
こういう作品の本当の存在意義があるとすれば、