こんにちは。P&Nです。
今週のゼミで、先生のコメントが私の頭に残りました。ニュアンスとしては、「企業の仕事の仕組みがどんな背景から生まれてきたかを調べるのは歴史家の仕事。仕事の仕組みがどうしてうまく循環しているのかを調べるのが経営学者の仕事」という内容でした。私は次のように理解しました。
ある日新聞の「A社最高益更新」という記事を見て「なぜA社は強いのか」と疑問に思ったとします。研究開発→生産→販売、がすべてうまく回っているように見えます。なぜ好循環なのか? この秘密がわかればそれを自分の会社に当てはめて競争力を高めることができるかもしれません。ではA社の好循環のカラクリをどのような視点で解きほぐしていけばいいのか?
先生のコメントから私は「頭が混乱しないするためには疑問を書き換えるとよい」と考えました。
つまり、「なぜA社は強いのか」を次のような疑問に書き換えるということです。
①好循環がどう機能し、どう利益が生み出されているのか?
②好循環はどうやって生まれ、育ってきたのか?
③好循環を生み出した経営者の意図や哲学は?
先生の言い方をマネすると、①は経営学者の仕事、②は歴史家の仕事、③は伝記作家の仕事、という言い方になります。
まず①の視点。企業の強みは会社によって違います。例えば研究開発に特徴がある企業(例えば花王)、生産が強い企業(トヨタ自動車)、販売が強い企業(販売店が多かった頃の松下電器)などです。どんな強みが、どんなメカニズムで全社的に相互作用して競争力になっているのか、が①の視点です。研究開発が強い→いい商品→売れてもうかる→研究費が豊富、という好循環。 販売ルートからお客さんの声がいろいろ入ってきてそれが開発に生かされる、という好循環などです。また、このような業務の流れによる好循環とは別に、「A社の社員は仕事の中でどのように能力を高めているのか」というのも重要な視点です。つまり①は、どんな仕組みだから好調なのか、という疑問だけではなく、どんなふうに人材を育成しているから好調なのか、という内容にも疑問を書き換えることができます。
しかし、このような優れた仕組みは、どのような背景から生まれてきたのか? これが②です。松下電器は流通が整備されていなかった戦後の時代に自分で流通網を作る必要があった。トヨタは市場規模が小さいわりに多様な車種を作らねばならず、複数の車種を同じラインで生産しなければならなかったことが逆に生産ラインを鍛えた。しかも安くしないと当時の日本人には買えず、カイゼン活動が進んだ。などです。
そして③は、松下幸之助氏や本田宗一郎氏のどんな考え方が社員に影響を与え、会社の成長に役立ったのか、です。経営者の製品へのこだわり、企業観、歴史観、そして人間観。何が、どう企業の成長に影響したのか。そしてこれらの想いが経営者の個人的な生まれや育ちも含め、どのように形成されてきたのか、これも研究のテーマになります。①②③とも、企業の強さの源泉です。
どれも重要な問題意識で、どの視点で調べ、経営に生かすかは、調べる人の趣味や経営上の必要によります。また②や③も、違いを分りやすくするためここでは歴史家の仕事、伝記作家の仕事、という表現をしましたが、もちろん経営学上の重要な視点です。さらに①②③以外の視点もあると思います。
ともあれ、焦点を絞って調査していくために、まずは自分が何を疑問に思ったのか、自分が何を知りたいのか、を明確にすることが大切であろうと思いました。
今週のゼミで、先生のコメントが私の頭に残りました。ニュアンスとしては、「企業の仕事の仕組みがどんな背景から生まれてきたかを調べるのは歴史家の仕事。仕事の仕組みがどうしてうまく循環しているのかを調べるのが経営学者の仕事」という内容でした。私は次のように理解しました。
ある日新聞の「A社最高益更新」という記事を見て「なぜA社は強いのか」と疑問に思ったとします。研究開発→生産→販売、がすべてうまく回っているように見えます。なぜ好循環なのか? この秘密がわかればそれを自分の会社に当てはめて競争力を高めることができるかもしれません。ではA社の好循環のカラクリをどのような視点で解きほぐしていけばいいのか?
先生のコメントから私は「頭が混乱しないするためには疑問を書き換えるとよい」と考えました。
つまり、「なぜA社は強いのか」を次のような疑問に書き換えるということです。
①好循環がどう機能し、どう利益が生み出されているのか?
②好循環はどうやって生まれ、育ってきたのか?
③好循環を生み出した経営者の意図や哲学は?
先生の言い方をマネすると、①は経営学者の仕事、②は歴史家の仕事、③は伝記作家の仕事、という言い方になります。
まず①の視点。企業の強みは会社によって違います。例えば研究開発に特徴がある企業(例えば花王)、生産が強い企業(トヨタ自動車)、販売が強い企業(販売店が多かった頃の松下電器)などです。どんな強みが、どんなメカニズムで全社的に相互作用して競争力になっているのか、が①の視点です。研究開発が強い→いい商品→売れてもうかる→研究費が豊富、という好循環。 販売ルートからお客さんの声がいろいろ入ってきてそれが開発に生かされる、という好循環などです。また、このような業務の流れによる好循環とは別に、「A社の社員は仕事の中でどのように能力を高めているのか」というのも重要な視点です。つまり①は、どんな仕組みだから好調なのか、という疑問だけではなく、どんなふうに人材を育成しているから好調なのか、という内容にも疑問を書き換えることができます。
しかし、このような優れた仕組みは、どのような背景から生まれてきたのか? これが②です。松下電器は流通が整備されていなかった戦後の時代に自分で流通網を作る必要があった。トヨタは市場規模が小さいわりに多様な車種を作らねばならず、複数の車種を同じラインで生産しなければならなかったことが逆に生産ラインを鍛えた。しかも安くしないと当時の日本人には買えず、カイゼン活動が進んだ。などです。
そして③は、松下幸之助氏や本田宗一郎氏のどんな考え方が社員に影響を与え、会社の成長に役立ったのか、です。経営者の製品へのこだわり、企業観、歴史観、そして人間観。何が、どう企業の成長に影響したのか。そしてこれらの想いが経営者の個人的な生まれや育ちも含め、どのように形成されてきたのか、これも研究のテーマになります。①②③とも、企業の強さの源泉です。
どれも重要な問題意識で、どの視点で調べ、経営に生かすかは、調べる人の趣味や経営上の必要によります。また②や③も、違いを分りやすくするためここでは歴史家の仕事、伝記作家の仕事、という表現をしましたが、もちろん経営学上の重要な視点です。さらに①②③以外の視点もあると思います。
ともあれ、焦点を絞って調査していくために、まずは自分が何を疑問に思ったのか、自分が何を知りたいのか、を明確にすることが大切であろうと思いました。