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HBD in Liaodong Peninsula

中国と日本のぶらぶら街歩き日記です。2024年5月からは東京から発信しています

長春 旧関東軍司令部

2015-09-29 | 東北を歩く
長春の旧関東軍司令部です。


(中国の風景とは思えません)

もともと、関東軍司令部は旅順に設置されました(2013年7月19日の日記)。1919年のことです。

満州事変が起こり、旧満州国が設立した後、旧満州国の首都だった長春(当時の新京)に移設されました。
1934年のことです。

写真を見てわかると思いますが、まるっきり日本のお城そのものです。
長春の中心部である人民大街と清発路沿いに建っていますが、この異様な建物が見えてくると驚きのあまり言葉を失います。

中国の都市景観としてはミスマッチです。

20世紀前半に日本人が中国大陸で手掛けた建築物というのは、ほとんどがレンガを使った洋風建築がベースになっていて、ところどころに中国や日本のテイストが織り交ぜられ、調和の取れたデザインがなっていると思うのですが、これは決定的に違います。
日本をそのまま持ち込んでしまった感じです。ど真ん中ストレートです。
示威的で圧迫感たっぷりです。


(人民大街側から見るとこんな感じ)


(お城そのものです)


(当時の絵葉書です。「お城の如く」と紹介されています)

当時の満州国における関東軍の影響力の強さや狂気じみた雰囲気が伝わってくるようです。
いくらなんでも、やりすぎです。

旧関東軍司令部は、現在、共産党吉林省委員会として利用されています。

つまり、吉林省の最高権力機関というわけです。

え? い、いいのでしょうか?
こんな超日本的デザインの建築物をそんな機関に利用してしまって・・・。

このお城の中で勤務している地元の方々は、日々どんな気持ちなのでしょうか。
まあ、僕が心配する筋合いの話でもないのですが・・・。

侵略の事実を伝える負の遺産として残していることは確かだと思いますが、吉林省の人々は寛容というか何というか・・・。考えさせられます。

正直に言えば、恥ずかしいというか申し訳ないとうか、目を覆いたくなるような気分に襲われます。
しかし、こうした建築物は確実に旧満州時代の雰囲気を伝えてくれる遺構です。実際に見て初めて感じることは多いものです。

「百聞は一見に如かず」です。

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