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中国と日本のぶらぶら街歩き日記です。2024年5月からは東京から発信します

天津 旧百福大楼

2021-11-09 | 天津を歩く
天津の旧百福大楼は解放橋の南詰、海河に面して建つ歴史建築です。



竣工は1926年です。
敷地面積は3020㎡、建築面積は3913㎡です。5階鉄筋コンクリート造りです。



解放橋からは河岸に沿って美しいオレンジ色の尖頂が並んでおり、さながら豪華な客船のようです。

百福大楼はフランス人技術者のメンデルソンが設計した商業、オフィス、マンションが一体化された複合ビルでした。

ビルの名前となった「百福」とは、フランス語名「BELFRAN」の音訳です。BELFRANとはベルギー「Belgique」とフランス「France」を組み合わせた単語です。
当時の百福大楼を所有し、貸し付けていた会社(CREDIT FONCIER D“EXTREME-ORIENT)は、フランスに直接統治されていたベルギー財団グループに属し、拠点をパリに設置していたため、ベルギーやフランスと繋がりを持っていました。

1976年の唐山大地震で屋根の一部が破損しましたが、2007年、天津市政府は設計当時の図面や古写真を参照して修復工事を施したそうです。

建物の目線の高さに、こんな刻印がありました。



フランス語でしょうか?

こう書かれています。

1927
PROPRIETE
DU
CREDIT-FONCIER
D"EXTREME ORIENT


この刻印は、実はビルの修復工事が行われていた2009年に発見されたそうです。それまでは厚い塗料で覆われていたのだと。これは大発見ですね。

現在はレストランとして利用されているようです。

天津租界時代に残された重要な建築の一つです。



天津市文物保護単位です。
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