鎖国

2010-07-18 | 授業記録
鎖国の授業。
「徳川幕府がどんな”えげつないこと”をしかた?」
ということで、子どもたちの思考を引っ張っていた。

提示したのは、手作りの踏み絵。

6年生を担任するときはいつもこれを作って提示する。
簡単に作れるが、作り方にはちょっとしたコツがある(苦笑)

このレプリカを見ると、子どもたちは
「キリスト教だ」
「外国との交流だ!」
と話す。

織田信長の学習を想起しながら、
学習課題を、
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
外国との交流は
どのように変わってきたのか
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
と設定。

そして、この板が課題解決にとても重要な役割を担っていることを話す。


予想として、学級の歴史博士が
「踏む!」という意見を出したことにより、
========
踏むものだ
========
ということは皆が賛同した。
(普通はもう少し盛り上がるのだが、今回は若干拍子抜け)

そこで、実際にこの踏み絵を踏む。
がしがしと踏む。
子どもたちにも踏ませる。
=======================
君たちはさ、踏むって言うけど、
踏むことに 何の意味があるの???
=======================

と訊ねると、子どもたちは迷ってしまった。
しかし、彼らは、先生の挑発に負けたくないらしい(苦笑)

「ん~~んとっ!!」
と頭をひねっている。

そんな子どもたちに、「課題を追究すれば、先生をぎゃふんと言わせられるよ」
と話す。

子どもたちは教科書の本文資料を熟読。
・日本と海外の交流や日本人街について、調べる。

================
そこで、江戸幕府にとって
問題が起きてしまったのだけれど
それは何だ?
================
と問う。

子どもたちは、そこで、初めて
江戸幕府にとってのキリスト教の弊害について気づいた。


神道や仏教と、キリスト教の違いについて簡単に説明し、
当時の江戸幕府にとって、キリスト教がいかに脅威であったかを知らせた。
すると、子どもたちは自然と
「江戸幕府がどのような対応策をとったのか?」
について、教科書や資料集で調べ始めた。
===============
・キリスト教の禁止
・海外への出入り禁止
・国内への帰還も禁止
・鎖国(幕府の情報独占)
===============

前時から、すっかり「外様大名」派の子どもたちは、

「先生、江戸幕府って許せないですね!」
と鼻息が荒い。

だからこそ、260年も江戸幕府がつづいたんだよ。
と教室背面の年表を活用しながら、解説。

・・・ここは若干反省。

子どもたち全員を「外様大名」派でまとめてしまったので、
学習意欲は高まるが、画一的な意見しか出ないひと時になってしまった。
前時で、幕府派、親藩大名派の子どもたちも設定しておけば、
短い時間ではあるが、面白い討論になったと思う。
そして、それは開国時の討論にも生きてくるはずだった。
自分の力量不足を反省。

それはともかく、
鎖国や踏み絵を学習した後に、子どもたちを一列に並べて、
役人役などを設定し、
踏み絵のシミュレーションをしたのは盛り上がった。
(これは毎年盛り上がる)

行列の最後に並ぶ女の子に(事前にかつ密かに)
===========================
「私には踏めませんっ!!

っ て 言 え よ ! 
===========================
と、仕込んでいた。
(あくまでもおだやかにデス)

そうしたら、その子が、迫真の演技。

ええっ!?

と子どもたち。
そこからアドリブの寸劇が始まる。
この辺りが、授業の醍醐味。
(まぁ、ずれているのかもしれないけれど・・・・)

最後に、鎖国下の日本がどのようなものだったのかを
「江戸」
「長崎」
「北海道」
「琉球」
で確認し、終了。

天草四郎の「16歳」というのも、(毎年のことながら)
子どもたちの琴線に触れるらしい。

内容はともかく、盛り上がった授業ではあった。
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徳川家光

2010-07-15 | 授業記録
いよいよ江戸時代について本格的な学習へ。
前時の「参勤交代」の図から
「江戸幕府が260年続いた秘密が分かる」とあおったことを振り返り、
一気に課題を設定。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【学習課題】
幕府は、どのようにして大名を
支配したのだろう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
とした。

当時の大名には区別がされていることを伝え、
子どもたちのなじみの言葉を使って、

=====================
大名にはどのようなランクがあったのか、
調べてみましょう。
=====================
と、投げかけた。

子どもたちは、
・親藩(徳川家の親類)
・譜代(古くからの家臣)
・外様(関ヶ原以降従った大名)
と調べた。



「これらの大名を幕府にとって都合の良い地域に配置した」
という文を教科書で確認後、いよいよ本日のメイン活動。

=========================
大名の配置図に、親藩、譜代、外様ごとに色を塗る
=========================
という活動を行った。

資料集を活用して、時間を多くとって、じっくりと活動をさせる。


色を塗った後に気づいたことを発表させると、
=======================
・親藩、譜代大名は、江戸の近くに住んでいる。
・外様大名は、江戸から遠い。
・外様で力のある大名は特に遠い。
========================

などという意見が出る。

すかさず「なぜ?」と問う。

子どもたちはいろいろな意見を出した。



・海が近いこと
・うらぎれない
・引っ越し(と関係がある?)
などと出た。

ここは難しい問いだったようだ。

そこで、このナゾの鍵を握る人物として

=============
徳川家光さん
=============
を提示。


「生まれながらの将軍」というエピソードを全員で音読し、
力による支配を行う武士の自信がみなぎっていることを読み取らせる。

そして、

============================
もし、あなたたちが、外様大名だったとしたら、、、、
この徳川家光さんは本当に、あなたたちにとって
えげつないことをしています。
君たちはきっと、かならず
”家光、ゆるさん・・・・!”
と思うはずです。
さっきの大名配置図にも関連しています。
教科書でそれが分かる文に線を引きましょう。
============================

徳川家光さんを、悪役に仕立ててしまってちょっと申し訳なかったが、
子どもたちは、一生懸命線を引いていた。
そして、口々に

===========
ゆるせん!
===========
これは駄目だ!!
===========
おれだったら反乱する
===========
などと、吠えていた(苦笑)



========================
・武家諸法度の制定
・江戸城の修理や河川堤防の修理の資金協力
・1年おきの参勤交代
========================

子どもたちには衝撃的だったようだ。

・・・・これじゃあ、反乱できない・・・
とつぶやいた子どももいた。


学習のまとめとして、外様大名の気持ちを吹き出しに書かせて終了。
子どもたちは沢山書いていたが、案の定時間が来て、ちょっと発表させて終わり(涙)
どこかに授業の無駄がある。




この単元は、子どもの心情を「外様大名」に向けてやると、丁度いいようだ。
血気盛んな12歳は、盛り上がる。
経験則でそのように思う。

次は「鎖国」

=================
江戸幕府はもっと
えげつないことをやるよ
=================

と予告すると子どもたちは

「え~~~どんだけ~~~

明日も楽しみ。
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大名行列

2010-07-12 | 授業記録
新しい単元に入った。
================
3 幕府の政治と人々の成長
================

まずは、教科書の大名行列の想像図を提示。

「金沢藩」の「大名行列」であることをおさえ、
地図で金沢藩を確認。

資料を眺めていた子どもたちから
===================
・なんでこんなに人がいるんだろう?
・なにしているところだろう?
===================
などというつぶやきを拾いながら、課題を設定。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
(学習課題)
大名行列が行われるようになったのは
なぜだろう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


予想が沢山出た。

・税を取る
・引っ越し
・戦争
・パトロール
・幕府を開きにいく
などなど、、

正解に近いものがあるよ。と話すと子どもたちも興奮。
そこで、発問。

========================
この資料を見て、
・分かったこと
・気づいたこと
・(疑問に)思ったことを
を箇条書きでたくさん書きましょう。
========================

観点を提示しようかと思ったが、この資料はそんなことをしなくても
子どもが「おっ!」と思う情報がたくさんある。
ゆえに、あえてそのまま調べさせた。

7分間時間を取ったが、多い子は30個以上(!)の情報を読み取る。
少ない子でも二桁はいっている。だいぶこの活動にも慣れてきたようだ。



全員を立たせて発表させる。
本当は、発表した意見ごとに整理して板書しようと思った。
しかし、準備不足で、構造的にまとめることができず、反省。
・建物
・行列の人
・道具
・周りの人
というような観点で整理しようと思ったのだが・・・。
写真でも分かるように、うまく整理ができず、中途半端。
自分の力不足、教材研究不足を反省。

その後、子どもたちの発表を生かしながら、集団で話し合う。
=============================
・行列はどのくらいの人数でどのくらいの長さだったのか?
・行列はどこへ向かっているのか?
・お辞儀をしているのはなぜか?
・行列はなぜ行き来しているのか?
=============================
ということを、子どもたちが先ほど読み取った情報を活用し、
まとめていく。

東京書籍のデジタル教科書で、五街道を提示したり、
大名行列の資料を提示したりして、より具体的に内容が伝わった。

また、盛岡から江戸までの13日間の旅で、
大名行列が泊まった場所を地図帳で探す学習も盛り上がった。


最後に、単元全体の課題を確認。

この大名行列の意味が分かれば、なぜ江戸幕府が200年以上続いたのかが
ちょっぴり分かるよ。
と話し、本単元を貫く課題を

=====================
200年続いた江戸幕府の秘密を探ろう。
=====================
と設定した。



準備不足でいきあたりばったりの授業ではあったが、
なんとか流れて良かった。
しかし、多いに反省。

これも6年生担任を何度も経験しているから、
なんとなく流しが分かっていて、できたこと。
もし他の学年で今回のように
ぶっつけ本番で単元の最初の場面を扱う訳には
絶対いかない。

どんなときでも、現状に甘えずきっちりやらねば・・・と自戒をした。





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徳川家康

2010-07-10 | 授業記録
信長、秀吉と学習し、いよいよラストは徳川家康。
まずは定番の狂歌を提示。
==================
「○○がつき、○○がこねし 天下餅
 座りしままに 食うは○○」
==================


これまでの学習を踏まえ、そして文と絵を見ながら、
空欄に当てはまる人名を考えさせる。

今回の「徳川家康」の学習は、
信長や秀吉で行った調べ学習の方法のまとめとして、
子どもたちに自力で全て調べさせようと思っていた。

その意味でも、信長と秀吉の功績をしっかり振り返ることが大切だと考えた。

課題を
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
家康は、どのような政治を行ったのだろう
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


とし、3人の武将を比較しながら調べ学習を行うことにした。

活用したのは、マトリクス図である。

信長、秀吉の働きを
「しくみ」
「戦い」
「外国」
の観点において、様々な資料を使って、調べさせてきた。

それと同じ要領で家康についても調べ、比較しようと考えた。


信長、秀吉の部分は、授業の中で発表させ、まとめていく。
おぼえているものもあれば、忘れているものもあり・・・
(一週間以内に教えていた内容なのに・・・)
反省点が若干あった。

そして、最後に、家康については、
教科書や資料集、地図帳などで調べさせた。
沢山時間を確保して、じっくり調べていた。

(↑ 滅ぼすの「ぼ」を抜いて書いてしまっています
   子どもたちには口頭で謝りましたが、修正液を準備していなかったのでそのままでした。
   こういう細かいところからしっかりやらないと・・と反省しました。)

マトリクス図に整理し、箇条書きでまとめることで、
子どもたちも理解が早かったようである。

最後の五分で、プチパフォーマンス課題(苦笑)
単元全体で習得した知識を活用して、再構成、論述の場面を作ろうと考えた。

マトリクス図を見て、
=========================
もし、自分が戦国大名で、全国統一を目指すとしたら、
この中で、大切にするものは何か?
ランキングで1位~3位まで書こう
=========================
と、投げかけた。

全国統一に大切なものは何か?を考え、話し合う過程で、
学習したことをもう一度振り返り、内容をさらに深め、
定着させることができると考えた。


この内容だけで45分はかかると思うが、禁断の5分授業。
子どもたちは興味津々で書いていたが、そこで時間は終了。

うまく発表までは(もちろん)つなげられなかった。
時数に余裕があればやりたかったが・・・。
残念。
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秀吉、全国を統一する

2010-07-07 | 授業記録
豊臣秀吉の学習。
豊臣秀吉の生い立ちについてエピソードを紹介し、
興味を持たせたところで、課題提示。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
秀吉は、どのような国づくりを
行ったのだろう
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


ひととおり、予想させた後、追究の時間。
まずは、検地尺の実物大模型を提示。

これがなんだか分かれば、秀吉の国づくりの目的がわかるよ
と煽る。
そして、一体何をする道具なのかを予想させる。

子どもたちはいろいろな意見を出すが、
どうやら「定規じゃないか」という考えに収束する。

============================
では、この定規が使われていることがわかる資料を
教科書から探しましょう
============================

子どもたちは、検地の様子(想像図)の資料を探し当てる。
そこから、資料の読み取り。

=========================
田んぼの大きさが違う
定規を使って測っている
役人がいる
農民が土下座している
ひもで何かを測ってい
==========================
など、とにかく沢山の情報を読み取る。

そこから、秀吉の検地について
・どんなものだったのか?
・なぜこんなことをしたのか
ということをメインに調べさせる。

=========================
・全国に家来を派遣して村ごとに検地を行ったこと
・田畑の面積を測ったこと
・土地の善し悪しや収穫高を調べたこと
・耕している農民の名前を記録したこと
=========================
を子どもたちはまとめた。

次に「刀狩」の想像図を提示。

このイラストから、どんなことを行っているのかを想像させ、
そして調べ学習。
内容とその目的を中心に調べさせた。

====================
・農民が田畑を捨てることを禁じたこと
・農民が一揆を企てることを禁じたこと
・農民が武士や町民になることを禁じたこと
=====================
などを子どもたちはまとめる。

なおかつ、メインの
「刀や鉄砲をとりあげた」
ということに関しては、実物を提示。


模造刀の切っ先や、火縄銃の銃口を子どもたちに向けると、やはり教室に緊張感が走る。
この武器を農民たちや寺社が当然のように持っていたことを説明。
(この詳しい話は、昨年度センターで同僚の先生から教えていただいた。)

秀吉が刀狩を行った必然性についても理解をさせる。

最後に、秀吉の朝鮮出兵について触れ、学習のまとめへ。

課題は
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
秀吉は、どのような国づくりを
行ったのだろう
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
だった。

そこで、まとめとして秀吉の目指した国づくりを
~~な国

ということでまとめさせた。


前時の信長で調べた
・戦争
・しくみ
・外国
の観点で、子どもたちは自分の言葉でまとめていた。

ここで45分が終了。



いろいろと途中で迷いがあったが、子どもたちの反応から見ても
今回はしっかり流れた授業であったと思う。

本当はいろいろと言いたいこと(思ったこと)がある。
この場面は昨年度、研究の対象として授業をした場面だった。
メインのところをガラッとかえて授業をした。
(分かる方は本当に分かると思う)
その点で、様々なことを考えた。

一言で言えば、
「自分の力不足を改めて痛感した」ということである。






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