長篠の戦い

2010-06-29 | 授業記録
応仁の乱以降、群雄割拠の時代になったことを確認。
今までの学習(大和朝廷、邪馬台国、鎌倉幕府等)をふりかえり、
国が混乱した際は、力のある人間が日本を統一しておさめたことを想起させる。
そして、この時代も「天下統一」が大きなテーマであったことをおさえた。

学習課題を
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全国統一への動きは
どのように始まったのだろう
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と設定し、
この単元の主人公(?)信長、秀吉、家康らを紹介する。
すると、子どもたちが
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先生、じゃあ、脇役はいないのですか?
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と聞いてきた。

脇役ではないが・・・と前置きをして、
もう一人、「武田勝頼」を紹介する。


そしてこの両軍が激突した場所(長篠)を地図帳で確認し、
どのような戦いであったのかを「長篠合戦図屏風」で読み取る。

今回はこの読み取りにあたって、「10の観点」を提示した。



この観点に沿えば、読み取りが苦手な児童も
ある程度の水準で情報をおさえることができると考えた。

そしてこの観点を基に
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分かったこと
気づいたこと
(疑問に)思ったこと
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を箇条書きでとにかくたくさん書かせた。



いつも以上に子どもたちはたくさんの情報を読み取ることができた。
「10の観点」は、読み取りが苦手な児童の学習参加をスムーズなものにしてくれた。
(どの資料でも使えるよう「汎用性」という意味で、内容の吟味をしていこうと思う。)

そして、それぞれ読み取ったことを発表させ、観点ごとに板書。

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■様々な旗
■鉄砲
■木柵
■川
■堀
■騎馬隊
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たくさんの(読み取った)情報が発表される。

旗に注目する子が多くいた。
その旗を基に、
信長、秀吉、家康、勝頼の位置を確認する。
奥に陣取る信長が総大将であると検討をつける。

そして鉄砲。
たくさんの鉄砲が左側(織田軍)にあることを
子どもたちは読み取った。

そこで、火縄銃の複製品(レプリカ)を提示。


以前、ポルトガルから取り寄せて購入したものだ。
観賞用で、種子島に伝えられた実物と全く同じように作られている。
(でも弾は当然出ない。)

子どもたちは大喜び!
「重い!」
「きれい!」
「どうやって撃つんだ?」
と大興奮。

資料集で撃ち方を調べさせると、非常に手間がかかることが分かった。
(実物と照らし合わせて調べさせると理解も非常に早い。)

そこで、長篠合戦図を前に説明

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鉄砲を一回撃つのにかかる時間ーーーーー30秒
武田の騎馬隊が突撃するのにかかる時間ー20秒
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真っ正面からぶつかったらどちらが勝つか、
日本刀や火縄銃を子どもたちに持たせて、時間を計りながら
シミュレーションさせた。


そのまま行ったら、当然武田軍が勝つ。
教師も煽る。
しかし、子どもたちは、「それでも織田軍が勝った」と譲らない。


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じ ゃ あ 、
そ の 証 拠 を 示 し て く れ
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子どもたちは先ほど読みった長篠合戦図の情報を再構成しながら、
織田軍の勝因を分析した。

歴史が得意な子が一発目に言った
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三段撃ち
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は、やんわりと否定した。
これは後世の創作であるという学説が有力であるからだ。
その分、一生懸命資料の中から勝因を探さなければならない。

子どもたちは教師を言い負かせようと必死。
(その姿もかわいい)


10分前に読み取った情報を活用して、織田軍の勝因をどんどん発表する子どもたち。
「なるほど~」
と子どもたちの納得する顔。
自分たちの読み取った情報を活用して考える分、満足度も高いようであった。

最後、時間がなくてまとめきれなかったが、
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このあと、世の中はどのように
統一されていくのか?
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という単元全体の課題を確認し、予想させて、終了。

次の時間が水泳でプール準備があったので、最後は駆け足になってしまい、
反省。