goo blog サービス終了のお知らせ 

gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

5弦weblessonその9

2005-11-25 02:34:20 | web lesson
前回はメロディーとコードを一緒に演奏するミックススタイルの練習をしましたが、今回は特にテクニックを用いず、素直に美しい旋律を楽しんでみましょう。
フィンランドの伝承曲「愛しい人が来てくれたなら」、詩はこのweblogのタイトルのもとになっているフィンランドの伝承叙情詩集「Kanteletar」に収められた “Kun mun kultani tulisi” 、マイナー・5拍子の叙情的な曲です。

「愛しい人が来てくれたなら」  trad.

(弦)   5544312-24|5342321-1-|
(音)   ララソソファレミーミソ|ラファソミファミレーレー|
(コード) I-----V---|V----- I--- |

(弦)   3431132-24|5342431-1-|
(音)   ファソファレレファミーミソ|ラファソミソファレ-レー|
(コード) I-----V---|V-----I---|

コードは、鳴らしたくない音の弦に左手指を乗せてミュートし、右手でじゃらん、と弾きます。(詳しく確認したい方は、weblessonその3を参照してください。)この曲では、

I のコードは 2・4
V のコードは 1・3 弦を、それぞれミュートします。

コードの構成音(つまりミュートしていない音)をアルペジオ(分散和音)にして、例えば13531353、のように弾くととても美しい曲なので、それもぜひお試しください。

5弦web lessonその8

2005-10-10 17:28:28 | web lesson
アンティ・ラントネン・スタイル(1)
Antti Rantonen(1877-1961)は、「最も若い世代のヴァイナモイネン」と称されることもあり、伝統的な意味合いにおいてのカンテレ奏者として最後の世代の人、らしい。「学校などで学ぶ音楽としてのカンテレ」以前のもの、ということでしょうか。

ともかく、アンティ・ラントネンの演奏のスタイルは、「ミックス・スタイル」とも呼ばれて、コード奏法とピッキングの混合で、メロディとコード感、リズム感、グルーヴ感が同時に出る演奏法。10弦や15弦の演奏にも使われる方法です。

基本の位置としては、左手2・3・4の指を、4・3・2弦に軽くのせておきます。そして、そのうちの2・4のみ、または2・3のみ3・4のみ、2・3・4と押さえ方を替えることで和音を変化させ、かつ、その押さえている状態から、おいている左手指で弦をはじきあげてシングルトーンを鳴らします。
コードに含まれる音は右手のストロークでコードで鳴らし、コード以外の音や経過音を、コードを押さえたあとの左手指で鳴らす、という感じです。
左手は、2・3・4の指の状態で3・2・1弦や5・4・3弦に移動することもあります。
右手は、2の指(人差し指)でストロークして、コード全体を弾いたり、コードの一部(高い方だけとか低い方だけ)を鳴らしたり、1音だけを鳴らしたりします。カンテレの側面をはじいてコンっと鳴らすこともあります。

実際に弾いてみた方がわかりやすいですね。

メジャーにチューニングして、「知事のポルスカ Maaherran Polska」という曲のフレーズを弾いてみましょう。

メロディは、

3/4 D de E e#f #F #fe | D de E e#f #F - |

2/4 A ag G g#f | #F #fe E e#f |D - D - |
   
(大文字8分音符、小文字16分音符、大文字にハイフンは4分音符) 

弦の番号で書くと、
1 122 233 32|1 122 23 3-|
5 544 43|3 322 23|1-1-|

これを、コードとはじく音で構成するのです。コードの中にメロディがあるときは、メロディの音を意識して、和音の中のどの部分に主音があるかによって、どの音域を弾くか、(全体を弾くか、低音域だけ、あるいは高音域だけ弾くか)加減します。

最初に、Iのコードの位置(2・4弦)に左手4・2指を置きます。3指は浮いている状態です。

右手2の指で弾くものに「右」、左手指ではじくものには「左2」「左3」などと指番号も記してみます。                      

まず、最初の1小節、

右  右 左4(ここで左4指は上げたまま左3指を3弦に置く)     
D  d e 
1  1 2

右  右 左3(ここで左3指は上げたまま左4指を2弦に置く)
E  e #f
2  2 3

右  右 左4(ここで左4指ははじき上げたあと再び2弦に置く)     
#F #f e 
3  3 2

ふぅ、やれやれ、これでやっと1小節。
わかってしまえば難しくないのでめげないでくださいね。
2小節目もほぼ同じです。

2小節目

右  右 左4(ここで左4指は上げたまま左3指を3弦に置く)     
D  d e 
1  1 2

右  右 左3(ここで左3指は上げたまま左4指を2弦に置く)
E  e #f
2  2 3

右       
#F―


そして3,4,5小節目、

右 右 左2(ここで左2指は上げたまま左3指を3弦に置く)
A a g
5 5 4

右 右 左3(ここで左3指は上げたまま左2指を4弦に置く)
G g #f
4 4 3

右  右 左4(ここで左4指は上げたまま左3指を3弦に置く)
#F #f e
3  3 2

右 右 左3(ここで左3指は上げたまま左4指を2弦に置く)
E e #f
2 2 3

右  右
D- D- 
1ー 1ー

やったー。お疲れ様!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

言葉ではわかり難くて恐縮です。百聞は一見にしかず、こちらで、オウティ・リンナランタさんによる、優雅な模範演奏映像が見られます。

http://etno.net/index.php?id=106&la=en

他にもオウティさんの演奏がありますので、ぜひとくとご覧下さい。

このサイトで、JPPやマリア・カラニエミなどとのユニットで知られる、「ハルモニウム(足踏みオルガン)の魔術師」ティモ・アラコティラによるポルスカ演奏(ピアノとアコーディオン)なども聴けますよ!!

5弦web lessonその7

2005-09-07 02:02:34 | web lesson
マイナー(短調)の曲が続いたので、メジャーの、明るい雰囲気の曲を弾いてみましょう。
マイナーのチューニングになっている方は、第3弦を半音上げて、D・E・F#・G・Aとしてください。

フィンランドの有名なウエディング・ワルツ「ヘルマンニとミーナ」を5弦用にアレンジしてみました。ヘルマンニは男性の名前、ミーナは女性の名前。
一般的なプラッキング奏法(普通にはじく弾き方)でよいので特別なテクニックはいりません。指使いは基本に準じますが、特にこだわらなくても大丈夫です。

「ヘルマンニとミーナ」    trad.

弦番号
|:345|3-3|234|2-2|234|2-2|345|3-3|

|345|3-3|234|2-2|234|523|135|1--:|

|:334|543|223|4-4|223|432|334|5-5|

 334|543|223|4-4|234|523|135|1--:|

これがメロディーです。2段目と4段目の最後の音(D)は、できればハーモニクスで弾いてみましょう。

メロディーが弾けたら、簡単な和音もつけてみましょうか。例えば、3拍子の1拍目だけ、下の行のように音を加えて、

|:345|3-3|234|2-2|234|2-2|345|3-3|
|:1  |1   |5  |5   |5  |5  |1  |1  |

 345|3-3|234|2-2|234|523|135|1--:|
 1  |1   |5  |5   |5  |   |   |   :|

|:334|543|223|4-4|223|432|334|5-5|
|:1  |3  |5  |5   |5  |5  |1  |3   |

 334|543|223|4-4|234|523|135|1--:|
 1  |3  |5  |5   |5  |   |   |    :|


あるいは、1拍目と3拍目に和音を入れて

 345|3-3|234|2-2|
 1ー1|1ー1|5ー5|5-5|

という感じでもいいですね。ぜひ他にもいろいろお試しください。 

5弦web lessonその6

2005-08-21 02:47:19 | web lesson
「コネヴィツァ教会の鐘」
Vilhelmiina Halonen(1840-1914)のレパートリーとして伝えられる、トラッドの有名な曲を弾いてみましょう。ポール・サルミネンやマルティ・ポケラ、リトヴァ・コイスティネンなどのアレンジで、大きいカンテレでも演奏・録音されている印象的な曲です。
チューニングはマイナー、2拍子です。
この曲は、鐘の音を模した、類似したフレーズの繰り返しで構成されています。

ADFdf|ADFdf|afdfafdf|ADFdf|
AEGeg|AEGeg|agegageg|AEGeg|
(大文字は8分音符、小文字は16分音符)

弦の番号で書くと、
51313|51313|53135313|51313|
52424|52424|54245424|52424|
となります。

これを数回(2回でも4回でも8回でも100回でも、お好きな長さで)繰り返します。

指使いはこの曲特有のもので、右の1・2の指と左の2指だけを用いて弾きます。1段目は、5弦(A)を右1指、1弦(D)を右2指、3弦(F)を左2指で、
2段目も同様の指使いで、5弦(A)を右1指、2弦(E)を右2指、4弦を左2指ではじきます。
左2指は、右の1・2指の間を弾く感じです。16分音符の部分は指をすばやく動かさなければきれいに弾けませんので、がんばって。

繰り返したいだけ繰り返して、一番最後に曲を終わらせるときは
afD (弦番号で531) の1小節を加えて終わらせるとよいでしょう。

曲全体のイメージとして私が教えてもらったのは。。。

遠い島に教会があって、鐘が鳴っている。小船に乗って島に近づいていくと、はじめはかすかだった鐘の音が次第に大きく鳴り響いていく。鐘が最高潮に達したのち、船はまた次第に島から遠ざかって行き、鐘の音も遠く小さくなっていく。

というもの。
つまり、ピアニシモからゆっくりゆっくりとクレッシェンド(だんだん強く)してフォルテ(あるいはフォルテシモ)に達し、またゆっくりゆっくりデクレッシェンド(だんだん弱く)して、再びピアニシモで終わります。

5弦web lessonその5

2005-07-30 10:25:13 | web lesson
*トレモロ
弦を指で連打するようにして、さざなみのようにフレーズを紡ぎだす演奏方法です。普通、左右それぞれの人差し指を使います。この弾き方のときは、ポンシ(カンテレ右側の高くなった部分)に手をつけたままでは手が自由に移動できないので、手を浮かせた状態で弾きます。カンテレがガタガタするので、私は左手の親指を軽くつけて、カンテレを安定させます。机に置くときは、「ひっつきむし」で固定しても良いでしょう。

まず、5弦(一番高い音・A)を、右左右左と交互に人差し指で弾いてみましょう。
はじめはゆっくり、次第に速く。

5555555555555555・・・・・・・・・・・・・・・・
AAAAAAAAAAAAAAAA・・・・・・・・・・・・・・・・

では、次に、右手の人差し指だけを、

5・4・3・2・4・3・2・1・

と移動させていきます。弦が変わっても、人差し指のままで移動していきます。
左手の人差し指は、今までどおり5弦を、右手の音と交互に弾き続けます。

音AAAAGAGA|FAFAEAEA|GAGAFAFA|EAEAD  |

右5 5 4 4 |3 3 2 2 |4 4 3 3 |2 2 1  |
左 5 5 5 5| 5 5 5 5| 5 5 5 5| 5 5   |

このフレーズを数回繰り返してみてください。いかがですか。
これは、5弦カンテレの名曲「嘆きの少女」のフレーズです。
ちなみに、少女が何故嘆いているかというと、これから嫁いでいくため家を離れるのが悲しくて泣いているのだそうです。まるでフィンランド版「花嫁人形」ですね。