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5弦web lesson その4

2005-07-10 12:20:38 | web lesson
*ハーモニクス
ハーモニクスというテクニックを使うと、カンテレのそのままの音階以外の音も鳴らすことができます。
ハーモニクスは、ギター、ヴァイオリンほか弦楽器で使うことのできる演奏法で、弦の長さの2分の1、3分の1、4分の1などの点に軽く触れながら弾くことで、弦の基音の振動をさえぎり特定の倍音を響かせる、というテクニックです。触れる個所によって音程も変わると同時に、音色も、澄んだ音色になります。

まず、ハーモニクスのポイントを探しましょう。弦の長さの2分の1の箇所を左手人差し指で触れてみます。そのあたりに左手の指を軽く滑らせて移動しながら右手指で弦をはじくと、正確に2分の1のところで、もとの弦の音のちょうどオクターブ上の音が響くのがわかりますか?そこがハーモニクスのポイントです。各弦それぞれ、正確な位置を探してみてください。
カンテレによってはあらかじめハーモニクスのポイントに印がついていますが、ついていなければ、小さい丸シールを貼るか鉛筆で書くなど、ご自分で印をつけておくと弾きやすいと思います。
ポイントがわかったら、左手の指でそのポイントに軽く触れながら右手で弦をはじき、はじいた直後に左手も弦から離します。左手は、ギターやお琴のように強く押さえる必要はありません。触れるだけです。しかも、小さいポイントのほうがいいので、指の腹をべったりとつけるよりも、人差し指の中指側の側面(爪の横)などの方がいい音が鳴りやすいようです。右手ではじいた直後、左手指は、ごくごく軽く弦を押し気味にしてから弦を離れると、大きないい音で鳴らせます。あわてずゆったり、かといって遅すぎずに離す、そのタイミングが大切です。

いかがですか、ピーンと澄んだきれいな音が鳴りましたか?
鳴らないときは、まず左手の位置が正確なことを確かめた上で、左手指を離すタイミングをいろいろ試してみてください。

慣れないうちは、よく響かなかったり、音が小さかったりしますが、慣れると普通に弾くときとあまり音量の差がなくなってきて、装飾音として使うほか、メロディの一部に使うこともできます。

2分の1のハーモニクスの音が全ての弦で上手く出せるようになったら、3分の1のポイントの音も、ぜひ試してみてください。もとの弦の音をDEFGAとすると、オクターブ上のABCDEの音が鳴ります。もとの弦の音と違う音も出せるので、5音におさまらない表現もできます。ただし、良い音を出すのは、弦の長さと振動の関係で難しくなってきます。 
4分の1のポイントでは、もとの弦の音の2オクターブ上の音が鳴ります。

ひとまずは2分の1のポイントで良い音が出せることを目標にしてみてください。

一音づついい響きのハーモニクスが鳴るようになったら、長い残響が生かせるゆっくりした旋律をハーモニクスだけで弾いてみるのもいいですね。

追記:ちなみに、フィンランドのカンテレの楽譜では、ハーモニクスは音符の上のほうにひし形のマークをつけて示すのが一般的です。

5弦web lesson その3

2005-06-27 15:03:58 | web lesson
*コード奏法
今日は、コード(和音)を弾いてみまょう。ギターでいえばストロークのようにかきならす演奏方法です。(マイナーのチューニングで説明しますが、メジャーも同様です)

まず、右手人差し指の腹を使って、カンテレをそのまま1弦(低い音)の方向からシャラランっと弾いてみてください。

12345 の弦、つまり DEFGA(レミファソラ) の全ての音が鳴りますね。

次に、左手の2,4の指を4弦と2弦の上に置いてください
ギターのように押さえる必要はありません。載せるだけでいいのです。
そして、さっきと同じようにシャララン、っと右手人差し指で弾いてみて下さい。そうすると、2,4弦の音は鳴らないので1,3,5弦の音、つまりDFA(レファラ)の音だけが鳴ります。これを「I」のコード、と呼びます。(ローマ数字の1。)一度のコード、ということで、コード名で言えばこの場合はDmになります。

このように、小型カンテレでは、音を鳴らさない弦に指を載せてミュートすることによって引き算のように鳴らす弦を選んで、コードを演奏します。

では、次に、左手をそのまま、低い音の方にずらし、1弦と3弦に指を載せます。そして右手で鳴らすと、2,4,5弦、つまりDGA(レソラ)の音が鳴ります。これが、「V」のコードです。
それから、左手を、そのまま高い方にずらして、3,5の弦に指を載せると、今度は1,2,4弦、DEG(レミソ)の音が鳴ります。これは「IV」のコードと呼ばれます。
よく使う3つのコードを弾いてみました。
指を置く弦を×で表すと、このようになります。

      I      V     IV
1弦         ×
2弦   ×
3弦         ×    ×
4弦   ×
5弦               ×

右手は、写真では手を開いていますが、これは比較的軽めに弾いているときで、
人差し指以外を軽く握って、指を垂直に近く動かすと、もっと強い音を鳴らすことができます。もちろん、人差し指が痛くなったら中指や薬指に変えて構いませんよ。

では、コードを次のように続けて弾いてみましょう。最初は1小節に1回一つのコードを鳴らしてみて、うまくいったら、1小節同じコードを4拍づつ、次にワルツで3拍づつ、試してみましょう。

I|V|I|IV|I|V|I|IV|

さて、これまでの弾き方は低い音の方からのアップストロークでしたが、今度は、右手を5弦側(高い音)の方から弾いてみましょう。ダウンストロークです。手前から向こうにはじく、あるいはストラップをつけていれば上から弾き下ろす感じです。
爪で鳴らすことになるので、少し固い響きになります。人差し指1本でも、2・3・4の指で一緒に鳴らす感じでもいいですね。
アップストロークとダウンストロークを曲想やリズムによって自由に組み合わせて使えるとよいと思います。

よく使う3つのコードを練習しましたが、左手の指を置く弦もいろいろ変えて自由に試してみて下さい。ミュートする音も、1つでも3つでもよいのです。いろいろな響きを楽しんでいただければと思います。

追記:コード名はローマ数字なのですが、PCの文字化けなどで試行錯誤し、いろいろご意見をいただいて、アルファベットでローマ数字に代用することにしました。

5弦web lessonその2

2005-06-19 01:16:33 | web lesson
*弦をはじく奏法(プラッキング)
前回は、チューニングから基本的な指使いまでやってみました。今回は、基本的な、普通に弦をはじく弾き方で、「カレワラのメロディ」としてよく知られている曲を弾いてみましょう。チューニングはマイナーです。

  Kalevalan Savelma (カレワラのメロディ)
          (註:Savelmaのaには、本当はウムラウトがつきます)
 
 DDEEFAE E |FDGFEFD D |

  AAGEAgfE E |FDGFEFD D |

  AAGEAgfE E |FDGFEFD D |


弦番号で書くと、

  1122352 2 |3143231 1 |

  55425432 2 |3143231 1 |

  55425432 2 |3143231 1 |

文字の割付で音の長さを表しました。全角の大文字が8分音符、全角にブランクで4分音符、半角小文字(3小節目・5小節目の gf 弦番号では 43)が16分音符、です。

フィンランドの古い曲によくみられる、5拍子です。3拍子と2拍子の組み合わせとして拍子を取ると、捉えやすいと思います。

弦は指の腹を使ってはじき上げます。大型のカンテレは、どちらかというと弦を次の弦に向かって「押す」ような動作が基本になりますが、小型のカンテレでは、1本ずつ、しっかりはじきます。はじくときのタッチで音質がかなり違いますから、響きをよく聴いて鳴らしてみてください。
指使いは、基本的な1本の弦を1本の指で弾くやり方(lessonその1参照)が普通ですが、それほどとらわれなくても大丈夫です。

いかがですか?弾けましたか?物悲しく美しい旋律ですね。


普通にメロディが弾けたら、ちょっと欲張って、アクセントをつけたい箇所で、5弦を一緒に鳴らしてみます。

例えば次のように、斜体の箇所でメロディに加えて5弦(Aの音)を同時に弾きます。

(例1)  DEEFA  |DGFEF  |

(例2)   E   |

いかがですか?
この、第5弦の音を加える方法は、5弦カンテレの演奏でよく用いられるテクニックで、ぐっとトラディショナルな5弦らしい響きになりますので、ほかの曲でもぜひ応用してみてください。


5弦web lesson その1

2005-06-13 01:04:51 | web lesson
カンテレを始めたいけれど、習うところがない、忙しくて習えない、という声を耳にします。それなら!weblogカンテレレッスンを始めましょう。
フィンランドの伝統曲を中心に、5弦カンテレの基本的な演奏法やテクニックのあれこれをご紹介していきたいと思います。
楽器はないけれど5弦カンテレの音楽に関心があるという方は、ぜひほかの楽器でお試しください。

まずはチューニングから。

*5弦カンテレの調律
まず、5弦カンテレの弦を、長い方から1弦、2弦、3弦、4弦、5弦、と呼びます。5弦カンテレは一般的には、1弦から5弦を、マイナー(短調)またはメジャー(長調)の1・2・3・4・5度の音に合わせます。1弦の音は、最近人気のWINGではD(レ)に設定されていますが、トラディショナルなタイプのものは、もう少し弦長が短い場合もあって、Dではゆるすぎていい音が鳴らないこともあります。その場合は、まずE♭かEに合わせてみましょう。それでもダメなときは、F、Gなど試してみてください。ただし、無理に高くすると弦が切れることがありますので、ご注意を!

このウェブレッスンでは、便宜上、一弦の音をDとします。
(違う音域の方も、弦番号でそのまま対応できるよう表記します。実際、古い楽譜などは特に音域が合わないものも多くて、移調して弾く場合が多いのです。)

では、ほかの弦も合わせてみましょう。まずはマイナーにしてみましょう。1弦から順に DEFGA の五音に合わせます。

(弦) 1  2  3  4  5
(音) D  E  F  G  A

ぽろろろん、と鳴らしてみると。
なにやら、もの悲しい響きになりましたね。

では、次に、3弦を半音高くしてみましょう。

(弦) 1  2  3  4  5
(音) D  E  F♯ G  A

これがメジャーのチューニングです。明るい響きになりますね。

カンテレは、基本的には開放弦で弾きます。つまり、ヴァイオリンやギターのように弦を押さえて音程を変えるのではなく、最初に調律した5つの音で、音楽を構成するのです。(ハーモニクスで違う音を出すテクニックはありますが、それはまた後日。)

*構え方
低めの椅子にゆったり腰掛けるか、(高めの椅子ではカンテレが前に滑り落ちます)、床にあぐらをかいて、太ももの上に、5弦(短い方)が自分に近くなるように、体に平行に置きます。
テーブルに置くこともできます。かたかた動くようなら「ひっつきむし」のようなもので楽器を固定します。
ストラップのあるタイプのものは、右腕をストラップに通して肩にかけ、5弦が上に来るようにします。

*指のポジショニング
「プラッキング」といわれる、弦をつま弾いて鳴らす、いわゆる普通の弾き方の場合、基本的な指の置き方が3通りほどあって、それぞれの弦を、弦に対応する固定の指で弾くのが、ベーシックです。
とはいえ、曲によって融通がきいた方がいいですし、コードを弾いたりピックを使ったりいろいろなケースがあるので、柔軟にとらえていただければ、と思います。
一応、いちばん応用の利く、基本的な指の置き方は下記のとおりです。(指番号は、親指から順に12345、とします。)

(弦) 1  2  3  4  5
(指)右2 左4 左3 左2 右1

トラディショナルなタイプのカンテレでは、「ポンシ」と言われる高くなった部分に右手のひらの外側をつけたまま弾きます。そうすることで楽器を固定し、安定した音で弾くことができます。WINGには、「ポンシ」に当たる部分がないので、自由なポジションで弾くのが合っているのでしょう。

それでは、1本づつ、弦を鳴らしてみましょう。
(ここではマイナーの音で書きますが、メジャーでも弾いてみてくださいね。)

(弦) 1234|5432|1234|5432|
(音) DEFG|AGFE|DEFG|AGFE|
    レミファソ|ラソファミ|レミファソ|ラソファミ|

慣れてきたら、自由なフレーズを弾いてみてください。
次回は曲を弾きます。
 
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