鎌倉評論 (平井 嵩のページ)

市民の目から世界と日本と地域を見つめる

アメリカ主導のアングロサクソン連合は危険  アメリカはエゴのある主権国家、いつまた戦争するか分からない

2015-07-26 15:40:47 | 日記

  状況主義に流されるほど日本の平和主義はやわではない

 安保法制の問題で攻防たけなわである。筆者は平和主義を支持するが、世の中には状況主義者も多い。中国や北朝鮮が危なくなってきたから、この状況に対処しなければならないという考えである。もっとも俗耳に入りやすい議論であるが、むしろそれがもっとも危険なのではないかという議論を述べてみたい。

明治維新と敗戦のとき、アメリカは強大な武力と文明をもった国として日本の前に立ち現われた。敗戦のときは、われわれをコテンパンに打ちのめした恐るべき勝者としてだった。このときから日本はアメリカの保護国、ポチとなったといっていい。「ノーといえる日本」などと石原慎太郎がほざいてもまったく犬の遠吠えにすぎない。かれはただの強がりを言うのではなく、アメリカを消去する戦略を考えねばならなのだ。

アメリカはしかし西洋近代を代表して、その価値観で世界を統一しようとしている。アメリカはヨーロッパに代わって近代というプロジェクトの実行者なのだ。

民主主義、人権、「人民の人国民による人民のための政治」という筆者お気に入りの思想を実行している。日本も戦後から押しいただいてどこか合わない服のようにぎくしゃくしながらも、今日まで70年それでやってきた。

日本はまさしく西洋近代主義を身にまとい、アメリカ的価値観を共有し、その正義を信じ、その世界的敷衍に同調し、協力している。アメリカを代表者として推進している近代のプロジェクトに日本も協力することに異論はない。

逢い貸しアメリカという国は他民族国家でありながら、しかも国連や多くの世界機関の本部をもち、世界政府を作り上げる立場にありながら、この国は明らかにエゴをたっぷりもったくせのある主権国家なのだ。

アメリカは主軸国であることをいいことに、他国の富を搾取しようとする。意図しているのかどうかよくわからないが、きんゆ自由化ということをやらせた結果、リーマンショックということが起こり、多くの国からカネを巻き上げた。

TPPについてもまったく同じことが疑える。TPPはアメリカ的資本主義を世界に押し付けるものであり、貿易自由化という名目であるが、これまでも自由化という名のついた政策は弱小国の搾取という結果をもたらした。

しかしたしかに搾取的結果をもたらしながらも、自由化によって、グローバリゼーションが進み、人類は一つという感覚は進んでいる。世界中の経済協力がすすむことは、戦争ができず平和になるということである。

グローバリゼーションが各主権国にもたらすぎくしゃくした不都合はあるが、それによって人類の一体化という、長い目で見れば人類の相互理解と、その結果の平和と豊かさをもたらすものかもしれない。

アメリカ議会にゴマすったことは屈辱ではないのか

アメリカは国力が落ちていると言われる。銃を振り回し、内愛するのが好きな暴力主義者の彼らにも、戦争は嫌だという気分が広がっている。アメリカは世界の警察官として銃を撃ちまくるのが嫌いになって来たらしい。

そこでアメリカはアングロサクソン連合というものを考えた、とおもうのだ。米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージランド、とそのシンパであるEU諸国、そして日本も敗戦以来のポチとして当然その連合に加えられた。

安倍首相の米議会での演説は、日本国民をばかにして、アメリカにまずゴマをすったと非難されているが、あれはまさにおべったどころか、ポチがチンチンをして見せたという恥ずべき行為だった。

ポチはポチでもポチとしての誇りがあり、古い歴史があり、かつては互角に戦った国として矜持がなければならない。いくらアングロ連合に加わったからといって、チンチンまでしてみせる必要はないのだ。安倍首相には自国立場や誇りがまったく分かっていない。

アメリカはくせの悪い主権国家であり、近代主義を奉じているとはいえ、その近代主義の行きすぎや妙な西洋的価値観をぶら下げている。

第一に、あの自由主義経済の行きすぎである。貧者と冨者の極端な格差を当たり前、勝者の当然の権利だという考えをもっている。アメリカは近代資本主義の末路をたどっている。テロに狙われ、やがて国内分裂が起こるかもしれない。

第二にアメリカは自分たちが近代主義の代表であり、神に選ばれた国であるという、まるで戦中の日本と同じような考えをもっているらしいのだ。ユダヤ的精神を引いているのだ。こんな傲慢な精神では世界のリーダーになれるはずがない。

こんなアメリカは愚考の戦争を永久につづけるに違いない。主権国としてのエゴを主張すれば、それに対抗する国が必ず現れるに違いないのだ。

日本はその戦争に手伝いせざるをえなくなる。少し長期的目で見れば、アメリカと組むことは、いま中国が危険だとい言う情況よりはるかに危険な情況と思える。

それを考えれば、アメリカのポチとして窮地を救うのは、憲法9条の平和主義であると思う。平和主義という伝統的な政策にしがみついていれば、中国や北朝鮮も手が出せず、譬え手を出しても世界中が日本を助けるだろう。