滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2021.04.11  鈴鹿/イブネ・雨乞岳@コケの山からササの山へ

2021-04-11 20:47:52 | 鈴鹿の山
2021.04.11[岩ケ谷林道起点07:30〜08:19甲津畑、避難小屋〜08:31ツルベ谷出合〜08:42蓮如上人旧跡〜09:40杉峠、西避難小屋09:41〜09:51杉峠09:53〜10:06杉峠の頭〜10:11タイジョウ分岐〜10:19佐目峠10:20〜10:30イブネ〜10:37イブネ北端10:39〜10:50クラシ10:53〜11:03イブネ北端11:04〜11:10イブネ12:04〜12:15佐目峠〜12:24タイジョウ分岐〜12:28杉峠の頭〜12:42杉峠12:46〜13:09雨乞岳13:23〜13:32南雨乞岳13:34〜14:52ツルベ谷出合〜15:09甲津畑、避難小屋〜15:34杉谷善住坊のかくれ岩15:43〜16:04岩ケ谷林道起点]with Tさん (距離19.01km 累積標高1229m)

<ルート情報>
雨乞岳から南雨乞岳までは,最初ササが背丈を超すところもあるが、徐々に低くなっていく。標高1100mまで下るとほぼササはなくなる。道はやや細いところもあるが問題ない。南雨乞岳で90度右に折れるのでまっすぐ行かないように。
稜線から奥の畑谷への下降は幾筋かの踏み跡はあるが次第になくなる。傾斜はあるがどこでも下りられる。谷に下りてからはたまにテープがある程度。何度か徒渉を繰り返し歩きやすいところを進む。難所はない。標高660m付近から右岸に道が出てくるのでそれを辿る。左下に滝を見て右に回り込むとすぐに杉峠からの道に合流。

<日記>
前々日(金曜日)になって、日曜日の仕事がキャンセルとなった。では日曜日は山に行こうと思ったとき、中学のワンゲル仲間のT君と、次回いっしょに行くときは、T君未踏で一度は行ってみたいという、鈴鹿のイブネに登ろうと約束していたのを思い出した。
急な誘いだったがOKをもらい、甲津畑からの往復を計画する。
このコースは15年ぶりとなる。その時は秋で見事な紅葉と最高の天候に恵まれ、今だによく覚えているほどの印象に残るいい山行だった。
イブネ山頂でのんびりしすぎて,秋の日は釣瓶落とし、ヘッ電持参でなかったので、夕暮れ迫るフジキリ谷の道を急いで帰ったものだ。

登山口となる林道の起点付近には20~30台ほどの車が既に駐まっている。すっかりイブネも人気の山となったのだなあと思う。一部は、鈴鹿スカイラインが工事通行止めなので、武平トンネル口から雨乞岳に登るひとたちがこちらからのコースに変更したのかもしれない。

朝日に輝くヤマザクラや芽吹いたばかりの若葉、対岸の早春色の山肌を見ながら林道を奥に。ミツバツツジはちょうど花盛りだが、足元に咲く花の種類は意外に少ない。タチツボスミレばかり。
右岸に渡り千種街道と合流、山道となる。右下の渓流が美しい。奥に3段の滝が見えてきたらすぐに「蓮如上人一夜泊りの𥧄」が見えてくる。この周辺にはトリカブトらしき葉が多い。夏の終わりには見事に青紫色の花を咲かせるのであろう。それも見てみたいが、フジキリ谷はヤマビルが多いらしいのでちょっと考えてしまう。

T君とは音楽の話や同級生の話など、尽きぬ話に花が咲き、時間の経過が速く感じる。
それでも2人とも写真を撮るのが好きなので、会話中でもめざとくいい被写体を見つけては撮影も怠らない。

そして登りのつらさは全く感じることなく杉峠着。
杉峠のイメージは以前来たときと違うものだった。これは前回15年前に来たときも同じ事を思っており、すなわち来る度に風景が変わっていると言うことになる。最初に来たときは樹林の中の峠で、シンボルのスギの木もまだまだ元気だった。そして15年前、シンボルツリーは枯れていたが腕のような幹がまだ残っており、周囲にはもっと木が多かったように記憶している。
今はすっかり明るい峠となり、シンボルツリーの腕も落ち、天に突き刺すように1本の白骨化した幹だけが残るのみとなっている。

少し休んでイブネへと向かう。振り返ると雨乞岳がワイドにどっしり格好良く広がり圧巻だ。
綿向山が左手後方に見えてきて、続いて右手には秀峰鎌ヶ岳と南に連なるゴツゴツとした稜線が見えてくる。
杉峠の頭から佐目峠に向かう道も以前と比べるとずいぶんと明瞭になったものだ。
佐目峠からひと登りすると、いよいよイブネの山頂。ずっとわたしが先頭を歩いてきたが、最後はT君に先頭を行ってもらう。その一面コケの広大な山頂に感激の様子。

昨年は銚子ヶ口からコリカキ場や上谷尻谷大滝に寄ってここに訪れているので、コケの山頂は経験済みだが、15年前はまだコケはなく草原で、ところどころササの残骸が残っていた山頂だった。

まずは散策がてらクラシまで行く。展望もない単なる小ピークなので、わざわざ行くこともないかとも思うが、ここはイブネ・クラシというひとくくりの山として呼ばれていたり紹介されたりしているので、何となく足を運んでしまう。
しかし山頂付近では、今回ほとんど見られなかったイワウチワの花が数輪咲いており、それを見られたのはよかった。

イブネに戻りのんびりとランチタイムとする。山頂付近には散らばってはいるが登山者が多いので、なるべく人のいないところでと腰をおろしたちょうどその場所にハルリンドウが4輪だけ咲いていた。意外と花の少ないイブネでは貴重である。
コケとリンドウ、御在所から鎌へと続く山々などの風景を満喫。雲が多いが日射しもあり無風、ポカポカと気持ちよくやっぱり長居をしてしまう。

きょうは同じ道を引き返すだけの予定だったが、杉峠へと下る道を歩いているときに正面に見る雨乞岳の堂々とした姿を眺めていると、T君もわたしもほぼ同時に雨乞岳にも登りたいと思うようになったようだ。
T君がそれを口に出すのが、まるでわたしは分かっていたかのように思え、思わず笑ってしまう。彼にはわたしがなぜ笑ったのか理解できているようだったこともまた面白いと思う。

雨乞岳への登山道は、山頂に近づくほどササが深くなる。最後は背丈を超えるササをかき分けることになる。
以前は京都北山に行こうが比良に行こうが必ずササ藪があり、視界が悪いことや根元を踏んで滑って転んだりと全くいい印象がないササ藪だが、こうやって久しぶりにササの海を泳ぐようにかき分けて進むと、懐かしい感覚がよみがえり、ちょっと楽しかったりする。

雨乞岳山頂からは全周の展望があり、北は御池岳、東は四日市の街と伊勢湾、南は鈴鹿南部全山、西は三上山や琵琶湖とその対岸の山々が眺められる。きょうはやや霞みがちだったがここに来て少しクリアになったようで、日射しもあって山々が立体的に見えてきた。
南雨乞岳方面を見ていると、またもや好奇心が。奥の畑谷にも行きたくなってきた。これはT君には想定外であったらしいが、誘うと一も二もなく行ってみたいとのこと。

南雨乞岳までササの稜線を南進、右に折れて急下りが終わる頃ササはなくなる。正面には清水頭付近のなだらかで女性的な稜線が望め、そこを通り大峠経由で帰るのもありだなと考えるが、奥の畑もまだ未踏の地であり、今回はそちらから下ることにする。
適当に尾根から谷に下り、どこもが歩きやすい広い谷を下っていく。すぐにコバイケイソウが現れ始め、場所によっては大群落地となっている。もちろん夏の花なので今はみずみずしい大きな葉だけだが、その鮮やかな緑色の葉を見るだけでも、まだまだ色彩が乏しい山中においては、気持ちが高ぶるし目にもよいのは間違いがない。

奥の畑の平原を通り、ときには小さな落差のある谷を眺め、ときにはクロモジ?の可憐な花を写真に収めながら下って行くと、右岸に明瞭な道が現れ、足下に滝を見ながら右に大きく回り込むように進むと、フジキリ谷の千種街道と合流する。

復路もツツジやヤマザクラなどを愛でながら、往路でも写真撮ったよなぁといいながらもまた同じ場所や同じ木を写真に収め、登山口へと戻っていく。



7時半、すでに20〜30台の車
鈴鹿スカイライン通行止めの影響でしょうか?


春色広がる対岸山腹を眺めながら林道を歩きます


春モード全開ですね


朝の日射しを受け林道を奥へ


赤い若葉と薄ピンクの花、ソメイヨシノより好きかも


ツツジも満開です


桜地蔵を過ぎ、橋を渡って旧千種街道と合流、山道となります
鮮やかなピンクのツツジが目に痛いほどです


なにか住みついていそう


深い渓谷上の山腹道から見え隠れするフジキリ谷最大の滝を見ながら進んで、橋を渡ると谷が広がります
奥の畑谷分岐を越えるとすぐにこの蓮如上人一夜泊りの𥧄が見えてきます


その先にあるオオシデの大木
フジキリ谷道の名所のひとつです


この橋も名所
美しいナメ滝を見ながら渡ります


橋から見えるナメ滝


そのすぐ上の右岸から流れ込む支流にある小滝


本流にも5mほどの滝がかかります


倒木上のタチツボスミレ


ミズナラ?立ち並ぶ趣ある道
以前訪れたときに比べると木の傷みが進んでいる?


大木の間を縫って登って行きます


朽ちたミズナラ


朽ちた木に若いシダが一列に生えていました


苔が朝日を浴びて


この木は15年前は確かに生きていたのですが


空の青さが増してきました


苔むした岩が重なる谷を渡ります


杉峠着です
えらい明るい峠になったのですね
シンボルツリーはすっかり枯れてしまいました


杉峠より雨乞岳方面を見上げる


イブネに向かいます


澄んだ青空が眩しい


杉峠の頭への登りより振り返って雨乞岳方面を見る


15年前もこの木を写真に撮りました


どっしりした雨乞岳を振り返る


アセビの白い花も眩しい


アセビと綿向山


杉峠の頭付近から徐々に鎌ヶ岳が見え始めます


佐目峠名物
尻岩?桃岩?人によって呼び名が違います
今名付けるなら例のあれ(アニメ映画)でしょうね


雨乞岳はどこから見てもどっしり


広大な山頂のイブネに到着です


イブネよりチョウシ
右は銚子ヶ口


銚子ヶ口をアップで


熊の戸平とチョウシ


クラシに向かいます
画面右ギリギリ切れているところがクラシ


チョウシ、銚子ヶ口分岐付近の苔も見応えがあります


このあたりは緑が濃いですね


同行のTさんも苔撮影に余念がありません


クラシ付近にイワウチワが数輪だけ咲いています


この花は咲いたばかりか,傷みなく美しい


苔の表面


このウエーブもいいですね


ハルリンドウを4輪だけ見つけました


今日の昼飯です
御在所と鎌を見ながら


食後もう一度ハルリンドウを撮影


苔の中に生えるヒカゲノカヅラの新芽?


もう一度、今度は横から


苔をクローズアップ


広角レンズに交換してこの広大な苔の山を地面すれすれから見ると


どこも絵になります


自ずとシャッターを押す回数も増えます


十分苔の山を満喫したので帰りましょうか
御在所岳と鎌ヶ岳を見ながら下ります


近江方面に三上山(近江富士)が見えてきました


綿向山をズームアップ


谷を見下ろして


杉峠まで戻ってきました


天気もいいし、時間もまだあるので、このまま帰るのは勿体ないと雨乞岳に登ることにしました


このコースは28年ぶりです
もう覚えていません


山頂直下よりイブネを振り返る
同じような奥の平らな山は御池岳ですね


ササをかき分けるのが懐かしい


山頂の池


雨乞岳山頂より鎌ヶ岳


山頂からパノラマで撮ってみました


南雨乞岳
こちらから下ることにします


少し下って東雨乞岳
バック左は釈迦ヶ岳、右は御在所岳


鈴鹿南部の山々
中央の双子峰は仙ヶ岳


釈迦ヶ岳をアップで


南雨乞岳へ続く道
最初は背丈を超すササですが,徐々に低くなってきます


南雨乞岳手前よりもう一度鎌ヶ岳


こちらは清水頭と綿向山


御在所と鎌の見納めです


先ほどまで見えていなかったのですが、最後に伊勢湾も見えてきました


下る途中にあった木


ここもいい稜線ですね
いずれ綿向山までも行かねば


ここにもハルリンドウが
2輪だけ咲いていました


清水頭の手前から北側の斜面を下ります
谷に下り少し下るとコバイケイソウの群落が
この後もコバイケイソウがいっぱい
初夏に一斉に花が咲くと壮観でしょうね


コバイケイソウの中に立つ大木


奥の畑まで下ってきました
このルートは踏み跡微か、テープはあまりないのですが
全般に歩きやすい


ここも気持ちのよいところですね


青空とアセビ1


青空とアセビ2


奥の畑より下りてきた方向を振り返って


クロモジかな?


木上の苔


やっぱりクロモジかな?


奥の畑谷は広い谷です


でも小っちゃな滝もあります


右岸に明瞭な道が現れてきたら、すぐに千種街道に合流です
千種街道を少し下ると本流にこの滝が見えます
3段で10m以上はありそうですが,近づくのは難しそう


タチツボスミレは至るところに


あれっ、スミレに混じってヤマルリソウも咲いているではありませんか
往路では気がつきませんでした


橋を渡り桜地蔵を過ぎ、林道を戻っていきます
対岸の風景も朝とは光線の具合で違って見えます


善住坊の隠れ岩を見に川に下ります
岩自体はたいしたものではないのですが
対岸中腹のサクラが見事でした


隠れ岩に咲くツツジ


ツツジと渓流


隠れ岩の上から渋川の渓流を見下ろす


さらに対岸の美しい色とりどりの木々を見ながら林道を下っていきます


ここが一番美しかったかな
朝にも撮ってましたね
このすぐ先で車道に出て、きょうの山行も終わりです

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