滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2020.03.21 鈴鹿/銚子ヶ口〜上谷尻谷大滝〜クラシ・イブネ周回

2020-03-21 19:51:32 | 鈴鹿の山
2020.03.21[杠葉尾登山口07:50〜09:14銚子ヶ口東峰09:15〜10:08コリカキ場10:12〜10:45上谷尻谷大滝11:02〜11:37ワサビ峠11:39〜12:02クラシジャンダルム12:03〜12:25イブネ北端12:26〜12:30イブネ13:00〜13:12熊ノ戸平〜13:21チョウシ13:22〜13:41深谷山〜13:48越峠(コスタハ)〜13:57舟窪〜14:03大峠の頭14:04〜14:11大峠14:18〜14:22水舟の池14:24〜14:31水舟の池分岐14:32〜14:37西峰14:38〜14:46中峰〜14:53銚子ヶ口〜14:55銚子ヶ口東峰15:06〜15:26銚子ヶ口植林運搬登山口15:28〜15:39瀬戸峠入口〜15:54風越谷F115:58〜16:23杠葉尾登山口](距離19.31km 累積標高↑1511m)


【杠葉尾〜銚子ヶ口】
よく歩かれた登山道で問題なし
【銚子ヶ口東峰〜北谷尻谷】
源流の谷に下りるとピンクテープが多くあるので迷わないが、踏み跡と呼べるものはほとんどない。谷中を歩いたり、急傾斜も多いので注意
【北谷尻谷〜コリカキ場】
美しい穏やかな森の中を歩く。道はないが歩きやすい
【コリカキ場〜上谷尻谷大滝】
前半は平坦な森の中を歩く。どこでも歩ける。
後半はやや谷の幅が狭まり谷の中を行く。危険なところはあまりないが、滑りやすい箇所もあるのでドボンに注意
【上谷尻谷〜ワサビ峠】
上部にいくほど傾斜が増す。最後は木を頼りに
【ワサビ峠〜クラシ】
道はあるが大半はやせ尾根、高度感あるトラバースやザレた急傾斜があるので注意
【クラシ・イブネ・熊の戸平・チョウシ】
快適
【チョウシ〜舟窪】
前半は急傾斜のやせ尾根。慎重に
後半は穏やか、舟窪への登りは不明瞭
【舟窪〜水舟の池〜銚子ヶ口】
特に危険箇所、迷いやすい箇所はないが地図を見るべし
【モノレール道】
以前はレールに沿って急降下だったが、いまは並行してジグザグの道がある。


鈴鹿は最近はとんとご無沙汰。
久しぶりに昭文社の鈴鹿の山地図を眺めてみると、赤線(歩いたコース)が途切れ途切れ。特にクラシ周辺で途切れている箇所が多い。北からは舟窪止まり、南からはクラシ止まり、東からはお金明神経由で谷尻谷大滝止まり、ほかクラシ谷も大滝止まり、佐目子谷では姫ヶ滝止まり、これをひとつに繋ごうとコースを考える。佐目子谷やクラシ大滝を繋ぐのは難しいので、それは今後の課題ということで、それ以外を繋ぐことを考えると、銚子ヶ口より谷尻谷、クラシ、イブネ、そして舟窪から銚子ヶ口を周回すれば繋がる。杠葉尾出発なので竜ヶ岳方面にも繋がる。
目的は赤線を繋ぐことだが、もう一つ、谷尻谷の大滝にも再訪したいと思っていた。以前に訪れた時はちょうど真逆光で、太陽が滝の落口の真上。写真がうまく写せなかった。再度きっちり写真に収めることが第2の目的。滝撮影には曇天の方が適しているのだが、この季節暖かくなったとは言え太陽が出ないとやっぱりまだ寒いし、山上からに眺望も楽しみたい。ということで晴れた暖かな日にと思っていたのが、ちょうどきょうの予報がそれにピッタリ。これを逃す手はない。もちろん同じ失敗を犯さないように、太陽が滝の後方に回らない午前中に滝に着かなければならない。

杠葉尾の登山口駐車場には車6台が2箇所に分かれて駐められる。わたしが着くとちょうど最後の1台スペースが空いていた。

植林地の面白くない登山道を登り、尾根を越して谷側に回り込む。ようやくこの先で自然林となる。二俣を左にとると徐々に傾斜が増し再度尾根が見えてくる。この詰めの部分は霜柱が溶けてぬかるんで滑りやすい。
尾根に上がるとほんの僅かではあるが残雪がある。今年の雪もこれが見納めか。ひと登りで銚子ヶ口東峰。天候は良いのだが春霞みで遠くは見渡せないのが残念。それでも正面に釈迦岳を筆頭に竜、藤原、御池などを見ることはできる。

さてきょうはここからが本番。北谷尻谷に下りて行く。南東に尾根を下り広い峠となると右に下る。すぐ源流。最初は水際を行くが、その先ルートをしめすピンクテープは谷底に中腹に対岸にと付けられていて、ほぼ踏み跡はないが、テープに導かれて知らぬ間に高度がどんどん下がっていく。やや高度感があったり滑りやすい箇所があるもののさしたる危険箇所はない。2つほど小滝を左岸側から巻くように下りると傾斜も緩やかになり北谷尻谷に下り立つ。

北谷尻谷は最初は谷沿いに下り、その後続けて谷沿いにも行けるが、右岸の台地状の平地を行く方が美しい森も見られ気持ちがよく、何よりもショートカットできるので速い。対岸に渡る箇所では美しい小滝や淵が見えことができて、このルートを歩くことに飽きがこない。二俣(コリカキ場)が近づくと一段上がって右岸の森に逃げ合流地点よりわずかに上谷尻谷の上流方面に下りていくとよい。

コリカキ場にてようやく休憩。本当にここは心静まる場所だ。軽くエネルギー補給をして上谷尻谷を大滝めざして遡る。遡ると言っても、谷幅の広い平地がしばらく続くため散歩気分だ。谷が狭まり二俣を左を行く。踏み跡はなく谷底を適当に行くがドボンさえしなければ難所というようなところはない。
谷が細かく屈曲すると滝が見えてくる。久しぶりの再会。まずは真下の滝壺まで行ってご挨拶。
逆光ではあるが太陽はまだ滝の上にまで来ていない。いろいろな角度から滝を拝み写真に収める。時間を忘れていつまでもこの滝の懐で心身とも解き放っていたい気分だが、この先まだ今日の行程は長い。20分弱の滞在時間だったが十分にリフレッシュできたように思う。

さてここからは少し戻って左岸から滝を越える人もいるようだが、きょうは単独行ということもあり、無理せずに行こうと決めていたので、大きく迂回するルートをとることに。

谷が広くなるまで上谷尻谷を下流に戻り、途中右手の広い谷をワサビ峠をめざして登る。最初は水が流れているがすぐに水はなくなる。上部に行くほど傾斜が増し、詰めの部分は木を掴んで登ることになる。
この尾根には道がありクラシまで続いているが、地図で見るより険しい地形で徐々にやせ尾根の地形に変わる。特に左側がスパッと切れ落ちている箇所が多く、道は尾根の右側をトラバース気味に付けられているところもある。道といっても細く、手がかりの木なしでは不安になるところも多い。
常に緊張感をもって進むとクラシジャンダルムが登場する。こんなところを登れるのかと思うが、取り付くと思ったほどの傾斜ではない。しかし足元は岩屑でガラガラで手がかりの少ない箇所もあり注意は必要だ。

この上からは稜線もなだらかに落ち着いてきて、草地になるとパッと前方が開けて山頂平原が見えてくる。草地は苔地にかわり、感動ものの全山モフモフになる。苔の中の道は白い花崗岩の小石が転がり、苔とのコントラストがまた美しい。
快晴無風、ポカポカ陽気の中、今までのやせ尾根歩きの緊張感から解き放たれ、散歩気分。イブネに一段上がるとさらに広い山頂平原で、どこまでも苔の庭が広がっている。苔の水平線のむこうには鈴鹿の山々がワイドビューで広がっており、まさに絶景。桃源郷というにふさわしいところ。

苔の絨毯の上でランチタイム。フカフカクッションから御在所岳を正面に見ながらの贅沢な一時だ。
この季節なので苔は緑鮮やかとまではいかないものの、乾燥しているので寝転んで頬ずりできる。
17年前に訪れた時は、ササが枯れてそれほど年数が経っていなかった頃で、一部枯れたササの残骸があり、苔はほとんどなく草が生えているだけだったが、それでも山の上こんなにすばらしいところがあるのかと感動したものだった。その後、苔が一面を覆うようになったと聞いて、再訪してみたいと思っていたのが、ようやく今日実現することができた。

さてさて、帰路も長く、この先も見所はたくさんあるので、午後1時になったこともあり出発とする。熊の戸平に下りてチョウシに登るショートカットコースを行く。苔の庭園が終わると、今度は熊の戸平の白砂と丸い花崗岩の庭、そこに配置されたスギの木も見事なバランスだ。草地を下り小谷を渡ってチョウシへの登りはシダ原。辺り全体が庭園、まさに鈴鹿の奥座敷。もう住み着きたいと思うくらいの心地よさだ。
チョウシからは樹林帯になるので、ふり返り山上庭園を目に焼き付ける。

この先は見事にまで山はその性格を変えてくる。いきなりの急降下。それも尾根は狭く、ザレていて滑りやすい。滑落の危険が常につきまとうので慎重に下りる。
下りきってからは尾根はさらに痩せて、左右どちらの斜面もかなりの角度で谷へと続いている。地図で見るよりも険しく時間がかかるところだ。
越峠手前で、ようやくやせ尾根も落ち着き、広く穏やかな尾根となるのでホッとする。ここから舟窪までは道は不明瞭だが、広い尾根なので緊張するようなことはなく、60〜70mの高度差の登り返しということ以外は問題ない。

舟窪へは13年ぶり、ここでまた赤線が繋がった。
大きな枝振りの良いブナの倒木を登って遊んだ記憶があるが、その倒木も朽ちてきており、大きな枝も落ちてしまっている。
舟窪からは小さなアップダウンが続く。左手は大きなガレとなっており、木がないため景色はよい。大峠の頭に寄り道するが、特徴もなく単なる突起。

きょうは気温が上がっており、長袖シャツだけで十分。ちょうど暑くも寒くもなくよい体感温度だが、このあたりではアップダウンが多く、運動量が増えるため少し暑く感じ、乾燥もしていることからのどが渇く。
大峠で水分とエネルギー補給。時間を見ると予定時間より30分早い推移なので、予定外であるが水舟の池に立ち寄ることに。標高が950mを越えるところにある池なのだが、大半が植林地のため神秘性などはほとんどない。

再び尾根に戻り、銚子ヶ口西峰へ。この手前辺りは、後から他の行かれた方のレコを見てみると、ハルリンドウが咲いていたと言うことで、可憐な青い花の写真が上がっていたのだが、3月もようやく下旬に入ろうかという季節、まだ花など咲いていないだろうと勝手に思い込んでいたため、あまり足元を気にせず歩いており見逃してしまったようだ。残念。
13年前に訪れたのは4月29日のことで、ちょうど最盛期だったように思うが、やはり今年の暖冬は中途半端でないことがわかる。

銚子ヶ口は北峰を除いてすべて踏んでいたので、今回は北峰に寄り道しようと思っていたのだが、南峰との分岐後に北峰への道があると勘違いしており、気づいた頃には三角点のある本峰まで来てしまっていた。
北峰はまた次回の楽しみにとっておくとして東峰に向かう。すぐに東峰で、最後の展望を楽しみモノレール道へと入っていく。

13年前は本当にレールに沿って登り下りしたように思うのだが、レールと並行してジグザグに歩きやすい道ができている。
ここは特に変化のない道で展望もないので一気に下りきる。

林道に下り立ってからは小走りで。途中から旧風越谷登山道に入って不動滝に立ち寄るつもりをしていたのだが、その下降ポイントがわからないまま神崎川沿いまで下りてきてしまった。
仕方ないので不動滝は諦め、風越谷の美瀑F1だけには挨拶に伺おうと、神崎川林道が風越谷を渡る橋から堰堤を越えて谷に入る。すぐにF1でその美しい直瀑が姿を見せてくれたわけだが、どうも水量が少ない様な気がする。さらに滝壺が浅く狭くなっている。
滝の右側を見ると谷の水が二手に分かれており、右分流にも滝が新たにできているではないか。落差も小さく分岐しながら落ちるため見栄えはやはり左の本滝に及ぶものではない。
水害で様子が変わってしまったようだ。以前はこの新たに出現した右側の滝があった岩を登って上流に向かったのだが、滝となっているため濡れなければ登って行けそうもなくなっている。
林道に戻り、途中水場でスパッツやストックを洗って帰る。



登り始めて25分、植林の杉林の中にぽつんとこの大きなモミの木がある。


その先では杉林が途切れ、苔むした岩がゴロゴロしている箇所がある。


登山道は尾根を登るようになり、そのうち右から須谷川がせり上がってきて小滝を越すと谷に沿うようになる。


カヤトの尾根に出る手前
霜柱が溶けてぬかるんで滑りやすい。


山頂直下最後の登りでは残雪が。


東峰に到着


東峰より釈迦岳


東峰より鈴鹿北部の山々
360度見渡し、そのまま北谷尻谷をめざして下りていく。


この広い峠から谷に下りる。


下りたところは源流域の穏やかな流れ。


やがて流れは急となり小滝がいくつかかかる。


北谷尻谷に下ってきた。


北谷尻谷の美しい森の中を歩いていると、木材の集積場だったのだろうか、きれいに並べられた木が苔むしていた。


しばらくは美しい森の中の散歩。


ところどころ苔むした岩が


大きなスギだが根元だけで、その上には数本の細い杉が伸びている


北谷尻谷の渓相


小さな落差でも美しい淵を伴っている。


やや落差のある滝の淵は一段と深く美しい。


コリカキ場に到着。ここで一休み。


コリカキ場から下流を見たところ。いずれ岩堤の滝を見に下りていこうと思う。


コリカキ場のプレート


お金明神案内看板


昔は坑道があってここで生活する人もあったと言われている。トロッコの残骸があちらこちらに散らばっている。


こちらにも


北谷尻谷に負けず劣らず美しい林の中を進む。新緑の季節は最高でしょう。


上谷尻谷の穏やかな流れ


ここにも残骸が。奥はサワグルミの木か?


谷の二俣の目印テープ


大滝に到着。お久しぶりです。


まずは滝壺からご挨拶


少し斜面を登って全景を見る。


サワグルミの木まで戻ってきた。


穏やかな場所で、テン泊も良さそう。


新しいものもある


ワサビ峠めざして登る途中の朽ちた木


峠への詰めは写真で見るより傾斜が強く、木の根を頼りに登る。


ワサビ峠


この先はやせ尾根となっている場所が多い


道はあるがそこそこ険しい


クラシジャンダルムが見えてきた。


ここを登る。見た目よりは易しいが、ザレているので滑落に注意。


この尾根も上部に来ると急に穏やかになる。


クラシ間近


周囲が開け、いよいよ山上平原。


苔が出てきた。


白い花崗岩とのコントラストと配置のバランスが美しい


イブネを望む


イブネへの登りも苔で覆われている。


イブネ北端からの眺め


釈迦岳


イブネの広大な山頂部


御在所と鎌


元は背の高いササに覆われた山頂だったらしいが、にわかには信じられない。


一応ここが山頂。


雨乞岳


緑美しい箇所や


枯れ色の箇所も


苔の斜面を熊の戸平めざして下りていく。


熊の戸平とチョウシ


日本庭園のような美しさ


熊の戸平中心部の丘


熊の戸平からイブネを振り返る。


こちらはこれから行くチョウシを見たところ


熊の戸平にて


一旦小さな源流の谷に下り、チョウシをめざし登る。


チョウシまでは枯れたシダ原の登り


チョウシから見たイブネと熊の戸平


チョウシを出発してすぐ、いままでの平原がウソのようにいきなりやせ尾根の激下りになる。


舟窪・大峠の頭・水舟の頭・銚子ヶ口がひとかたまりで堂々としている。


まだまだ激下り


やせ尾根は続く


ようやく穏やかな稜線に


舟窪にて


20年ほど前に来た時はこの倒木に登って遊んでいたのだが、いまは朽ちて枝の多くが落ちてる。


5本足


舟窪を過ぎると左側は大きなガレ
でも景色はよい。近づきすぎないように


ダイジョウあたり?


先ほどのチョウシからずいぶん来た。


大峠の頭に寄り道


大峠で休憩、エネルギー補給。
ここから池に下りていく。


水舟の池。杉の植林じゃないほうがいい


銚子ヶ口西峰


西峰から本峰、南峰


三角点のあるいわゆる銚子ヶ口本峰ですが、展望はない。


東峰に戻ってきた。同じ場所を写真に、でも光の当たり具合で違って見える。


やっぱり同じく釈迦岳をパシャリ


帰りはモノレール道から


モノレール道終点。起点か。


風越谷林道を小走りで
奥の山は不老堂?岳?


神崎川林道との合流点まで下りてきた。


風越谷に寄り道。林道からの旧道下降ポイントがわからないまま下ってきて不動滝に行けなかったので、F1だけでも見ようと思い……


F1は落差5mほどの美しい滝


流れが昔と変わっていて、5m滝とは別流れにこんな滝が現れていた。


風越谷道旧道登り口
ここに下りてくるつもりだったのだが


白い花崗岩が美しい神崎川の流れを見下ろす。


帰ってきました。きょうも楽しませてもらいました。

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