家族になって

６月３日。

今日という日が、この世に生まれて、
『満５ヶ月』　　ということを、
彼は知っていた違いない。


朝起きてから、ひっきりなしに回っている。

回っているというのは、寝返りのことで・・・・・・

ママとパパが汗水流して、
戻せども戻せども、回転する。


昨日まで、
寝返りする度、拍手をしていたパパとママ。

今日は、
寝返りする度、ため息がもれる。
“またか・・・・”


といいつつ、何度でも見ても飽きないのが親ってもんだ。



彼の行動をみていると、
どうやら、彼にも、それなりの理由があるらしい。


寝返りをしたい時の、理由が。

そして、
寝返りをしてしまった場合の、理由が。


たとえば・・・・・



頭の上の洗濯物を、見ていた。
よーく見たくて・・・・
まだまだ見たくて・・・・
もっともっと見たくて・・・・　　クルン！！




一回りするには、ベットの幅が、もぅ足りません。

これでは、まるで、動物園。





そして、時には・・・・

大好きな絵本を読みたくて手を伸ばす。
届かない・・・・
おいちょ！・・・・
それ！もーちょっと・・・・　クルン！



おぉ、楽チン楽チン。

一著前にくつろぎモード。




それから・・・・


ママ発見。
ママどこ行くの？
どこどこ～？
動きを追ううち・・・・　　クルン！




ママを見飽きて、一休み・・・・ガクン。




この瞬間が見たくて、しばらく踏ん張らせるママ。　悪いヤツ。



今日は、ひなくん５ヶ月お誕生日なので、
恒例の、『我が家流、記念写真』を撮りました。


別に大したものじゃなく・・・・
“５ヶ月おめでとう”
と、書いた紙と陽和音を並べて撮るだけです。


５ヶ月のポイントは、何と言っても寝返り。
ということで、ひなくんの寝返りにあわせて、
撮ろうと、シャッターチャンスを待つ。


どうしたものか・・・・・


待てども待てども回らない。


“ママとパパの思い通りには行かないよ～ん！”
と、試されているのだ。


それならいい！
別に回らなくても！


と、いつものように、顔の横へ紙を置く。

「ひなく～ん！５ヶ月おめでとー！」　カシャッ！





横の紙にも気づかず、
どうでもよさそうです。

骨付き肉がうまいうまい！とむしゃむしゃかじる。



と、その時・・・・・気づいた！






持ち上げた！






食べたー！！




ひなくん生後５ヶ月。
『ヤギ』へと進化しました。


パパ：「返して！！」

ぼく：「やだ！！」




ひねくれ坊主。




パパ：「しゃもじあげる。」

ぼく：「これもうまいうまい！！」






“口に入ればおんなじだ”





５ヶ月の頃。
きっと他の赤ちゃんもおなじような成長過程なのでしょう。

一度覚えた寝返りで、世の中の違う見え方を楽しんでいる。

握ることを覚え、そこらじゅうの物を掴みかぶりつく。
おいしいか、まずいかは、味わってみないと分からない。
まぁ、今のところ、食べ物じゃない時点でまずいのだが。


陽和音も、幸せなことに、この一般的な成長を遂げてくれた。

何が幸せかって、
普通とか、普通じゃないとか、そんなことではなく。

ただ、確実にこの一ヶ月で、出来ることが増えたこと。

産まれてからの５ヶ月間で見れば、山ほど出来ることが増えた。

思い起こせば、産まれたばかりの頃、
満足に目も見えず、
ママの存在を確認することさえ、ままならなかった。

声も出せず、笑うこともなく、
感情表現といえば泣くことだった。

欲求のままに体をよじり、物を掴むなどということは、
想像もしなかった出来事のはずだ。


それが、今日、みんなみんな出来るようになったのだから。


それでもまだ、言葉を話すこと、歩くこと、食べることを知らない。


人間は、ものすごく未熟な状態で産まれてくるものだ。



その分、私は、贅沢な時間を与えてもらっているのだなぁ、と思う。


陽和音が、自分の言葉で物を言い、気持ちを伝える。
自分の足で立ち歩く。
自分の口で噛み、美味しいと感じる。


ほんの少し先を見て、
一歩一歩、歩んでいく陽和音に、寄り添えるのだから。



陽和音はぜったいママが好き

ママはぜったい陽和音が好き


素晴らしい、この関係


自己満足







諦めていたら撮れましたよ！この写真！
赤ちゃんなんて、そんなもんです。


家族になって、満５ヶ月。