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『流学日記』 岩本悠 著 (文芸社)

2005-08-07 06:59:46 | 

 インターネットでこの本の存在を知った。

 タイトルもなかなか惹かれるネーミング。表紙のデザインも良さそうだ。「ここに書いてあるものはすべてタカラモノようなものです。」と帯にある椎名誠の文句もインパクトがある。原稿を二十数社に持ち込んだもののダメで200万円借金して2000部自費出版したというパワー、インターネット上のレビューでの★5つ連発にも興味をそそられた。

 1万部以上売れているらしいが、1か月以上、いろいろな書店を回ったがなかなか在庫がなかった。 インターネットで本を取り寄せようかと思った矢先、近所の書店で在庫を見つけ購入した。

 自費出版本なので編集という作業はされていないようだ。242ページの本だが、「神の下ではみな平等」「踊るインド人」など一部に読みどころはあったものの、ほかはどうしようもないような文章が続く。きちんと編集すれば、32ページくらいの本にしかならないのではないだろうか? というより、こんなに世界を自由に回って、この程度の内容しか書けないのだろうかと情けなくなってしまうわけだ。(濃厚な旅をしたことが必ずしも文章化につながるとは思わないが、濃厚な旅をしたのなら、こんな文章は書くべきではないと思った)。第一、椎名誠に帯を書いてもらえるようなコネがあったのなら、自費出版する前に、椎名誠に文章を見てもらうべきだったたと思うし、内容が良ければ「情報センター出版局」あたりからでも出版できたただろう。

 作品全体(本文+著者の写真+経歴)を見て、「ドラッグや万引き窃盗に手を染め、自己正当化して生きてきた」著者のことが、たとえ過去の話であっても許せなく思える内容なのだ。さらに不快感に油を注いだのは★5つのレビューに見られる賛辞である。どう考えてオール★5に近い状態は組織票的なもので、もっと★1といった評価があってもまったく不思議でない出来である。


 椎名誠が書いた本書の帯「タカラモノ」は「宝物」ではなく「多空モノ」の諧謔的表現ではないかと、今になって思ってしまうのだ。 それに、880円の本を2000部つくって、どうして200万円もの費用がかかるのだろうか?

(個人的評価:★)
(おすすめ度:著者の笑顔が素敵だと思う人は、まず立ち読みから)

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