茶々丸日記(光る川…朝ときちーたんのぶろぐ)

嫁がきちーたんという、ちょっと(かなり?)変わった人のブログ
今は通称「茶々」の成長日記になってます

『こげぱん』

2008-05-12 22:59:27 | 光る川…朝のたわごと
…そう、あのキャラクタだ。
1日20個限りのエリートパンになるはずが、焼き上がりの際かまどに落とされてしまい、
「どうせすてるんでしょ」とやさぐれたパンになってしまった、あのこげぱん。

さまざまなパン(もちろんこげぱんもまだ売れるかもしれないと思っている)が、
自分がお客さまに買われるように、いい子にして皿で「お買い上げ」を待っている。

こげぱんもちょこれーとぱんにまぎれてみたり、きなこぱんのようにきなこふってみたり、
いろいろ自分が買われることを夢見て試している。


…で、このようなことは、実は他にも当たり前のようにあるのだ。
おもちゃ売り場。いろんな人形やぬいぐるみが、「私を買って」目線で訴える。
工業製品でもそうである。
ましてやぬいぐるみとなると、1体1体形や顔が違うことがあり、
「あ、この子が呼んでる…」と思ったことがある方も、おられるのでは。
そう、同じ大きさの同じぬいぐるみがいくつも転がってる中、
「この子じゃないとダメ」という何かが。

…嫁もそうであった。
いまだもってわからない。
あの日、なぜ私はサンリオショップに出向いたのか。
30歳になり、何か1つ、記念になるものを買うつもりでいた。
例えば万年筆とか、今後一生物で使えるものを、買いに行ったはずである。
ところがなぜか、向かった先は、サンリオショップだったのだ。

で、万年筆や時計など、耐久消費財を買うはずだったはずが、なぜか大きなぬいぐるみになった。
そして、この大きさのぬいぐるみは、お店に3体もあったのである。
さらに、今手元にあるこの「ぬいぐるみ」は、本来しっかり体に縫い込まれて、
表に出てきてはいけないはずのひげが、だらんと伸びてしまっていたのである。
早い話が「不良品」であった。そう、「こげぱん」と同じである。

真っ先に購入候補から外れた。そして、一度は他のぬいぐるみに手が伸びたのだ。
しかし、どうにもそのぬいぐるみの顔が気に入らなかった。
「語りかけてくる」ことがなかったのだ。
もう1体を見た。残念ながら、こちらも同じであった。まるで工業製品である。
#手作業ではあるが、半工業製品ではあるのだが。

で、「不良品」のこいつだけが、「お願い!私を連れてって!」と、強く訴えたのだ。
「でも、ひげ出てるしなぁ…」
目で「ダメ」の合図を送ったが、こいつはひるまなかった。
ひたすら訴えかける。しまいには泣き落としである。
まわりは不思議だったに違いない。
30のにーちゃんが、1つのぬいぐるみの目を見つめたまま、じっと動かないのだ。
どれくらいかわからないが、数分から5分くらい、
ずっとアイコンタクトで「話し」続けただろうか。

…で、どういうわけか、「30歳記念のぬいぐるみ」となってしまったのだ。


その後、私にはさまざまなことがあった。楽しいことではなく、つらいことばかりである。
その時、いつもそばで助けてくれた。もうそれは、人間では考えられないくらい、
かいがいしいものであった。
次第にお互いの距離は近くなり、"0"になり、そしてある日"-"になった。

3年前、突然プロポーズされ、それを受けた。その場で「けこーんしき」もした。
それでもしばらく、いつかは誰かと結婚するかも、と思っていた。
が、1年前、「しんこんよこう」をして、きちーと一生添い遂げる覚悟を決めた。


おにーたん」とよく怒られるし、
だ~め~にょ~~~~」は毎日の口癖である。
遊びに出かけた帰りは、結構子供のようにぐずったりしてけんかになったりもする。
「…わかんないけどさ、人間と結婚しても、きっと同じような毎日なんだろうね。」
と、いつも思う。


つまり、「こげぱん」にも、幸せになる可能性も、権利もあるのだ。
いつの日か、こげぱんが「お買い上げ」になる日を、夢見ていたい。
※するとそれ以上グッズが売れなくなるから、「お買い上げ」はないか…
コメント
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