春よ来い!

うつ闘病と母の介護。
穏かな春が訪れる日を待ちつつ
想いや出来事を綴ります。
母は2013年1月23日に永眠。

二つの記憶  二つの約束

2011年06月03日 02時32分48秒 | 記憶の断片
記憶の中にかすかにあるのが

籐で編んだ乳母車に乗って遊んでいる自分の姿。




五歳のときに引越しをしていて

それ以後の記憶には乳母車は出てこないので

三歳か四歳の時の記憶だということになります。




もうひとつの記憶は写真。  まだあるのかな あの写真。

川沿いの堤防の道路の上を母が乳母車を押して歩いています。

その乳母車には姉と私が乗っていてカメラのレンズを見つめています。




そのとき私が見つめていたのは父のローライコード。

小学生の頃お前が大きくなったらやるといわれていたカメラ。

父は約束を破ってそれを下取りに出してオリンパスペンを買いました。


父が破ったもうひとつの約束。

大きくなったら現像を教えてやると言っていた暗室セット。

いつの間にか我が家の押入れから消えていました。




大学に入った私は写真のサークルで現像焼付けを学びました。

就職して三度目のボーナスで一番安い暗室セットを買いました。

病気をして得た保険金でローライフレックス2.8Gを買いました。




暗室セットは使わなくなってしまったけど

屋根裏収納庫で眠っています。

デジタルに移行した今はPCが私の暗室です。


ローライフレックスは子供の教育費に消えてしまったけど

それで撮った子供たちの写真はアルバムの中で今も生きています。




父は息子との約束を破ったという意識はまったく無いでしょう。


多分 約束をしたということすらも覚えていないと思います。


そういう人間なんです 私の父は。


だから恨みも怒りもまったくありません。



ただこういう父親にはなりたくない。
 

あるのはその想いだけ。


その想いを忘れずに自分の子供と接してきたつもりです。




自分は子供たちにとっていい父親だったんだろうか?

たとえいい親父でなくっても

父としてできることを十分にしてきたのだろうか?




時々ものすごく不安になります。


今がこんなだから余計に不安です。



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