The Society of Helical Carbon ヘリカル炭素学会

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ふん便移植

2015-08-02 00:57:16 | 健康

自分のウンチはそれなりに見たり、臭いを嗅いだりすることは避けられませんが、他人のウンチなんて、できるだけ遠ざけていたいと思うのが人情でしょう。

ところが、その他人のウンチを自分の体内に入れて健康になる! というウソのような最新医療が現代に登場しており、しかも劇的な効果を上げて、注目されているのです。

◆他人のふん便で腸内環境を改善
人間の体にはおよそ1,000兆個もの細菌が住みついていますが、中でも最も多いのが大腸。大腸にいる細菌は500~1,000種、500~1,000兆個ともいわれています。

しかし、繊維質が少なく脂肪分の多い食事や運動不足、抗菌薬の多用、ストレスなどの影響で腸内細菌のバランスが崩れると、炎症性の腸の病気からアレルギー、肥満、メタボリック症候群、糖尿病、さらには精神疾患まで、さまざまな病気につながることが分かっています。

では、健康な人の腸内細菌を患者の腸に移植すれば、改善効果があるのではないか? そんなシンプルな発想から生まれたのが、「ふん便移植」や「ふん便微生物移植」と呼ばれる、他人のふん便を患者に移植する医療です。

◆この、劇的な治癒率!
このふん便の移植医療、これまで欧米を中心に研究が進んできましたが、一躍注目されたのは2013年。
オランダの研究チームが、院内感染で下痢を繰り返し発症してしまう患者の治療に、ふん便移植を実施したところ、従来の抗菌薬では治癒率が20~30%だったのに対し、ふん便移植は80~90%にも達したのです。

国内でも昨年から、慶応大学が潰瘍性大腸炎の患者を対象に臨床研究をスタート。健康な人の便を生理食塩水に混ぜて液状にし、フィルターでろ過したものを注射器に入れ、内視鏡を使って患者の大腸に注入します。

1回の移植で100~200グラムのふん便を使いますが、今回のドナーは二親等以内の家族に限定。「やっぱり赤の他人のウンチは抵抗がある」というのが理由だそうです。

◆ダイエットに効果も!
日本でも動き始めたふん便を使った最新医療。すでに海外では、腸の病気に限らず、腸内細菌と関係があるとみられる肥満や動脈硬化、精神疾患などの患者向けに広く行われていて、肥満に関連した症状が改善したという報告もあります。

また九州大学では、マウスを使った実験で、腸内細菌が体だけでなく心の状態にも大きな影響を与えていることを解明しつつあります。近い将来、他人のふん便でダイエットしたり、うつや統合失調症を治療することができるようになるかもしれません。


◆ウンチのヒーローも誕生?
アメリカでは、そんな未来を先取りする動きもあります。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、「オープン・バイオーム」と名付けた「ふん便バンク」を開設。ドナーから有償で提供を受けたふん便をいつでも移植に使える体制を整えています。

同時に、理想的な腸内細菌を持つ「スーパードナー」を見つけ、ふん便移植に役立てるための研究も進められています。ウンチ界のヒーロー、スーパーウンチが多くの悩める患者を救う。そんな未来が一歩ずつ近づいているようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150801-00010004-mocosuku-hlt



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