若いうちに月経がなくなり妊娠が難しくなる早発閉経の女性の、卵子のもととなる「原始卵胞」を人工的に活性化させて妊娠、出産させることに世界で初めて成功したと、聖マリアンナ医大の石塚文平特任教授らのチームが1日発表した。論文は米科学アカデミー紀要に掲載された。
今後は加齢に伴う不妊の女性にも対象を広げる方針で、日本産科婦人科学会や厚生労働省と協議する。
出産したのは25歳で早発閉経と診断された女性。30歳で治療を受け、31歳だった昨年12月、出産した。母子に異常はないという。
チームは女性の卵巣を摘出していったん凍結した。解凍して細かく切断した上で、化学物質を加えて原始卵胞を活性化。卵管に移植して卵子に発育させた上で取り出し、体外受精させて再び体内に戻した。
チームは27人の女性に治療を実施。このうち14人は原始卵胞が残っていなかった。残っていた13人のうち3人が受精卵の移植まで進み、2人が妊娠し、1人は流産した。
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