平和のつくりかた

「戦争のつくりかた」という絵本を読み(今の平和を守るためには、何かをしなければ!)とこのブログを始めることにした。 

国谷裕子:監修「未来のためのSDGs」が素晴らしい!

2020年11月07日 22時20分38秒 | 平和のための勉強資料

  2019年12月に出版された本だ。最新の情報でSDGs(持続可能な開発目標)の17の項目それぞれを、1.どんなゴールを目指しているのか(概要) 2.世界で日本で、どのような事が起こっているか(ニュース) 3.団体や企業、自治体などが、ゴールに向けて実際にどんな取り組みをしているか。自分たちには何ができるのか(アクション)という3つの構成で説明している。

  子ども達への本か?と問われると、大人の私が驚くほどの内容だったので、子どもと大人が一緒になって学ぶのに相応しい本、というのが1番適切な気がする。よくぞここまで、たくさんの事例を使い、学ぶのに役立つ資料・映画・本の情報なども盛りこんで、分かりやすく説明してくれているものだと、感心した。

  私が偶然この本に出会ったのは、図書館の棚だった。1冊が税抜き3200円と高い本であること。そこが大変ではあるが、本当に素晴らしい本だった。次の人の予約が入っている。1人でも多くの人が読むために、急いで返却しないと!そう思いながら、下にどんな本かを皆様にも伝え、自分の覚え書きにもなるように、書き留めておくことにした。

  1巻では、(概要)貧困、教育、性差別、生活環境・・・(ニュース)スラム街の貧困、日本の国内の子どもの貧困、難民キャンプの貧困、気候変動による干ばつ、世界の40%が水不足に苦しみ、排水の80%が未処理で環境に流されていること  ⇒(アクション) フェアトレード、子ども食堂、中村哲さんのペシャワール会の灌漑活動、フードバンク、マララちゃんの活動、NPO上総掘りをつたえる会、LIXILの簡易トイレなど、私がすでにこのブログで取り上げていたことも入っていた。

  2巻では、エネルギー、児童労働、プラスチックゴミの環境汚染、租税回避のGAFA、国の格差、移民、災害・・・ 約30億人が今も木や木炭、灯油などを燃やした裸火で調理をしていること、同一労働同一賃金でない、児童兵士、インフラの整備の国による格差、AIと人間、南北格差、同性婚  ⇒  脱原発のドイツや日本のソーラーシェアリング、日本の小規模発電(町田市やNHKの放送センターの建物の例)、再生可能エネルギーを100%にする横浜市の風力発電(ハマウィング)、企業の「RE100」(積水ハウスなど)、タンザニアで2013年にLEDランタンをレンタルする会社を始めたWASSHAの秋田智司さん、休耕地を農地に戻して無農薬の農業に障がい者と取り組む「自然栽培パーティ」、過疎化地域に若者などの定住を推進する「地域おこし協力隊」、働き方を多様にしたダイキン工業、ディーセントワークを推進したソウル市、「節税」を許さない国際課税ルールの創設。

   実は、この2巻のアクションを書き連ねた勢いでご理解頂けたと思うが、2巻は本当に「圧巻」だった。私の知らなかった活動がメジロ押しに紹介されていて、忘れたくないという思いから書いている内に止まらなくなってしまった。これから随時調べて、後々このブログで紹介できたらと考えていることに溢れていた。 また、さらに、この本には、漫画風に下に書かれた部分に、読みながら「これなら自分もできるな!」と思わされるようなヒントが書かれていた。

   たとえば、布をただ捨てるのでなく油で汚れたフライパンを拭いたりして利用してから捨てる、マイボトルでプラスチックを減らす、働いている人の身になって考える(自然に有り難うと声をかける)など。

   そして、この2巻の説明を読んで、これがたった50ページに満たない本に盛り込まれた内容といえば、この本の情報量と、いかに刺激に富んだ内容の本なのかが理解して頂けるのではないかと思う。(理解して頂けた方は、これ以上私の拙い文章を先まで読むより、まず、この2巻を実際に読んで見ることをお薦めする)

  3巻では、製造責任・使用責任、気候変動対策、山火事、海洋汚染、・・・・リサイクル、恵方巻で食品ロスが大量に出た、増え続けるプラスチックごみ、石炭火力発電を50基にする計画が周囲からの反対もあり、最新式でもCO2排出量が天然ガスの約2倍のため13基で止まり、バイオマスやLNGに変更になった。遺伝子組み換えの種   再資源化と里山の再生活動の石坂産業(株)、食品ロス削減推進法案、グレタちゃんの活動、気候非常事態宣言都市(日本は壱岐市と鎌倉市が宣言)、リチウム電池の実用化したノーベル賞の吉野彰さん、ミドリムシからバイオ燃料(?)の(株)ユーグレナ、海のプラゴミを回収する清掃船を考えた大学生ボイヤン・スラットさん、種子条例。 「これなら自分もできるな!」と思わされたのは、食品ラップのかわりにタッパや入れ物を使う、合成繊維でなく天然繊維を選ぶということ。

  4巻では、平和と公正、パートナーシップ・・・・・子どもに対する暴力を始め、テロなどのあらゆる暴力を止める、「だれ1人取り残さない」社会、基本的人権、報道の自由、2013年採択の武器貿易条約*の成立(しかし、日本は2014年に「防衛装備移転三原則」の閣議決定で、日本も武器輸出のできる国になりました。2019年にトランプ大統領がこの条約の署名撤回を発表、そうなると、世界の武器輸出ランキングロシア、中国と上位3カ国が加盟していないじょうやくになる)、タックス・ヘイブン(大企業と富裕層の課税逃れ)、ESG投資、ケニアの電子マネー改革  ⇒  緒方貞子さんの国連難民高等弁務官の仕事、児童虐待防止法、SDGsに取り組んでいるものを買う社会的責任を重視する企業を応援、そうした企業を応援する金融機関の応援(フェア・ファイナンス・ガイド)、フェアトレードなど。

* 武器貿易条約(ATT)は、人道に対する罪や戦争犯罪などの遂行や助長に武器が使われる危険がある場合は輸出許可をしないなど、通常兵器の国際移転に関するルール。日本の「武器輸出三原則」がどのように壊れたかについては、ココへ。そして、東京新聞・望月記者の「武器輸出と日本企業」が詳しい。

 さて、これで4巻すべての説明を終えたが、それぞれの巻の「はじめに」で国谷さんの書いていることもよかった。特に、

長い間、地球は力強い回復力をもつ自然の力で人間をふくめ地球上の生物が安全に暮らせる環境を整えてくれていました。しかし、人間の活動の影響があまりに大きくなり、地球の回復力を上回るようになりました」「科学者たちの最新研究によると、地球環境の悪化は、ある段階を超えると後戻りできなくなってしまい、悪循環が地球規模で起きる可能性があるとされている。気候変動が暴走を始めるというのです」(3巻)

だれひとり取り残されずに、ひとり1人が能力を身につけ、自分たちの力で平和で公正な地域、社会を作り上げていく」(4巻)

という文章は、胸にずしりときました。確かに、今の気候変動には、この言葉を裏付けていると感じる事実が多すぎるのです。グレタちゃんの言うとおり、「私たちは、本当に待ったなしのところにいる!」そう実感しました。

 あと、この4巻の中で紹介されていた映画「おだやかな革命」(福島原発事故)・「ザ・トゥルー・コスト」(低賃金労働)、「風をつかまえた少年」。本では、「お金ってなんだろう?」(長岡慎介:著)「風をつかまえた少年」(ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミラー:著)などが紹介されていて、強く心を惹かれました。これも、順に見て感想をご紹介できればと思います。

 この4冊の本を通して、これから学ぶべき多くのことが見えてきました。

 そして、世界が平和を手にするためには、自分、自分の家族、自分の会社、自分の国・・・という狭いところから視野を広げて、世界の中の「だれひとり取り残さずに幸せになれるように」と考えて、人々が手をつなぐようにならないとダメなんだ!と確信しました。「みんなの幸せ」を考えられる人が集まった時に初めて、「私たちの幸せ」も手に入るのです。それ以外の道はないのです。そして、その実現を目指そうという人たちが今、SDGsを実現しようと歩み出している! 私も、一緒に歩いて行こうと思います。

    

 


世界に広めよう!!!日本発の再生可能エネルギー For those who want to learn about ”Solar Sharing ”

2020年11月07日 20時41分05秒 | ソーラーシェアリング

        この「平和のつくりかた」のサイトを開いて、3年半になりましたが、この「ソーラーシェアリング」は、とても大切なキーとなる記事をいっぱい書きたいのに、なかなか増やせなくて残念に思っていました。私としては、「平和のつくりかた(ペシャワールの会)」というカテゴリーでご紹介している中村哲氏が、この「ソーラーシェアリング」で砂漠化したアフガニスタンを「農地」にするだけでなく、その農地の上で「太陽光発電」もすることで、アフガンの平和をさらに促進して下さることを願っていました。だから、中村哲氏が亡くなられた時、大変ショックでした。でも、今も引き継いで活動している方たちが、この夢を実現して下さることを心から願っています。

  そして、気候変動の中で干ばつなどに苦しむ世界の人々に、(このソーラーシェアリングという優れた再生可能エネルギーがどんどん活用されて、「平和な世界の実現」に大きな力になること)を祈っていました。すみません、そんな私は祈っているだけでしたが、(その1歩が、すでに踏み出されていた)ことに、最近気づきました!

  世界の人に知ってもらうには、日本語では・・・と思っていたら、この「ソーラーシェアリング」の英語訳が出版されていました!!!

  ココからアクセスして下さい。kindle版でも手に入ります。外国の方にご紹介して、是非拡散して下さい。

    

    If you want to read this book, click the book picture above.  You can read it, using Kindle application. 

          日本語の場合は、amazonでは 高額な中古本しか入手できないようですが、心配はいりません。発案者・長島彬さんご本人の「ソーラーシェアリングのすすめ」というホームページで、そのまま詳細が惜しげもなく無料公開されています。だから、誰でも読むことができるのです!!! 是非 アクセスしてみて下さい。

   そして、折角 世界へ広めようというタイトルで、このサイトに来て下さった方のために、ここでもう一つ、日本の映画で世界の人にも見て頂ける大変貴重な映画サイトのご紹介をしたいと思います。

   福島原発事故の弁護団の河合弁護士が制作した映画「日本と再生」がyoutube で無料公開されています。

   日本語版は、ココ で見られます。

   英語版は、ココ から見られます。

   菅政権は、所信表明の時に「2050年までに脱炭素社会を実現する」と約束しましたが、注意しないといけないのは、その実現の中に、「原発の再稼働」が入っていることです。今の政権には、地震国でありながら、福島原発事故を起こした悲劇に目をつぶっています!他国は、その恐ろしさに気づき、再生可能エネルギーへの転換が着々と進められているのに・・・。

   実際に原発事故の起こった日本がまだ「再稼働」などと「原発神話」から脱していないことの怖さ。是非、他国の様子、日本の現状を伝える「日本と再生」を見て、自分の命に関わる大事な福島原発事故からの教訓を学び、脱原発に力強く進む力になって下さい。