平和のつくりかた

「戦争のつくりかた」という絵本を読み(今の平和を守るためには、何かをしなければ!)とこのブログを始めることにした。 

教育・忘れないこと、リレーすること

2017年10月20日 09時45分06秒 | 平和のつくりかた

  職場の過酷な労働から若い人の自殺や過労死が問題になっているが、教育現場も部活など大変なようだ。特に教員では、土日の部活に出ても民間のように休日にでる35%増しどころか、残業手当に当たる25%増しという考えも適用されていないのが現状で、多くの教員が過酷な労働状態にあるようだ(「中高の部活動指導に伴う顧問教諭の負担問題」で詳細が見られる)

  教育の無償化を選挙でほとんどの党が言っているが、無償化でお金をばらまくよりも、人員にゆとりをもたせて教員が余裕をもって教育にしっかり身をいれることができること。その方がもっと大事だと私は思う。
  教育は、教員が余裕をもって社会を見つめ勉強する時間がなくてはできない。そして、本当によい教育が子供たちに保障されない国の将来は、危うい。

  生徒を差別したり、追い詰める発言をしたり、暴力をふるったり、先生とは思えない教師の資質が問われるニュースが報道で流れる。教師にも問題はあるだろうが、個人の資質を超えてその労働環境を変えていくことが大切だろう。そして、これを放置するとそんな余裕なくキレる先生に育てられた子供たちがまた次の世代に問題のある教育をする悪循環に陥っていくのではないか。

とまずは、うっかり辛口コメントから書き始めてしまったが・・・実は、本当は今日はちょっと明るい話題から入りたいところだった。

  ということで、明るい話題へ。

  (その1)は、非核平和都市宣言について

    私もこれまで不勉強で数年前に知ったのだけれど、wikiから説明を抜粋してみると

   <非核自治体の運動が始まったのは、全面核戦争の危機が高まった1981年の末、マンチェスター市から起こった英国の非核自治体の運動が上陸してから。マンチェスター市は非核宣言の輪を内外に広げ、まず翌年10月、国内の宣言自治体に呼びかけて、同市で全英非核自治体会議を開き、次いで全世界の宣言自治体に呼びかけて、1984年4月、やはり同市で第1回非核自治体国際会議を開いた。

   第6回の会議は(1992年8月)を横浜で開いた。この間、非核自治体国際会議は国連NGOともなった。

   日本でも、1982年8月5日、広島県府中町が同町でシンポジウム「非核宣言の輪を広げよう」を主催、9市町村(同町、武蔵野市、日野市、川崎市、藤沢市、津島市、佐屋町、沖縄県北中城村・読谷村)の代表が集まった。その日を出発点に1984年8月5日、非核都市宣言自治体連絡協議会が誕生し、のち同会は日本非核宣言自治体協議会(現在会員数は286自治体。会長は長崎市長)と改称された。
 
   1985年をピークに増え続け、現在(2016年1月)、1,604自治体を数える。日本における総自治体数は1,797、したがって宣言率は89.3%となるが、人口比では90%をはるかに越えている。しかし、非核宣言数に比べて日本非核宣言自治体協議会の会員数が少ない>


   日本非核宣言自治体協議会ココをみるとあなたの住む市町村が宣言をしているか、会員かがわかる。

   あれだけ多大な被害を日本にもたらした戦争の記憶を毎年思い出し胸に刻むこと。90%の宣言を出した日本の自治体がそれぞれの市町村議会が

  「核戦争による人類絶滅の危機から、住民一人ひとりの生命とくらしを守り、現在および将来の国民のために、世界恒久平和の実現に寄与することが自治体に課せられた重大な使命である。宣言自治体が互いに手を結びあい、この地球上から核兵器が姿を消す日まで、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を世界の自治体に呼びかけ、その輪を広げるために努力する」という同会の設立趣旨に同意して、宣言を決議して採択したことは素晴らしい。

   そして、何よりもこの非核平和都市宣言をすることで(自治体によっては、「平和都市宣言」と言っている)、各市役所で終戦の日前後には平和事業として戦争や原爆関連の展示、平和の碑の建設が行われるなどの活動が始まり、それが今も続いているところが多い。これも大切なことだ。
   市民の人がそれをどのくらい知っていて、活用しているかは私自身が数年前まで無自覚だったので、何とも言えないが・・・。

   こんなに非核平和宣言をしている市町村があるのに、なぜノーベル平和賞をもらった「非核平和条約」に日本が国として中心的役割を担うことどころか参加もせずにアメリカの傘の下にいる立場のためか、条約の取り組みから距離を取り続けたのか。
   そして、そんな態度の国に対して、なぜこの90%も宣言をした自治体が、力を発揮しえなかったのか。

   さすがに、広島市長と長崎市長は岸田外務大臣に対して抗議文を送り、その文章をココにネット公開しているが、私やあなたの市町村の長や議会は抗議文を送っているのだろうか。

   広島と長崎市長の抗議文には「被爆者は、次回の交渉会議でこの草案が条約案として採択されることに大きな期待を寄せています。日本政府におかれましては、被爆者の思いを真摯に受け止め、核保有国と非核保有国の橋渡し役を果たすためにも、是非とも勇気を持って交渉会議に参加するよう求めます。そして、唯一の戦争被爆国として、実効性のある核兵器の法的禁止を実現するために、力強いリーダーシップを発揮されるよう改めて要請します。」と書かれて、日本の国の態度に抗議してあった。

   まさに、その通り!そして、そんな国の態度に自治体から大きな抗議の声が広がらなかったとは・・・非常に情けない。平和都市宣言が泣いている・・・・

   明るい話題と書きつつ、「その1」の最後には、また暗くなってきちゃいましたね。

   では、今度こそ話題を変えて、「その2」でこそ明るい話題へ

  (その2) 次世代につなぐリレー

   戦後60年の2005年あたりから、戦争体験者の高齢化に伴い次世代への平和の大切さの伝承の問題が顕在化してきた日本。
   ちょうど、戦争体験者が仕事をやめて自由な時間ができる年代に入ったということもあるのか、それぞれの市に在住する平和団体や原爆被爆者の会の方などの後押しもあってか、戦争の記憶を次世代に伝えようという動きが強くなってきた。その1の宣言をしたのが、戦後40年あたりとすれば、次の大きな変化だったといえる。

   この頃から長崎や広島に市内の中学生を平和大使として派遣して、それを教育の場に役立たせようという動きがでてき始めた。
   長崎では特に被災地を回ったり、原爆祈念式典に参加するだけでなく青少年ピースフォーラムという長崎の青少年、高校生、大学生と全国から集まった平和使節団の子供たちが交流していっしょに平和を考える取り組みがなされ、(広島もあると聞くがそれについては調べてない)、平和学習に大きな力となり、クリックしてもらうと分かるが、去年は39都市から409人の子供たちが参加。

   そして、それぞれに自分の市に戻ると、学校で体験を校内で発表したり、平和使節で派遣した子供たちが10年以上になり大学生になったりして、高齢化してきた戦争体験者や被爆者の方たちの指導や応援を得ながら平和祈念式典の運営を継いでいったり、被爆地を訪れたり平和を考えてきた自分たちの体験を小学生に伝えたりし始めているのがわかる(参加した市の下に上記ネットサイトでは戻った後にしっかり活動をしている市の様子が見られるので参照してみられる)。

   忙しい先生のことを最初に書いたが、この平和使節団の活動も忙しい先生をさらに忙しくさせているかもしれないが、平和団体の方たちも支えて、上手に次世代、さらに次の世代へと平和教育のリレーをしていっている様子を知ることができ、とても明るい気持ちになった。

   特に、千葉県の我孫子市のページに飛んでみて、派遣後の活動報告(ココから見られます)をみると、とても勇気づけられた。

   こういう平和教育が、もっと全国にいまこそ広がってほしい!!!!そう心から思った。

   そして、広げるのに何が大切かと考えたとき、それを支えた市民が我孫子市には市民会議という形でいたこと。ここがポイントだと気づいた。

   そもそも、中学生派遣事業を決めたのが、議員とか、市役所の人とかでなく、市民が集まって戦後60年にどんな平和事業をすることが大事かと話し合った中で出てきたのが次世代に平和の心をつないでいくというこの事業であり、戦後70周年事業では、その市民会議に若い人がたくさん入っていたところが頼もしい!

   あなたの町で、私の町でこのような試みがどうできるのか。それは、人だのみではなく、あなたも私も、自分の手や足や頭を動かしていかないといけないようだ。黙って人頼みにしていてよくなる社会というのは、夢の話。やはり、気付いたら自分が動いてみるのが大事なのだ、きっとそうすれば何かが変わってくる。

   あなたに、今 余っている時間はありませんか? 余っている時間がない人には、余裕ができる社会の実現を(我が家の子供たちも共稼ぎで見るととても余裕がなさそうです。これでは、子育ても大変。長時間労働に親がならない人員配置ができる余裕のある社会が大切です。過労死なんて、論外です。労働と家庭生活や人生を楽しむ時間とのバランスが、結局人間にふさわしい、「いい仕事」を残せる基礎となると思う)!!!

   そして、リタイヤしたり、時間に余裕のある暮らしをしている人が、余裕のない人の分をとりあえずはがんばろう!!!!
   時間を有効に有意義に使えば、生きがいも生まれ、元気もでるはず!!!
   
   みんなで手をつないで平和を築きあげていくために、1歩1歩できるところから進めてみよう?
   明後日は、いよいよ衆議院選挙だが、自分たちの懐具合や地位や名誉ではなく、人々の幸せや平和のことを本当に考える人が選ばれてほしいものだ。