フェアトレードについて、実例がたくさん載っている「フェアトレードの時代」という本を読んでみた。
フェアトレードについて、少し見えてきた。そこで、ここに文字化して皆さんと共有してみたい。
* 「フェアトレードの時代」を読み進め、その中の内容を紹介しながら、そこに私の感じたことも入れて書いていくので、本とは少し違う表現も入ってしまうことをご了承ください。
・ 「安い」ってなんだかうれしい。でも、「こんなに安くて大丈夫?」と思うことはないだろうか?
「安い」と思った商品の表示に中国、インド、バングラデッシュ、ベトナム・・・などの発展途上国の名前が入っている。途上国では、日本に比べてずっと安い賃金で働いている人がいるから、たくさんのものを安く作れるのだ。
安いことは悪いことではない。でも、それが厳しい労働条件のもとで働いた人が作った商品だったら・・・「安くてラッキー!」と考えていいのだろうか。
資本主義のビジネスでは、企業の目的は利益を生むことだ。儲けを大きくするには、安い原料で安く作れるのが1番。世界中にネットワークが広がった今、世界のあちこちで物が作られ、貿易も盛んだ。昔と違って機械や農薬の進歩で大量の食品が作られ、保存技術の向上で長く商品を保存でき遠くまで運べるようになった。
豊かで便利になったように見えて、でもその豊かさが1部の人にとってはむしろ生活を苦しくするものだったらどうだろう。そこに生まれたのが、「フェアトレード」だ。
フェア(公正)な貿易で、同じ地球に住む、生産者も幸せになれる貿易のやり方。実は、消費者のためにも、生産者が安全で良質なものを手に入れる有効な手段にもなりうる貿易がフェアトレードだ。生産者が健康を害するような薬品や農薬を使わないのは、消費者にもいいことなのだ。
・ フェアに取引するには、どうしたらいいの?
生産コストや将来への投資分を考えられる価格を支払う。市場の情報や資金へのアクセスを可能にし、長期的な生産計画が立てられるように、生産者に長期取引を保障する。途上国の特に弱い立場の人や、小さな生産者たち、貿易拠点から離れている人たちに注目していく。
今は、消費する側が強い影響をもっているけれど、フェアトレードで生産側が消費する側に向かって行動を起こせる流れを作る。フェアトレードは、消費者である私たちが買う時にモノの背後にある人や社会を考えようというところからスタートしている。
まとめてみると・・・
・ 顔の見える貿易
個人対個人の取引は難しいので、実際の取引は、生産者たちで構成される生産者組合や、団体をまとめるNGO法人との取引が多いが、メリットを享受したら、生産者が暮らす地域全体がよくなるようにと考えるのがフェアトレード。生産者の暮らす地域が向上して、それが生産者たちの手で維持されていくように目標が立てられる。地域で病院や学校、技術研修もできるように。
大事なのは、顔が見える。生産者の様子を消費者が知ることができること。
*生産者と消費者の間に、NGO法人や、団体や、フェアトレードショップは当然ながら入るが、情報を共有できる距離感が近いこと。
・ 環境にも配慮
「持続可能」を目標にしているので、短期で大量生産とかで環境を破壊することのないように、土壌や健康に配慮し、農薬や肥料についても過度に使わない。
・ 認証の問題
フェアトレード商品の普及のために、国際基準を作ってFLOの認証があれば「フェアトレード・ラベル」を貼れるようにした。
ただ、ラベルを管理するためのコストや体制の問題もあり、経済的に苦しい生産者にはコスト面や書類作成がむずかしいといった声もでている。スーパーでの大量なフェアトレード商品の流通とかが、小さな専門店などの営業を危うくする・・・でも、フェアトレードの普及を進めるメリットもある。
大きな企業では、2002年スターバックスが日本で初めてフェアトレードコーヒーを販売。2003年にイオンが続いた。 *イオンのフェアトレードについては、このブログのココで紹介したように、一人のお客さんの声から始まったという話が印象に残る。
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さて、ここからは具体例です。
・一橋大学 ラポンテの2003年から始まった「まちづくり」というオリジナル実践型授業から生まれた、学生が始めたチョコレートのフェアトレード。
国立市制40周年の記念チョコとしてフェアトレードのチョコを作った(2007年)
・NGO シャプラニール 1974年からフェアトレードに取り組む バングラデッシュで女性対象の手工芸品の生産活動を支援のため、フェアトレードを始めた。ネパールにも取り組みを広げて、「手工芸を通じて、作り手と買い手がつながり、笑顔になれる」の思いを込めて「クラフトリンク」と呼ぶ活動で、今はインターネット楽天市場でも販売。
・第3世界ショップ 生産者の顔が見えない既存貿易に対して、対案(オルタナティブ)として、フェアトレードを推進した。コーヒーから、カレーペーストの「カレーのツボ」販売など。日本のカレールーの文化を自国に逆に持ち帰り工場を作ったマリオさんから買う。
・オルター・トレード・ジャパン フィリピンのネグロス島の砂糖、バラゴンバナナを扱う民衆交易機関として、生協や、生活クラブの出資を受けたりしつつ設立。生産者と消費者が顔を合わせる貿易。
・ ピープルツリー
フェアトレードだから買うというだけでなく、「かわいいから買ったらフェアトレードだった」とフェアトレードの認知を広めていく。自由が丘や表参道に店を持ち、有名デザイナーのデザインの服を、現地に行って指導をしながら作っている。生産者の技術向上や働く環境支援もしている。
・ ネパリパザーロ ネパールに学校を作って支援しようとしたが、学校に通えない子の現実を知り、親の就労を考えてフェアトレードを始める。教育を受けたことのない生産者に教えるのは大変だが、長い時間をかけ手工芸品や日本伝統の紙布服の生産まで取り組んでいる。小規模生産にこだわって、顔と顔が見える関係を続ける。
「ひとりひとりが世界を意識する。そのわが広がれば、世界を変える力にもなるはず。同じ地球に暮らす者同士、これからは助け合っていく時代だと、感じている」(代表、土屋春代さん)
・ぐらするーつ 最初は、手織りや手刺繍など手工芸品を直接取引してスタートしたが、「売りたいけれど仕入れられない」との声に、卸しをする中で、他のフェアトレード団体のを中継ぎしたりし、やがて様々なフェアトレード団体からまとめて仕入れて全国のショップに卸すようになった。大きなスーパーのフェアトレード販売については、認知を広げてもらう意義を評価。小さなフェアトレードショップは、それとは違う、地域の活性化にもつながる「フェアトレードの魅力は顔が見える生産者のストーリーが聞ける」専門店としての魅力を広げていけば十分生き残っていけると考える。300店と関係をもっている。
スイマセン。これ、最後まで追っていくとこの倍以上の量になりそうなので、ここらで止めにします。後は、本で読んでみてください。
でも、最後にスローウォーターカフェの方が、自分たちの活動のたとえに使っているハチドリの話だけはお伝えしたいと思います。
アマゾンに伝わる神話で、アマゾンの森が燃えた時、強い動物は我先にと逃げたのに、小さいハチドリだけはそこに残って、くちばしに1滴ずつ水を含んでは、飛んで燃えている森に水をかけた、というのです。
それを見て、「そんなことをして、森の火が消えると思っているのか?」と笑うモノに、小さなハチドリは「私は、私に出来ることをしているの」と答えたというのです。 さあ、私たち1人1人には何ができるのでしょう。
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読み進んで、フェアトレードについて、分かったこと、大切にされていることを最後に書き留めておきます。
売り手の生活も、自分の生活のように大切と思える感性を大切にし、互いに持続可能な生活ができるように配慮できること。高いけれど、寄付のような気持ちで消費者が買うのでなく、良質で、消費者に愛されるもの、胸を張って売れるものを生産者も作ること。
本来は、すべての商品が作り手の心がこもったモノであったはず。でも、今は生産者と消費者の間の距離や、流通ルートが長く離れていて、自分がほしいと思った商品が、地球環境を破壊したり、他人を犠牲にしてできたものであっても自分の目には見えない。
市場にはいろいろな品物が溢れている。その中で、私たちは商品を選択できる。生産者も幸せに生きられる。効率を重視した貿易とは違う「もう一つ」の貿易のカタチを示して、消費者の選択肢を広げたフェアトレード。この貿易が力を得てきたら、世界は変わるかもしれない。
確実に、その道は世界の人々がお互いの命や生活を尊重し、仲良く平和に暮らせる世の中へと続く道だろう。
フェアトレード、少しずつ分かってきましたね。
ちょっと高めだけれど、私自身は生活クラブで食品を買っています。地産地消も含めて、作り手の話を聞きながら会員の代表が消費者と生産者の双方の立場を大切にしながら選んだり開発してきた商品が売られています。
買い物の選択肢の中に、今日からでもフェアトレード製品を入れてみませんか?何事も、まずは小さな一歩から!
フェアトレードについて、少し見えてきた。そこで、ここに文字化して皆さんと共有してみたい。
* 「フェアトレードの時代」を読み進め、その中の内容を紹介しながら、そこに私の感じたことも入れて書いていくので、本とは少し違う表現も入ってしまうことをご了承ください。
・ 「安い」ってなんだかうれしい。でも、「こんなに安くて大丈夫?」と思うことはないだろうか?
「安い」と思った商品の表示に中国、インド、バングラデッシュ、ベトナム・・・などの発展途上国の名前が入っている。途上国では、日本に比べてずっと安い賃金で働いている人がいるから、たくさんのものを安く作れるのだ。
安いことは悪いことではない。でも、それが厳しい労働条件のもとで働いた人が作った商品だったら・・・「安くてラッキー!」と考えていいのだろうか。
資本主義のビジネスでは、企業の目的は利益を生むことだ。儲けを大きくするには、安い原料で安く作れるのが1番。世界中にネットワークが広がった今、世界のあちこちで物が作られ、貿易も盛んだ。昔と違って機械や農薬の進歩で大量の食品が作られ、保存技術の向上で長く商品を保存でき遠くまで運べるようになった。
豊かで便利になったように見えて、でもその豊かさが1部の人にとってはむしろ生活を苦しくするものだったらどうだろう。そこに生まれたのが、「フェアトレード」だ。
フェア(公正)な貿易で、同じ地球に住む、生産者も幸せになれる貿易のやり方。実は、消費者のためにも、生産者が安全で良質なものを手に入れる有効な手段にもなりうる貿易がフェアトレードだ。生産者が健康を害するような薬品や農薬を使わないのは、消費者にもいいことなのだ。
・ フェアに取引するには、どうしたらいいの?
生産コストや将来への投資分を考えられる価格を支払う。市場の情報や資金へのアクセスを可能にし、長期的な生産計画が立てられるように、生産者に長期取引を保障する。途上国の特に弱い立場の人や、小さな生産者たち、貿易拠点から離れている人たちに注目していく。
今は、消費する側が強い影響をもっているけれど、フェアトレードで生産側が消費する側に向かって行動を起こせる流れを作る。フェアトレードは、消費者である私たちが買う時にモノの背後にある人や社会を考えようというところからスタートしている。
まとめてみると・・・
・ 顔の見える貿易
個人対個人の取引は難しいので、実際の取引は、生産者たちで構成される生産者組合や、団体をまとめるNGO法人との取引が多いが、メリットを享受したら、生産者が暮らす地域全体がよくなるようにと考えるのがフェアトレード。生産者の暮らす地域が向上して、それが生産者たちの手で維持されていくように目標が立てられる。地域で病院や学校、技術研修もできるように。
大事なのは、顔が見える。生産者の様子を消費者が知ることができること。
*生産者と消費者の間に、NGO法人や、団体や、フェアトレードショップは当然ながら入るが、情報を共有できる距離感が近いこと。
・ 環境にも配慮
「持続可能」を目標にしているので、短期で大量生産とかで環境を破壊することのないように、土壌や健康に配慮し、農薬や肥料についても過度に使わない。
・ 認証の問題
フェアトレード商品の普及のために、国際基準を作ってFLOの認証があれば「フェアトレード・ラベル」を貼れるようにした。
ただ、ラベルを管理するためのコストや体制の問題もあり、経済的に苦しい生産者にはコスト面や書類作成がむずかしいといった声もでている。スーパーでの大量なフェアトレード商品の流通とかが、小さな専門店などの営業を危うくする・・・でも、フェアトレードの普及を進めるメリットもある。
大きな企業では、2002年スターバックスが日本で初めてフェアトレードコーヒーを販売。2003年にイオンが続いた。 *イオンのフェアトレードについては、このブログのココで紹介したように、一人のお客さんの声から始まったという話が印象に残る。
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さて、ここからは具体例です。
・一橋大学 ラポンテの2003年から始まった「まちづくり」というオリジナル実践型授業から生まれた、学生が始めたチョコレートのフェアトレード。
国立市制40周年の記念チョコとしてフェアトレードのチョコを作った(2007年)
・NGO シャプラニール 1974年からフェアトレードに取り組む バングラデッシュで女性対象の手工芸品の生産活動を支援のため、フェアトレードを始めた。ネパールにも取り組みを広げて、「手工芸を通じて、作り手と買い手がつながり、笑顔になれる」の思いを込めて「クラフトリンク」と呼ぶ活動で、今はインターネット楽天市場でも販売。
・第3世界ショップ 生産者の顔が見えない既存貿易に対して、対案(オルタナティブ)として、フェアトレードを推進した。コーヒーから、カレーペーストの「カレーのツボ」販売など。日本のカレールーの文化を自国に逆に持ち帰り工場を作ったマリオさんから買う。
・オルター・トレード・ジャパン フィリピンのネグロス島の砂糖、バラゴンバナナを扱う民衆交易機関として、生協や、生活クラブの出資を受けたりしつつ設立。生産者と消費者が顔を合わせる貿易。
・ ピープルツリー
フェアトレードだから買うというだけでなく、「かわいいから買ったらフェアトレードだった」とフェアトレードの認知を広めていく。自由が丘や表参道に店を持ち、有名デザイナーのデザインの服を、現地に行って指導をしながら作っている。生産者の技術向上や働く環境支援もしている。
・ ネパリパザーロ ネパールに学校を作って支援しようとしたが、学校に通えない子の現実を知り、親の就労を考えてフェアトレードを始める。教育を受けたことのない生産者に教えるのは大変だが、長い時間をかけ手工芸品や日本伝統の紙布服の生産まで取り組んでいる。小規模生産にこだわって、顔と顔が見える関係を続ける。
「ひとりひとりが世界を意識する。そのわが広がれば、世界を変える力にもなるはず。同じ地球に暮らす者同士、これからは助け合っていく時代だと、感じている」(代表、土屋春代さん)
・ぐらするーつ 最初は、手織りや手刺繍など手工芸品を直接取引してスタートしたが、「売りたいけれど仕入れられない」との声に、卸しをする中で、他のフェアトレード団体のを中継ぎしたりし、やがて様々なフェアトレード団体からまとめて仕入れて全国のショップに卸すようになった。大きなスーパーのフェアトレード販売については、認知を広げてもらう意義を評価。小さなフェアトレードショップは、それとは違う、地域の活性化にもつながる「フェアトレードの魅力は顔が見える生産者のストーリーが聞ける」専門店としての魅力を広げていけば十分生き残っていけると考える。300店と関係をもっている。
スイマセン。これ、最後まで追っていくとこの倍以上の量になりそうなので、ここらで止めにします。後は、本で読んでみてください。
でも、最後にスローウォーターカフェの方が、自分たちの活動のたとえに使っているハチドリの話だけはお伝えしたいと思います。
アマゾンに伝わる神話で、アマゾンの森が燃えた時、強い動物は我先にと逃げたのに、小さいハチドリだけはそこに残って、くちばしに1滴ずつ水を含んでは、飛んで燃えている森に水をかけた、というのです。
それを見て、「そんなことをして、森の火が消えると思っているのか?」と笑うモノに、小さなハチドリは「私は、私に出来ることをしているの」と答えたというのです。 さあ、私たち1人1人には何ができるのでしょう。
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読み進んで、フェアトレードについて、分かったこと、大切にされていることを最後に書き留めておきます。
売り手の生活も、自分の生活のように大切と思える感性を大切にし、互いに持続可能な生活ができるように配慮できること。高いけれど、寄付のような気持ちで消費者が買うのでなく、良質で、消費者に愛されるもの、胸を張って売れるものを生産者も作ること。
本来は、すべての商品が作り手の心がこもったモノであったはず。でも、今は生産者と消費者の間の距離や、流通ルートが長く離れていて、自分がほしいと思った商品が、地球環境を破壊したり、他人を犠牲にしてできたものであっても自分の目には見えない。
市場にはいろいろな品物が溢れている。その中で、私たちは商品を選択できる。生産者も幸せに生きられる。効率を重視した貿易とは違う「もう一つ」の貿易のカタチを示して、消費者の選択肢を広げたフェアトレード。この貿易が力を得てきたら、世界は変わるかもしれない。
確実に、その道は世界の人々がお互いの命や生活を尊重し、仲良く平和に暮らせる世の中へと続く道だろう。
フェアトレード、少しずつ分かってきましたね。
ちょっと高めだけれど、私自身は生活クラブで食品を買っています。地産地消も含めて、作り手の話を聞きながら会員の代表が消費者と生産者の双方の立場を大切にしながら選んだり開発してきた商品が売られています。
買い物の選択肢の中に、今日からでもフェアトレード製品を入れてみませんか?何事も、まずは小さな一歩から!