さて、これまでチョコレートを中心にフェアトレードについて書きましたが、友人から、「チョコレートのことは少し分かってはきたけれど、他のものはどこで買えばいいの?」と聞かれました。
確かに、フェアな買い物をしてみようという気持ちが実際の「買う」行為に結びつくことが大事なのに、その話をしないと片手落ちですね。
チョコレートについては、イオンやセブンイレブンでも手に入る。普通の店でも「Beans to Bars」という生産者の立場に立った明治のthe chocoate シリーズについて書きましたが、今回は私の購入している生活クラブについて書きましょう。
まずは、生活クラブで買ったバナナの袋の中に、下のような紙が入っていました。
バランゴンバナナという商品なのですが、これはATJ(
オルター・トレード・ジャパン)が扱っているフェアトレード商品です。
小さくたたんで入っていたので、ちょっと読みづらいかもしれませんが、左側には生産者の方の声として
「先祖から受け継いできた土地。私なりに農業セミナーなどの研修にも参加しました。でも、高度な技術は実践が難しく、自分の地には適していないように感じた。その後、有機農業に出会い、これこそ持続的なものと思いました。化学的な肥料や農薬を使えば、一時的に生産量が増え、収入もよくなる。でも、それは一時的なもの。結果的に自分たちが損をする」
と書いてありました。生活クラブのバナナは、このようなフェアトレードに基づいたバナナを扱っています。
生活クラブの
フェアトレードの取り組みには、「生活クラブは生産者と連携して、食べものの国内自給力を高めることをめざしています。しかしコーヒーやスパイス類など、国内では生産の困難な食品は輸入しています。海外産品であっても、消費材としての基準は国内品と同様です。組合員が生産地に赴き、生産状況を確認することを含め、トレーサビリティーを追求した食品を取り組んでいます。また、逆に海外から生産者を迎えて、組合員と生産者の交流を図っています。さらに、現地の環境破壊を引き起こしたり、食べものを奪うような輸入ではなく、海を越えて顔を見える関係を築き、生産者と私たちお互いが豊かになる提携をめざしています」と書いてありました。
つまり、バナナやコーヒーなど国外産でないと入手できないものは、上のバランゴンバナナがそうであるようにフェアトレードで。国内産があるものは国内自給力を高めるために国内産を使うと言っています。
国内産もでも生産者の顔が見えるように間に媒介者を入れずに生産者の立場も考え、安全な商品を消費者に渡すという意味では、
広義のフェアトレードの範疇です。
大事なのは、消費者と生産者が遠く離れすぎたことで起きる問題を距離をグッと縮めることで解消し、消費者と生産者が手をつなぎ合ってお互いに安心・安全な生活ができるような関係を持つこと。
こうした視点に立って商品を扱っている生活クラブの商品は、ひとつひとつにこだわりがあるようです。例えば、餃子では長野のにらやキャベツを使った
美勢商事の話、豆類の生産の
北海道の農家の話にあるように、生産者を知った上で、取引をしているのがよく分かります。生活クラブのでんきも同じ考えに立って再生可能エネルギーを使って供給しています。私は、偶然
私市醸造の工場見学をする機会があり、素晴らしい工場だと思ったら、生活クラブで自分が使っているお酢だったということがありました。丁寧に生活クラブが生産者を厳選していることが、確認できました。
生協も、基本的に消費者にも安全、生産者にも安全な商品を考えていると思います。(参照:
「コープはフェアトレードに取り組みます」)
大地の会とか、同じようなコンセプトで消費者と生産者にたった宅配サービス、是非検討してみてください。フェアな消費を進める中で、日本の内外に係わらず生産者と消費者がお互いに尊重し合って日々を暮らすことが平和につながる!
自分の家の周囲の農家の小さい店、道の駅などでの地域の物品販売だってもちろんOKですよね。大切なフェアトレードの基本が身についてくれば、自分がどのような消費をすればよいのか、分かってくるのではないでしょうか?
食卓も豊かで美味しい食事になり、楽しくなりますよ。