川湯温泉「欣喜湯」に宿泊する 源泉かけ流し 夕食膳

川湯温泉駅から10分ほどで今夜の宿の前にバスは停車しました。





川湯温泉の「欣喜湯」です。中に入れば大変元気でよく喋る番頭さんがおります。最近宿の名前の半纏を着た番頭さん少なくなりましたよね。そして「こちらは初めてですか？」と聞かれたので「いや、10年ぶりくらいかな」と答えると大変恐縮された。でもよく記憶を思いおこせば2010年2月にも宿泊しているのを思い出した。どっちにしても相当前ではありますが宿の雰囲気はなにも変わらない。変わったのは名前だけで当時は「川湯ホテルプラザ」だった。



部屋に入れば硫黄の匂いがぷんと染みついています。別に部屋が悪いのではなく、廊下もロビーも、果ては川湯温泉街全体が硫黄臭がします。苦手な人もいるでしょうが、温泉街なのだからこれくらいでないと。



食事前に風呂に漬かります。川湯温泉のいいところはとても湯の質が良くで濃いこと。





PH1.7と強酸泉で五寸釘を漬けておけば半月で溶けてなくなるという。なので傷があるとそこを集中攻撃してきます。染みますけど傷が治癒してゆくようであります。風呂は二階建てになっていて、入ってすぐに中温（41度くらい）と真湯の浴槽と洗い場。源泉が濃いので真湯は肌が弱い人用です。階段を降りれば低温（38度くらい）・中温（40度くらい）・高温（42度以上）があり低温はずっとじっくりと入浴できますね。川湯温泉ではどこの宿も源泉かけ流しだ、湯量が豊富なのもありますけど循環設備を使ったとしてもすぐに腐食して故障するから無理なのだ。源泉は60度ほどあるので、浴槽までの引湯距離や熱交換器を使って温度調節しているそうだ。なお浴槽の写真はありませんよ、爺さんが入っていたので。

食事は18時半にレストランでいただきます。



先にお膳がセットされていて、見渡せば今夜は7組の模様。うち4組はひとり旅で、こういう温泉宿を大事にしてゆきたいものだ。



まず鍋は紙鍋で知床鶏の味噌鍋とのこと。なかなか濃いめの味噌だれがいいねえ。最後にうどんでも入れて煮込みたいほどだ。ちなみに飲み物はサッポロクラシックの中瓶を。ロビーの自販機ではアサヒしかなかったが付き合いもあっていろいろと顔を立てた結果なんだろうな。風呂上がりのビールはやっぱり旨い！ぐいと飲んでしまいすぐに2本目を注文しちゃったよ。追加はゆっくり飲もう。



陶板焼きは牛肉でした。焼く前の状態を見ていなかったので確実なことは言えないがバターが入っていたものと感じました。刺身は帆立とサーモンにしめ鯖で帆立は結構甘かった。サーモンはもっと脂があるとヨシ。



あとから3品が運ばれます。まず洋皿は「ちゃんこい皿（日替わり）」となってて、ちゃんこいとは小さいという北海道の方言でタラフライだという。それに南瓜や牛蒡の炊いたものが添えられています。タラフライ自体は数日前に社食で食べたかも…。煮物は摩周ポークの角煮で甘く炊かれていて旨い。あとから出てくる御飯のために一切れ残しておこう。ほかに摩周うどんの蟹天ぷらのせが出てきて、かなり時間が経っていると思うが麺はダレずにコシがある。これを書くにあたり検索すると地元の業者が作った乾麺とのこと。伸びにくくするためにデンプンを混ぜていると思います。それよりも驚いたのは北海道のうどん汁は関東よりですから濃いのですが、こちらのは薄味仕立てで大阪市内でこの汁でうどん屋を始めたら人気が出そうな、そんな旨さでした。



最後に白飯と吸い物が運ばれて、残しておいた角煮をオンザライスして食べれば最高。さらにデザートとしてアイスクリームも出てきて満腹。一番安いランクのお膳なんですが十分腹いっぱいになりました。翌朝は客数も少ないのでバイキングではなくお膳とのこと。



ザンタレが食べられず残念だなあ。





これは余談で、部屋の近くの廊下にある絵。恐らくだけど昭和30年代か40年代の作品かなあ。