小松原橋登山口(8時)ー 882ピーク(9時20分)ー合流地点(10時20分)-黒ダキ山山頂(11時)-仏岩(11時20分) 昼食30分 12時発 ー 合流地点(12時半) 林道(13時半)-細見川橋(14時半)
今日は 広島県 黒ダキ山へ寿限無さんと登った。
久しぶりに ヤブや灌木を漕ぎながら深閑とした深い森へ入った。
「びっけさん 待っていてください。」

入り口がわかりにくく 寿限無さんが先に確認された。
小松原橋を渡りガードレールが切れた所をすぐに左に降り 支尾根に取りつくまで這い上がるのだが 岩や倒木があり 少し戸惑った。
「うわあ・・・こりゃあ大変 こんなのが 続くのかなあ・・・」
支尾根に 取りつくと 踏み跡がしっかりとしていて 安心。
30分くらい急斜面を登り 高度を一気に上げていく。
なだらかになると 笹が出始めた。
腰くらいなので あまり苦にもならない。
この辺りはきっとクマの生息区域 二人の鈴だけでは頼りなく 今日は寿限無さんが 数分ごとにずっと ホイッスルを吹きながら進んでくださる。
少し遅れ気味になる私は 笹や樹木に見え隠れする水色の帽子を確認しながら 笹を漕ぐ。
笹を漕ぎながら深い森に足を踏み入れるにつれ だんだんと森の空気に陶酔していき あの感覚が戻ってきた。
足は枝や笹に絡まりながらも 気持だけが前へ前へと身体がすうっと宙に浮くような感覚に捉われるのだ。
パッと目を引く足もとの真っ赤な赤い実が 我を引き戻し 気持にアクセントをつけてくれる。

広葉樹の森はきれいに紅葉している。
展望から望む山々は まるでシンフオニーを奏でているよう。


先を行かれていた 寿限無さんが 急に
「うおおっ!」
と 大声を上げ こちらへ突進してこられた。
「ええー どうしましたかー なんか出ましたか」
てっきり 私は クマが出たと思った。でも 私 走ってにげられない。。。。
「スズメバチです」
「あらあ。。。」
見ると一匹のスズメバチが飛んでいる。
「迂回しましょう」
しばらく少し 尾根から外れて 回避した。
急登を登り 合流地点のあの広島営林署の赤い灰皿が見えた。ここで少し休憩。

しばらく進むと 笹の広がる美しい谷に出た

笹 灌木 倒木を除けながら 山頂へ
黒ダキ山頂から さらに 二十分上り下りして
仏岩へ11時二十分到着

ここか十方山へは 踏み跡もわかりずらくなるらしく 時間もないので やめておく。
「これを見ながら びっけさんんも 確認されてみてください」
林道に降りて 寿限無さんが地形図を私に渡された。 歩きながら 地形図が示す谷や尾根と自分の歩いている所を確認しながら歩いた。
「このくらいの谷だと地形図にしっかりとでてきます。」
「ああ。ここですね。」
コンパスと地形図 これが 完全に理解でき使いこなせるようになると 山歩きもきっともっと楽しくなるんだろうなあ。。。
林道の下をのぞみこむと谷は深く 沢の流れる音が聞こえる。
林道といっても荒れ果てて 何か所も崩落個所がある。
道にも樹木が 生えて山道を歩くようだ。
陽の光に照らされた笹と広葉樹のコントラストがあまりにも美しく 思わず立ち止まり 溜息をついた。
「きれい。」

大きな トチの木



ああ、自然はいい。
今夜はまた 布団の中で 山を 彷徨する
