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STILL ALICE アリスのままで

2016年08月16日 | コラム
私の妹はとても優秀な子供でした。
小学校の時に父の転勤が決まった時、担任教師にクラスの平均点が下がるから転向させないで欲しいと言われたほどです。色白で物静かな子供でしたがスポーツも万能で、中学を卒業して10年以上も、高飛びと幅跳びの記録を持っていました。バスケ部なのに、かり出されて出た競技会での記録です。

大学時代には1年間の留学をし、卒業後は4年ほどドイツで働いていました。「日本に留まるような娘ではない」と父が言っていたとおりに成長したのです。

ですが、帰国後に地元の人と知り合い結婚し、日本を出るどころか北海道に住み続けるという選択をしました。その妹のご主人、私にとっては義弟は運動に関係した脊髄や小脳の神経が変性する難病で、結婚後10年もたたないころから、徐々に動けなくなりました。それかずっと、妹は彼の世話をしています。あれほど優秀だった人ですから、もし、良い機会に恵まれていたら、それこそ世界を飛び回って活躍していたでしょう。でも、これが私に与えられた人生だと、愚痴をこぼすこともありません。

「STILL ALICE アリスのままで」は、2014年の映画。

         


ジュリアン・ムーア演じる、高名な言語学者であるアリスは、若年性アルツハイマーと告げられ少しづつ記憶を失くしていく中で瞬間の幸せをみつけようとする。医学博士の夫は深い愛情で妻を見守りながらも、自分のキャリアのために転地に赴く。家族性遺伝が原因と言われ、検査で陽性とわかっても人工授精で子供を産む長女、検査を拒否する次女。

苦しみは誰のせいでもありません。それぞれがそれぞれなりに向き合わなければならないことです。アリスの記憶が消えても、アリスがいた事、アリスがしてきたこと、アリスが注いだ愛情は消えません。人生には何が起こるかわかりません。私の妹の人生が今のようになるなんて、想像もできませんでした。

人生は瞬間、瞬間を一生懸命に過ごすこと、丁寧に大切に過ごすことが大切だと改めて思いました。それでも、本人のがんばりや心がけ以外のところで変わってしまう人生には、やはり不公平を感じます。

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