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日々是ほぼ好日

小さな幸せを探して、好奇心満載の毎日。

バリの結婚

2011年07月20日 | コラム
                     


バリでの楽しみはマッサージ。
プールサイドやビーチで薄めた(と思われる)ベビーオイルを持ったオバサンが、これ以上ないという笑顔で近づいてきて、「マッサージ?」を繰り返す。
ノーノーと言っても繰り返される「マッサージ?」に根負けしてお願いしたひざ下のマッサージは500円ほど。とても上手でお得感いっぱい。

でもお目当ては、4時間のフルコース。
全身オイルマッサージ、アーユルヴェーダ、ヘアパック、フェイスエステそして花風呂。日本の1/4くらいのプライスで送迎つき。極楽です。

その送迎は、日本語が話せるドライバーがやってくる。
国費での日本研修から(別の島の)自宅に帰る途中でバリが気に入ってそのまま暮らしている人とか、日本に住む親戚のところにしばらく同居して日本語覚えた人とか。国費で研修した建築の知識は生かさなくていいのかなと、心配になったりして。

「結婚してる?子供は?結婚して何年?」と質問攻めにも丁寧に答えました。

「ダンナさんは結婚してる?」
あれ? 丁寧に答えたつもりだけど通じてない? ダンナさんって意味が違うのかな。

「結婚して10年以上たって子供がいないのに、ダンナさんは結婚してないのか?」
えーと、何をどう答えればいいのやら。

「子供がいないと家がなくなる。だからバリでは(たぶん彼の宗教では)10年過ぎたて子供が生まれなかったら、また結婚するよ。2人目のオクサンにも子供が生まれなかったら、5年後に3人目と結婚する」

神々が住む島。バリの人々は宗教と共に生きてる。
オクサンは朝からたくさんのお供え物を作って神様の通り道やご先祖様に供える。それが数十箇所あるらしい。
「とても大変な作業なので手伝ってもらうためにも子供がいることが大切なんだよ」

バリの人たちは家族を大切にしてるし、子供をとても可愛がる。
話し出すとすぐに写真を見せてくれるし自分の子供をみかけると車をとめて声をかける。可能な限り子供を連れて出かける。
そして子供たちはみんながみんな、不思議なくらいにとっても可愛い。

だから家がなくなるとか宗教とか本当はあまり重要な理由じゃなくて、子供が好きで家族が増えるのが嬉しいっていうのが本音なんじゃないのかなって思ってる。

                    


宗教と言えば、宗派によって制限されている食べ物が違ったりする。最初に知り合った人は「バリの宗教で豚肉を食べられない」と言っていた。別の人と食事をするときに牛肉料理をオーダーしておいたら「僕の宗教は牛肉はダメ。豚ならよかったのに~」と。神々が多すぎてムズカシイです。


LAで運転

2011年07月16日 | コラム

                 


ロサンゼルスに住んだのは18ヶ月。
出発の前に、「車の運転をしない」という約束を父と交わした。

でもね、住んでみると車のない生活なんてムリなんです。
あの頃はまだ地下鉄がなかったので、公共の乗り物はバスだけ。
ガイドブックには運転手のすぐ後ろに座るようにと書いてあったけど、学校の友人たちは銃を持っている運転手が怖いと言う。

そもそも、普通の人はバスを利用しない。
バスに乗り合わせた人を見渡すと、体がこわばる。
車内はガラガラなのに隣に座る白人男性。バスに乗る白人に出会うことなんてほとんどない。
良い意味じゃなくて。

と、いうわけで免許を取ることに。
DMVでのペーパーテストは友人とおしゃべりしながら、そして助手席に試験官を乗せて近所を10分ほどドライブするのが実技試験。
3日ほどで、晴れてカリフォルニアのドライバーズライセンス取得。簡単です。

そして500ドルくらいで手に入れたのは、アメリカングラフィティに出てきそうなクーガーという大きな車。
どこをぶつけても気にならないような年代物。

もうすぐ日が変わるという時間に運転していたとき、パチパチという音とともに火花が見えた。
タバコを踏んだと自分に言い聞かせる間もなく、また火花。
それはあきらかに自分の車のボンネットから。

深呼吸を繰り返しながらようやく着いたいつものガソリンスタンドは夜仕様で、防弾ガラスの小さな回転式窓だけがポツンと明るくなってる。
光の向こうのお兄さんは電話を貸してくれない。
「お前が銃を持っていないという保証はないじゃないか。頼むから、通りの向こうの公衆電話へ行ってくれ」

恐怖心と戦いながら公衆電話まで行ったけど、友人は留守でつかまらない。
この道を通るはず、と歩道に立っていたら、「暗いからスタンドのライトの下に移動したほうがいいよ」と声をかけてくれた人が。
でも、そこだと車から私が見えない。
「それなら一緒に待っててあげよう。一人だと危険だから」
ありがとう。でも、大丈夫よ、友人がすぐにくるから。
(だってあなたが危険じゃないっていう保証はないんだもの)

通り過ぎた友人の車がUターンして戻ってきたときは、文字通り飛び上がって喜んだ。
私が見えたわけではなくガソリンを入れるために戻ったという偶然に、神様にも仏様にも感謝しました。

爆発するかもしれないと怖くて開けられなかったボンネット。

接触が悪いだけと言われても運転したくないよね、もちろん。
やっぱり日本車よと、友人と車を交換して帰りました。

日本車とかアメ車とかじゃなくて手入れの差、なんですけどね。


おまけ。
帰国の時、日本の免許が切れていたので国際免許を取りにいったら写真がひどかった。
撮り直してほしいという私に、「いったい、誰が君の国際免許を見るんだ?」とあっさり却下されました。