恵北駅は、音威子府駅からオホーツク沿岸を迂回して南稚内駅までの148.9kmを結んでいた全線単線非電化のローカル線だった天北線の一般駅として、1922(大正11)年11月1日に開業しました（開業時は宗谷本線に所属し、幕別駅と称していました）。
しかし、天北線は1989(平成元)年4月30日限りで廃止され、それに伴い恵北駅も廃駅となりました。
ちなみに、天北線は廃止時まで急行「天北」が運行されていましたが、このように優等列車が運行された状態で全線廃止となった路線は、国鉄・JRの歴史上天北線が初めてでした。
かつて恵北駅は相対式ホーム2面2線を有し、列車交換も可能でした。 また、この駅からは木材の搬出がなされていたため、駅舎側のホームの切欠き部分に引込み線と貨物ホームを有していましたが、その後の貨物取扱い廃止と駅の無人化によりそれらは撤去されてしまい、天北線廃止時点で恵北駅は単式ホーム1面1線を有するのみでした。
なお、開業時に建てられた木造駅舎は、無人駅化後もそのままの姿で廃止時まで解体されずに残っていました。
＜恵北駅の年表＞
・1922(大正11)年11月1日：旧国鉄宗谷本線の幕別駅として開業
・1930(昭和5)年4月1日：線路名が北見線に改称されたのに伴い、同線の駅となる
・1961(昭和36)年4月1日：線路名が北見線から天北線に改称されたのに伴い、同線の駅となる
・1963(昭和38)年10月1日：駅名が幕別駅から恵北駅に改称される
・1973(昭和48)年9月17日：貨物・荷物取扱い廃止。 駅の無人化(簡易委託)
・1987(昭和62)年4月1日：国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる
・1989(平成元)年4月30日：天北線の廃止に伴って廃駅となる
撮影年月日：1988(昭和63)年11月2日
