愛しのボニー

元保護犬
2020年9月21日没(推定10歳)
ラブラドール・レトリバーのボニーの思い出

まさかの骨折

2021-01-04 10:12:56 | 思い出

数年前、大腿骨を折って救急搬送されたことがあった。

 

転倒して大腿骨骨折するのはご老人と相場は決まっているらしく

「まだ若いのに…どうしたの?」注)老人でないだけで若くはありません

と、医師は首をひねっていた。

 

思えば若い時から違和感はあった。

脚の開きが左右で違っていた。

歩き出し数歩、痛むことがある。

その程度の。

 

激痛で搬送されたが、あの日は日曜で家族がいた。

それだけでも幸運だったと思う。

大腿骨を折ると立つことはおろか、まったく動けない、絶え間なく続く痛み―

 

その痛みの中で考えるのはボニーのことだった。

幸い子どもは成人しているし、何とかなるだろう。

でもボニーは?

 

あの子はわたしだけが頼りだ。

どうしよう どうしよう どうしよう…

考えても何もできない

 

夫がわたしやボニーのために動いてくれるとは到底思えない

前にわたしが怪我をした時に「15分程度でいいから…」とお願いした朝の散歩も拒否された

「このおかしな犬を返してこい!」

怒鳴りつけられた嫌な記憶がよみがえる

 

記憶の底にたまっていた澱のような思いが浮かび上がる

 

もうおしまいだ もう終わりだ

 

救急車の中で泣いているわたしに救急隊員の方が

「大丈夫ですよ。搬送先の病院は全国から患者が来るような評判のいいところです。心配いりませんよ」

と励ましてくれた。

が、申し訳ないことにわたしの思いはまったく別のところにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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