大人たるもの、子どもの手本に生るべきものですが、なかなかうまく行きませんね。
国会議員でも、不届きな行動をしている輩はたくさんいますよ。
＜コラム 筆洗＞歌人の斎藤茂吉が小学生時代の旅行について書いている。故郷の…
歌人の斎藤茂吉が小学生時代の旅行について書いている。故郷の山形県南村山郡（現・上山市）から山々を越え、日本海側の酒田市を目指す行程だったようだ
▼ある夜のこと。先生が皆を寝かしつけ、別の部屋で宿の女性と酒を飲んでいたそうだ。翌朝の先生は上機嫌でこう言った。「先生は昨夜は酒のんだ。けんど、日記さ付けんな」（『最上川』）。茂吉たちは大目に見たようである
▼別の小学生たちの話である。こちらは目撃した町議の姿にがまんできなかったのだろう。議会中にスマートフォンでゲームをしていた宮城県大河原町の町議が辞職した。発端は議会見学に来ていた小学生たちの感想文。「議員としていいのか」と書いた
▼これが議会で問題となり、辞職勧告決議を受けての顚末（てんまつ）だが、子どもの感想文から辞職とは聞いたことがない
▼議会中にゲームと聞いても大人は半ば、あきらめ顔で議員なんてそんなもんさと冷笑を浮かべるばかりか。が、子どもにとっては町のために真剣に働いてくれているはずの議員だろう。議会中に遊んでいる姿を見たときには大きなショックだったに違いない。傷つけたのは町議会の信用に加え、大人全体の信用である
▼地方議会に限らず、国会でも審議中の不作法を耳にする。子どもの「大人はこうあってほしい」を裏切りたくない。議場に「感想文注意」とでも張っておきますか。
でした。
《「め」尽くし (きぬ乃家布ｔ)
見学の子供たちを「ニャンコの目」にした、議会中にスマホでゲームをしていた議員さん。そんな、どうしようもない「でたらめ」な大人たちを扱うのが、落語である。ネタは、そこら中に転がっている。が、「め！」と叱る程度のことを、殊更に追及したりするのが現代。もっと「大目」に見ると、「あきらめ」も笑いになったりする。「大目に見る」、今の世の中に欠けている見方だ。しかし大人たちは、それを「いましめ」にしなければならない。それぞれの「つとめ」を疎かにしてはならない。》
