石丸日記

反原発運動半世紀
バックは福島第一原発事故を伝える福島民報2011年3月13日号

汚染水放出「二次試験」で見えてきたこと No234

2021-06-26 19:55:02 | 脱原発情報

汚染水海洋放出の絶対条件である「二次処理試験」が昨年9月15日に終わったという。ところが、この試験には様々な疑念が持たれる状況になっているのだ! それを順を追って考えてみた。


【資料1】東電 広報誌

 (資料1)は東電広報誌(注1)だが「本当のことを伝えていない!」が際立っている。
 その内容は、国が廃炉を監視する原子力施設監視・評価検討会の中で議論されているから、議事録を見れば分かる。


【資料2】放出基準を超えているものが約7割

①(資料2)はメディアが伝えるタンクの水の約7割は放出基準(告示濃度)を超えている。要するに、セシウムやストロンチウム、トリチウムなど73核種が取り去っておらず、それが7割にも及んでいる。更に、主要7核種のほか炭素14、テクネチウム99など検査が難しい核種が一杯あると言うのだ。この検査について東電は「昨年6月の時点で、難測定核種なので、非常に特殊な技量が必要で、分析ができる要員は1名しかいなかった。現時点では9名まで増やしている」これでは100万トンを超える汚染水検査など不可能に近いと見ている。


【資料3】 1000トンタンク3体で検査か?

②(資料3)は広報誌に記されたもので、どう見ても「サンプルタンク1基1,000㌧=3基=3,000㌧検査」と見てしまう。ところが昨年11月行われた第85回検討会で東電は「サンプルタンクの中段まで注水機を落とし…それを40L程度取って、それを全部集めて、全部混ぜ合わせて、それぞれ分析している」要するに40㍑なのである。
③これを今年2月に行われた東電交渉(既報No230)で汚染水の「白濁」問題共々、追及しても「調査中」を理由に延び延びになり回答はない。
④広報誌や同検討会の中で、東電は「除去対象62核種+炭素14の告示濃度比総和は0.35や0.22になっている」と試験結果を公表している。
 これを責任者の伴委員は「環境中に放出する場合は純粋に科学的、技術的見地から詰めていきたい」と語っている。東電のデタラメさは、半世紀…いささかも代わることなく続いている。

 

 脱原発情報 No234号 PDF版はこちら

P2~3 再開後60回目東電交渉
    「二次処理試験」の回答は延び延び・・・何故か?

P4   健康被害はなかった事にしたいのか!

P5   ひどすぎ!除染廃棄物からトリチウム汚染水まで
    約束破り福島に押しつける国と東電

P6   日本列島で最も地震の多い県は
    東京島しょ部に次いで福島 宮城 茨城‥原発立地県だ!