今日は、豚汁を作った。
明日も食べられるくらいにたくさん。
豚汁を作ると必ずというくらい思い出すことがある。
それは、父のお味噌汁。
私が小学校3年の夏、ちょうど夏休みに入る時、そして、私の誕生日の頃でもあるのだけど、その夏、母は、家を出て、ある人とどこかへ消えてしまった。
結論から言うと、2週間程で戻ることとなり、それから3年後になるのかな?両親は離婚した。
父は当時遠洋漁業の漁師で、40日間ほどいなくて、1週間いて…を繰り返していたのだけど、母がいなくなり、航海を休むことになった。
その時、父がご飯をつくってくれたのだけど、お味噌汁は必ずあって、その中でも豚肉とキャベツのお味噌汁が私のお気に入りだった。
具沢山ではないけれど、豚汁を食べると思い出す味。
父は、とにかく母に戻って欲しかったのだけど、実は私は、母にとってはそのままどこかで、あの人と暮らす方が幸せなのではないか、そして、暮らしが落ち着いたら私を迎えに来てくれるのではないか…と考えていた。
もちろん、父にそんなこと言えることではないけれど、もう捜さずにいてあげたらいい…という気持ちだった。
突然家を出た妻に対して、怒りや色んな思いを抱えていただろうけれど、父は私にちゃんとご飯を作ってくれて、当時夏休みに商店街で開かれていた土曜夜市に連れていってくれ、誕生日だからと靴を買ってくれた。
花火もよくやった。
父との思い出は少ないし、父は父で色々あったので、父に対する思いはそう簡単ではないのだけど、大人になって、あの時のことを思い出すと、ありがとうという気持ちになる。本当に、ありがとう。
今日、豚汁作って、そんなこと考えてたよ。
今日は父の85歳の誕生日。
おめでとう。