先日ご紹介いたしました「橘 宣都子展」 オープニングの日に行ってきました!
会場となったのは京都河原町からバスに乗って銀閣寺道で下車.そこから徒歩10分ほどの,神楽岡通にあるアートゾーン神楽岡さんです.
展示はすべて,最近の彼女の銅版画作品.
銅版画って,線がカリカリしたイメージがあったのですが,それは銅版画の技法のほんの一部.今回の作品はとてもナチュラルで優しいものばかりでした.オーナーさんのブログに作品の一部がアップされていますが,実物のもつニュアンスが,こういった写真では残念ながら再現できないようです...
ぜひ皆さん,実物をご覧になってください.ホントに素敵なんです.ギャラリーの中で,心を揺さぶられっぱなしのワタシがいました.
もちろんお仲間だということもあり,少々は贔屓目に意識しているかもしれませんし,終始降り続いていた雨のリズムが相乗効果を上げたかもしれませんが...
Origin=起源
生命の神秘と宇宙の無限の中で,私が存在する意味を考えたくなったと彼女は書き記していますが,これらの作品の前に立つと,ワタシもそういった思いが強くなるのを感じました.
ところで銅版画といえば,山本容子さんという超有名なアーチストの存在でいくぶんポピュラーになりましたが,その制作工程はワタシはまったく知りませんでした.今回聞いてみて,かなりサイエンスの知識が必要とされる気がしました.例えば言葉だけは知っていた「エッチング」という技法は,銅版を腐食させてその進行度合いによってニュアンスをつけるようなやり方だということ.これはアーチストの勘というか「偶然の産物」といったことがかなり多くあるような気がしました.
ちょうど同じ日に参加したサイエンスカフェ神戸「高吸水性ポリマー」での話で,そもそも商品開発につながったのは,違う商品を作ろうとしていた過程での失敗作が,偶然に拾いあげられたというような話がありましたが,そういった点でも,アートとサイエンスは,意外にとても似ているのだなと思いました.偶然の産物は数あれど,どれを拾いあげるかが決め手なのでしょう.
ワタシたちの存在・非存在でさえも,偶然の産物にすぎないのですから