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by hamarie_february

沖縄の基地を考える

2010-03-20 14:12:48 | 学問・社会

お久しぶりです。こちらのblog、また放ったらかしにしております。

先週の土曜日、再び「IPCC報告書を読む会」に参加したので報告しなきゃと思っておるのですが、それはまた改めて。

本日は、以前からエントリーしなきゃと思いながらなかなか出来なかった沖縄の基地の話をまとめておきたいと思います。普天間基地問題、長らく動向を見守っておりましたが、そろそろ、ラストアンサーの時が近づいてます。どうなるんでしょう。ホントに心配しております。

マル激さんが沖縄特集やってますね。無料放送中なので、是非この機会に視聴してみてください。

マル激スペシャルウィーク イン 沖縄

 

さて、基本的なところから確認していきましょう。皆さんはご存知だと思いますが、ワタシの古い記憶を確認するための作業です。

ツイッターでもつぶやいたのですが、昨日のニュースで、ワタシは沖縄のことを何も知らないのだとつくづく思い知らされました。(嘉手納ラプコンからの)航空管制返還のニュースですが、沖縄の空が今まで米軍に支配されていたなんて、恥ずかしながら全く知りませんでした。 今から書くことも、ニュースや書籍やネットで得た付け焼刃の机上の知識でしかない。だけど書いておこうと思います。鳩山さんが結論を出す前に。

おもに参考にしたのはこちら。(ほかにもいろいろ参考させていただきました

社会環境と人間発達(社会環境論研究会編/大学教育出版)の第2部第五章

普天間基地返還とその背景 (どなたか見ず知らずの方の「政治学」レポートです

日米安保体制の負担は沖縄に集中しています。日本全土の0.6%ほどの面積の沖縄県に在日米軍専用基地の75%があり、それは沖縄県の面積の11%を占め、29箇所の訓練水域と15箇所の訓練空域が設定されています。

敗戦後、本土に1300K㎡あった米軍基地は、66年に300K㎡、71年には196K㎡と急速に削減されていったのに対して、沖縄では、182K㎡から、66年に299K㎡、71年に353K㎡まで増えています。(96年3月末で沖縄235K㎡、本土79K㎡)

これは72年の本土復帰(沖縄返還)の直前に、米軍支配下であった沖縄へ駆け込み的に、戦略的に基地を移動させたのだといわれています。

沖縄戦以後、沖縄の人たちは米軍収容所に押し込まれ、土地は「銃剣とブルドーザー」で強制収用されました(墓地が潰されたケースもあるそうです)。

本土復帰以後は、公用地法、地籍明確化法、米軍用地特別措置法の発動により、沖縄の土地はまさしく強奪されたままになっています。

この米軍基地で繰り返される演習によって、本土復帰後に限っても、127件の航空機事故、137件の原野火災があり、米兵による犯罪は、4823件もあります(殺人・強姦などの514件の凶悪事件を含む)(96年末のデータです←古くてスミマセン)

現在、問題となっている「普天間基地移設問題」はそもそも「普天間基地返還」として、1996年4月の日米首脳会議で正式決定されたものでしたが、きっかけは、1995年9月4日に起きた米兵による少女暴行事件です。(1995年は本当にいろんなことがあったのですね)

沖縄米兵少女暴行事件@Wikipedia

この事件をきっかけに、日米安保の負担が沖縄に集中していることの理不尽さが白日のもとに晒され、在日米軍基地の整理・縮小をしてほしいという世論が盛り上がりました。だから「普天間基地返還」合意が発表されたときには、ワタシもたいへん喜んだ記憶があります。

遅くとも7年以内に日本に全面返還されるはずだった普天間基地。しかし実際は、「代替施設としてヘリポートを作れ」という裏の合意を目指した協議が同時進行していたのです(むしろ、こちらが先に話し合われていたのかもしれない)。

「沖縄に関する日米特別行動委員会」(SACO、95年11月設置)にて水面下で協議されて、海上ヘリポートを新たに建造するというアメリカの提案が、普天間返還合意から遅れて、1996年9月にようやく公表され、同年12月に、SACO最終報告がまとまりました。

代替の海上ヘリポートを条件に普天間を返還する。代替の海上ヘリポートは沖縄本島の東海岸沖に建造すると。

「ヘリポート」なんて優しげなコトバを当てていますが、最近明らかになったところでは、発着する予定なのは「ヘリコプター」ではなく、「オスプレイ」というヘリと飛行機を掛け合わせたような物騒な輸送機らしい。いまだ安全性に疑問符がつき、すざまじい騒音を発するらしい。

オスプレイの哀しみ@池田香代子ブログ

 

このSACOの新基地建設案が発表されて以来、沖縄では紆余曲折がありました。

まず翌年12月に行なわれた「名護市民投票」で、海上に新たな米軍基地を建設することの是非を問い、僅差ではあったものの、「基地建設は認めない」とする側が多数派を占めてから、当時の名護市長(比嘉氏)の辞任と逃亡、市長辞任を受けての工作的な市長選挙、続いて沖縄県知事選挙では、基地新設に反対する大田知事(当時)の追い落としetc...。(大田知事は、米軍用地の強制使用手続きの代理署名を拒否したり、全米軍基地返還の段取りを示すアクションプログラムを政府に提示したり、と意欲的に基地問題に取り組んでいた知事です)


と、ここまで読んでいただければわかると思いますが、

ワタシは、これ以上、沖縄に新しい米軍基地を作るなんて、

ぜ っ た い に あ り え な い

という立場です。

もちろん沖縄に限らず、日本のどの場所にも作ってほしくないと思ってます。

辺野古の海上ヘリポート案に対する沖縄県民の賛否意見は、1997年12月の住民投票で51.6%が反対、1999年には45%vs45%で拮抗していたのが、現在2010年には67%が反対と変化しています。

基地があったゆえに生じてきた分裂や対立も、沖縄の人たちは乗り越えて、今に至っています。(心無い某識者は、「仕方ないと思って基地を黙認していた人まで起こしてしまった」などと、何とも失礼な物言いをしていましたが・・・)

これ以上、沖縄の人たちに負担を強いるのは、本当にやめてほしい。心からそう願っています。

今すぐに米軍を撤退させることが無理ならば、新基地がデフォルトで、もうどうしようもない話ならば、県外のどこかに・・・。(もちろん国外がベストなのは言うまでもありません)

でも、どこにすればいいのでしょう。・・・わかりません。喫緊の課題は、普天間という危険な基地を早急に解消すること。沖縄に新しい基地を作らせないこと。これはワンステップでしかありません。

さて、お気に入りにリンクさせていただいている方が、冗談っぽいカンジで解決案をあげておられました。

シンクタンクの元研究員二人が真剣に考えた米軍基地移転問題に対する解決策@「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」社長のブログ (余談ですが、このブログ「コラーゲン 社長」で検索すると最上位に表示されますね。ご本人は不本意だろうと思いますが

この「基地特区」とも言うべき考え方はすばらしいとワタシは思います。「特区」は明確なカタチで公表され、全国民に認定されるべきだろうと思います。明確なカタチで・・・というのは、つまり、これまでも基地の受け入れ(あるいは原発の受け入れ)に伴い、「振興策」といった補助金が「釣りエサ」のように交付されているのは暗黙の了解ですが、これを暗黙にするのではなく、明確にすべきという意味です。また、ここまでの特別な措置こそを、認めるべきだろうと思います。

(ブログ主は冗談のつもりかもしれませんが、ワタシは本気

場所は佐賀がいいのでは?と書いておられますが、この点については、 ワタシは保留にさせていただきたいと思います。

米国は、93年に「アメリカの戦力構造の徹底見直し」を発表して以来、「東アジア・太平洋地域に対するアメリカの安全保障戦略」(95年2月)、「アメリカと日本の安全保障関係に関する報告書」(95年3月)を発表し、その動きにあわせるように、日本は取り組みを余儀なくされてきました。

日米安保体制の見直し、再定義がされ、97年9月新ガイドライン(日米防衛協力のための指針)を発表。普天間基地問題がこの軍事的枠組みに大きく影響を受けていることは言うまでもありません。

そして、いまや「日米同盟」という軍事同盟を意味するコトバが、ごく自然に、何の注釈もなく、NHKで連呼される状態に・・・。(先日、「日本のこれから」という番組では安保体制を取り上げていたはずが、いつの間にか「同盟」になってましたね。参加した市民からも指摘がありました)

佐賀がいいというのが、米海軍佐世保基地(長崎県佐世保)に近いので、先鋒隊としての海兵隊の軍事行動がすばやく可能になるからという理由なら、グアムでいいやん。それが最も効率がいいと思う。

ブログ主は「台湾」を理由にしてるようですね。(どなたか存じませんが「茨城空港周辺なんて、ダメ?」というコメントを受けて)

地政学というのは「どうしようもない条件」を扱うので、ほんとにどうしようもないと思わされがち。

だけど、茨城空港と佐賀空港を比べて、海兵隊の初期行動にどれほどの差異があるのでしょうか。大陸間ミサイル云々を言っている時代、アメリカがグローバル戦略やら世界の警察やらを言ってる時代に、「地政学」なんて説得力を持ちません。逆説的ですが・・・

そんなわけで、日本全国、赤字空港を抱えている自治体は、いまこそ「特区」への名乗りをあげるべきじゃないかなw

  (うーん...結局、最後は冗談みたいになっちゃった...)

 


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