つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆クリントン国務長官が残したもの

2009-02-19 05:31:28 | Weblog
                ヒラリ・クリントン長官、小沢民主党党首と会談

16日から18日の滞在中、明治神宮参拝からスタートした分刻みのスケジュール(14ヶ所)を精力的にこなした。期間中、各紙を含むTV報道が、中川財務相の醜態と辞任問題でかき消されそうになったのは甚だ残念だった。

しかし、朝日新聞の船橋洋一氏のインタビューの中で、「日本の内政の混迷状況は、日米協力にとって問題ですか」との質問に、「そうは思わない。政治指導者を決めるのは日本国民だ。両国間の同盟とパートナーシップには耐久性があり、ホワイトハウスにだれがいようが、だれが日本の指導者であろうが継続する。その点を強調したい。

閣僚同士の会談は勿論重要で、実際、今日も外相や防衛相と素晴らしい会談ができたし、麻生首相との夕食会も楽しみにしている。一方で両国の国民同士も、緊密な関係を有している。非常に多くの価値を共有しているし、ともに協力し、経済成長と反映を実現することで、人々の生活をよくできるという見方を共有している。両国の関係はたいへん深く根付いたものだと考える。日本国民がだれを指導者に選ぼうと、一緒に仕事をすることを楽しみにしている」と結んでいる。

クリントン長官は就任後、米国の外交政策の3本柱を防衛(Defense)、外交(Diplomacy)、開発(Development)、の頭文字を取って「三つのD」と形容した。中でも「開発は、より大きな外交政策目標の周辺と見なされているが、オバマ政権ではそうはならない。精力的に開発を推し進める」とアジア・ソサエティの演説。ベトナム戦争当時の共産主義に対抗する為の「開発」から50年。いま米国はテロリズムに対抗する為の「開発」を全面に掲げようとしている。緒方貞子・国際協力機構(JICA)理事長と会い、日本と同理事長の開発への取り組みをたたえたのは、この面での日本の役割への期待を示すものである。

そのあと、拉致被害者の家族(3名)と米国大使館で30分にわたって面談。「とても残酷なこと、(救出への)運動をつづけてほしい」と激励。午前中の中曽根外相会談後の共同会見でも、拉致問題を「6者協議の一部」と言及。「北朝鮮への包括的関与の一部とすることで、進展につながる可能性が高まる」と指摘した。

最後のスケジュールの小沢氏(民主党)との会談では同盟の重要性を確認。会談の終わり際に、クリントン氏が「今後も継続的に話したい」と語りかけると、「選挙に勝つよう頑張ります」と小沢氏は応じた。

また、東大で行われたタウンミーティングでは15分の講演の中で「最近まで米国は世界の人々の違う視点に素直に耳を傾けなかったが、オバマ政権はそれを変えようとしている」と述べ、対話重視の姿勢を強調した。講演の後、女子学生から「強い女性」の秘密を問われたクリントン氏は「大切なのは周囲がなんと言おうと、できるだけ自分に正直にいきること」と語り、子育てをしながら働く女性の立場については、「非常に難しいバランスをとりながら綱渡りしているようだ」とした上で、「私が国務長官として話していられるのも夫のおかげだと思う」ビル・クリントン元大統領を持ち上げて見せた。

繊細で簡潔な表現、質問には正面から答え、はぐらかさない。この心身のタフネス振りを、日本の指導者に残して次の訪問国インドネシアに旅立った。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クリントン来航 (迷える俤さん)
2009-03-03 23:08:58
クリントン国務長官ーー
 さすが、さすがですね! 残念ながら日本の
 政界には、この手のしたたかさを持ち合わせた
 方は見当たりませんね。 
  ノンポリの私には紅梅の香と杉花粉を同時に
 振りまいて、サッサと次の印尼へ飛び去ったー
 と言う感じでした。 
  ともあれ、よき刺激剤、上手に付き合いたい
 ものです。
 
返信する

コメントを投稿