華麗なる腑抜けの世界

倦怠感溢れる日々を称揚しつつ

セレブ

2006-07-09 15:37:31 | 日記
 今フジテレビの「ザ・ノンフィクション」というドキュメンタリー番組を見た。なんでも「セレブ」を目指す女性の話であった。カルチャーセンターのような所に通い、マナーやエチケットらしきものを身につけ、ついには立ち居振る舞い教室のようなものを設立してしまった。薄っぺらい付け焼き刃の知識で何が出来ようか。「上品」さをアッピールしていたが、品格なんて一朝一夕にどうこうなるものではないぞ。まさに張り子の虎である。
 品性も風格もなくダサいだけであった。彼女の目指すセレブって、中身のない成金の虚栄なのか。秀吉の黄金の茶室くらいまで行ってしまえば逆にお見事だし(つーか歴史的イヴェントだし)、叶姉妹は「セレブ漫才」なのだからあれで良いのだが、一部のヒルズ族とかそれに憧れる田舎者となるとどうも嫌な気分になる。セレブって経済力+品格とか風格でしょ。モリエールの『町人貴族』の中で、成金がいろいろと教養をつけようと虚しい努力をするのだが、中身のない人間なのでことごとく失敗する。極めて滑稽な仕方で。なんか今日の「ザ・ノンフィクション」のはなしは「町人貴族」今様というか「百姓セレブ」といった感じだった。頭が良いと思われたくて、アホなのにドゥルーズを読んでいたMという男を思い出した。
 朝、「サンデーモーニング」を見た。私の好きな中川農相が飯島愛のインタヴューを受けていた。そのとき中川氏が麻生外相のことについて話していた。麻生氏は吉田茂の孫にして大富豪、まさにセレブである。そんな彼だが、トイレで手を洗ったあとなど、後の人が不快な思いをしないように、ティッシュで洗面台の周辺を全部拭くらしい。そういう細かい心遣いがさらりと出来る人らしい。
 同じ日に対照的な話を見聞きした。




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