はーちゃんの気晴らし日記

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弟と奥さんのこと

2014年05月28日 | 回顧録
弟と奥さんは、中学の同級生でした。

弟が中学2年生くらいの誕生日に、数人の友達が遊びに来ました。
弟は、誕生会と称して、友達を呼んだようです。
その中に、奥さんであるYさんがいました。
私は、以前から弟の友達からYさんの事は聞いていました。
弟の友達は、よく私の家に遊びに来ていたので、私ともよく話をしていました。
それで、弟の友達から弟がYさんに好意を持っているらしいというのを聞きました。
誕生会には、女の子も数人いて、私は、その中からYさんを見つけ、
「この人が弟が好きな人なんだ!」
と思いました。
みんなが遊んでいる間、弟がもらったプレゼントが置かれているのを見つけました。
Yさんからのものもありました。
品物は忘れましたが、手作りのプレゼントでした。
マフラーだったか、座布団カバーだったか、毛糸で編んだものだったように記憶しています。
誕生会にも招待していたし、手作りの品がプレゼントだったので、Yさんと弟はお付き合いをしているんだと思っていました。
ところが後で聞いたところ、全くお付き合いはなかったそうです。
あまりに友達が騒ぐので、かえって近寄ることもできず、話さえできなかったと言っていました。
そんな中学時代の二人だったようです。

その後、高校、大学と弟はその時々に好きな人ができ、お付き合いをしたり片思いだったりしながら、時を経ました。
そして、運命のクラス会がありました。
Yさんは、中学を卒業すると地元から引越してしまったらしい。
なので、弟とは音信不通になっていたそうですが、クラス会で久しぶりに再会したようです。
当時は、弟は誰ともお付き合いもしていなくて、久しぶりにあったYさんへの気持ちが再燃したようです。
クラス会の後、少しはお付き合いがあったのかどうか、詳しいことはわかりませんが、弟はYさんにプロポーズしたようです。
ところが、Yさんからの返事は、
「ちょっと考えさせて欲しい・・・」
でした。
弟は、OKの返事が来ると思っていたらしいのですが、思いがけない「考えさせて」の返事で、かなりショックだったようです。
それから、何日か経ちましたが、Yさんからの返事はなく・・・。

弟は失意のどん底にいました。
一人で車に乗って海へ行ったようです。
私は、母からその話を電話で聞き、弟がかわいそうでたまりませんでした。
私に何かできないものかと思いました。
一度も話をしたことのないYさんですが、私が会ってYさんの気持ちを聞いてみようかと思いました。
何がネックになっているか、弟の何がダメなのか、何とか弟の気持ちを汲んでもらえないか、説得してみようと思っていました。
弟から「余計なこと!」と怒られるだろうかなどと迷っていました。

母にYさんの連絡先を聞いてみようと思っていたところ、母から電話がありました。
弟が傷心を癒すために一人で海へ行っている時、突然、Yさんが尋ねて来たそうです。
そして、父と母に弟からの話を受けたいと言ったそうです。
直接弟にOKしたわけではなく、私の両親に結婚承諾の話をしに行ったようです。
Yさんが迷っている原因が、私の両親とか家にあったのかなと思いましたが、無口であまり自分の気持ちを表に出さない人なので、未だにその時のことは、聞けないでいます。
状況的には、いずれは両親との同居も考えなればならないというのにも覚悟が必要だったのかもしれないと思ったりしています。
失意のどん底で海から帰ってきた弟に、Yさんが来てOKの返事だったということを話した時の弟の喜びようは、相当なものだったろうと想像できます。
当時は携帯電話などなかったので、連絡したくても連絡も取れず、両親は弟が帰ってくるのが相当待ち遠しかったと思います。

それからとんとん拍子に話は進み、二人は結婚し、一男一女をもうけ、本当に幸せな家庭だったと思います。
子供が出来てからは、弟は奥さんを
「おかあさん」と呼び、どこへ行っても、「おかあさん」「おかあさん」で、親戚の人たちから
「あれほど、『おかあさん』『おかあさん』と言っている人はいないよ。よほど大事なんだろうね」
とあきれられるくらいでした。

葬儀の後、奥さんは、
「ずっと仲良し家族で来ました。そういう意味では主人は幸せだったんだろうと思います。」
と声を詰まらせていました。

大好きだった人と結婚できて、家庭も円満で、弟は幸せだったんだろうと思います。
それがせめてもの救いです。


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