竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

都議選、G8、IAEA、IRENA、そして密約

2009年07月12日 | 経済
一ヶ月ぶりのブログです。なんだかわからないが6月は忙しかった。日常業務も急激に忙しくなり、加えて我が社の株主総会準備、新人も増え、連日深夜まで。国会秘書時代も過労死しそうだったが、久々に同じような状況になった。
そのあっという一ヶ月の間に、どれほど多くのことが起こり流れ去って行ったか・・。もうそれをいちいち振り返っていられないほどに、激しく世の中は動いている。

いま目の前に展開しているのは都議選の開票速報。予想通りではあるが、民主党の圧勝だ。1人区は当然、2人区で2人当選というのもある。
ただ正直言って、この結果は嬉しくない。無所属やネット、実は国政とは違う目線で都政に取り組んできた議員たちがはじき出されてしまう。
民主の候補者はみんな同じように20から30代、感情を後ろに押し殺したような笑顔。政治経験はほとんどなし。
そんな人たちが、人々の汗も涙も知り尽くした無所属のベテランたちを吹き飛ばして行く。
これで政治が安全で信頼できる安定したものになるのだろうか?

都議選の直前までマスコミを賑わしていたのはG8、サミットである。
ここでの焦点は地球温暖化対策だった・・はずである。
いまのままCO2が増え続けて行けば、最悪では東京が赤道直下のような気候になる。(赤道直下はどうなるのか・・もう想像できない。)
これを止めるには、2050年に現在の排出量を半減しなければならない。2050年に世界で50%、昨年日本政府もぶち上げた方針だが、途上国の経済発展を折り込むと、先進国では95%から80%の削減が必要になる。
そこで今回のG8、先進国が80%削減を約束し、途上国も含めて50%削減を全体で合意しようという目論見があったが、そうはならなかった。
日本のマスコミは途上国がわがまま、という書き方をするがそうではあるまい。前回ブログで書いたように、日本政府の目標はせいぜい-7%、アメリカはオバマ政権下でもまだ0%、そんな対策で途上国に努力義務を押し付けようとするほうがわがまま。もっと血のにじむような努力を見せなければ・・外交交渉は難しい。
ヨーロッパがどんなに頑張っても、日本とアメリカ(あとカナダとかオーストラリアだが)が足を引っ張っている限り、世界の合意は難しい・・と書くべきなのだ。

そのG8の前に二つの国際機関の会議が開催されていた。一つはIAEA、国際原子力機関である。焦点はノーベル平和賞をもらったエルバラダイ事務局長の任期終了にともなう新事務局長。今年のはじめから投票が繰り返され誰も過半数を取れず、決まらないでいた。それがやっと今月、日本人の天野氏に決着した。ずっと反対していた1国が棄権したことによる薄氷の当選だ。
アメリカは民主党オバマ政権の誕生で核不拡散に意欲を燃やし、さっそくロシアとの核軍縮交渉にドライブをかけている。

その核不拡散政策とまったく相容れないのが日本の原子力政策だ。使用済核燃料からプルトニウムを抽出する再処理。本来ならアメリカから認められるはずもなかったものを、辛抱強く政権の狭間を縫って、日本はアメリカに認めさせた。
これが世界中の核拡散の元凶となっている・・ということを、日本は知らんぷりをしている。

日本が言うのと同じように平和利用だという名目で原子力を導入、プルトニウムを製造することができる・・ということになる。事実、この手でインド、パキスタンはすでに核実験を行い核兵器国の仲間入りをし、北朝鮮も同様の状況だ。
核拡散を防止するための最良の方策は、日本が核を放棄することだ。
天野氏が自らに厳しくそのような選択を迫れるような人なら、世界中の票が集まっただろうが、それができない人だから最後まで接戦となったのではないだろうか。

もう一つの国際会議はIRENA、国際自然エネルギー機関だ。
今回の会議は設立後2回目の会議で、本部をどこに置くかを決める会議だった。
ここでもIAEA同様に、どうも金で買われる票という姿が見えてきている。
本部はアブダビとなった。石油の総本山みたいなところが、自然エネルギーの本部になる。
産油国はいま、自然エネルギーへの投資が増大している。
彼ら自身が、石油が終わることを知っていて、次の『価値』に石油で稼いだお金を惜しげもなく投げ込んでいる。
それが来世紀まで彼らが生き延びる道・・というわけだ。

そして最後のトピックスが『密約』だ。
あまり気がついていない人が多いだろう。
日本の非核三原則が名目だけの『ザル』だったことを証明する密約の存在を、元外務次官が証言し(アメリカでは歴代国務長官が何人も証言している)、自民党の外務委員長河野太郎氏が政府答弁を変えさせようとしている。
政府答弁はいつも、密約はなくアメリカの艦船も原潜も核兵器は積まずに日本の領海に入っているというもの。
では洋上で検査せよと求めても、『アメリカを疑うなんて、そんなとんでもないことをしてはいけない。日米同盟の信頼が崩れる』というような、答弁を100回でも繰り返した。
その答弁を変えさせようというのだ。

彼の意図は、だから核兵器持ち込みを本当に止めさせよう!というわけではなく、事実をそろそろ認めて、核の存在を堂々と明らかにし、北朝鮮への核抑止力を確かなものにしよう、とでも言うもの。
脱原発、自然エネルギー促進では盟友なのだが、外交はやはり真反対か。

と、ずらずら書いていたら、どうやら都議会は民主党の第1党は確定、あと14くらいなので過半数確保もあり得る勢いだ。
おそらく近々訪れる衆議院の総選挙も同じような結果になるだろう。
自民党はさておき、総選挙で社民・共産は議席を確保できるのだろうか。
自民党はそのうち巻き返すだろうから、いよいよ2大政党の時代になるのだろうか。























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