Carpe Diem-Seize the Day-

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温もりに何故泣く

2012年10月29日 03時30分14秒 | ペットロス・QOL

横たわる飼主サイドに、ゆきが来た。

大体、足元に行ってしまうか或いは

こちらにお尻を、と逆を向いてしまうのだが。

 

布団を掛け、背中を向ける彼女を

その中で擦って居た。

くっ付いて居ると、どうも勝手が宜しく無い。

飼主右側に居る彼女を右手で撫でるのは

結構、難しい。更に横臥位になり

左手で擦る。

 

温かかった。

ゆきは本当に暖かかった。。。

思わず後ろから抱きしめる。

 

生きて居る温もりに、涙が止まらず。

最早、それを瞼の中に仕舞い込む努力はしない。

 

この暖かさが奪われてしまう刻が、

そう遠くはないであろうその時が

本意でなくも脳裏を過る。

怖くて堪らない。

怖く、恐ろしく、唯々、戦慄の中に身を置く。。。

 

イヌの前では笑顔で---と良く言われて居る。。。

しかしゆきは全てお見通しだ。

フェイクスマイルも、空元気も、何もかも---

 

喜怒哀楽の全てを見せる。

誰にも見せない、怒と哀の部分も含め全て。

 

苛々し、貧乏ゆすりをし、あぁ~もぅ~!!!

と苛々した態度を取ると

そっと部屋から姿を消して居たが

何て事は無い切っ掛けから、ゆきは苛々する

飼主に前脚でトントンする様になる。

ゆきがトントンした瞬間に満面の笑みを浮かべ

かなり高い声を出す。

話し掛ける内容は決まって居らずも

いつもと態度の相違する飼主が

ゆき自身のアクションに因り

嬉しそうだ、楽しそうに変化したぞ、

と認識して貰う為。。。目立つ、妙なスタンドプレイ

に過ぎないが、ゆきの前で怒り悲しみを

表現してしまった懺悔の意味も含め、

彼女の存在感の大きさを、わざとらしく

大袈裟に表現する。

---

喘鳴は残るも、規則正しく上下する胸部、

汚いがフカフカな被毛。。。

 

本当に暖かいゆき。。。

生きて居る、とはこういう事なのだ。。。

 

この全て;時間も含め;が奪われてしまう恐怖に

言い様の無い慄然とした暗闇が、心を支配する。

 

ゆき飼主は24時間、ゆき。

ゆきで出来て居る。。。

何もかも、ゆき。。。

 

解って居る。一生イヌと生活し続ける等

不可能である事。。。

別れは確実に、必ず訪れる事---

普遍的真理。。。

 

だが、怖い。

今も、動悸がする。膝も手も震える。。。

 

ゆきは布団から移り、テーブル下に居る。

今、足元に居るこの宝物。。。

---掌中の珠---

 

外は雨、ゆきの好きであろう散歩へ

行かれない。

 

本日、10月29日も目を覚ましてくれた事に

感謝をする。。。

そして

無事に過ぎていきます様。。。

 

 



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