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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

長野県内の交通機関のICカード導入を県が後押し中

2023-05-26 23:23:16 | 交通系ICカード

関連ブログ記事・・・2022/9/30付「JR東の地域連携ICカードが長野市近辺に進出、県内他地域はどうなる?

長野県知事と市長会・町村会の代表者が、県と市町村の在り方や市町村に影響を及ぼす県の施策の企画・立案及び実施等について協議する場である「県と市町村との協議の場」の第25回会合が2023/5/25に開催されました。メインは「長野県における交通キャッシュレス化についての意見交換」でした。

https://www.pref.nagano.lg.jp/shinko/happyou/20230522press.html

https://www.chunichi.co.jp/article/697097

長野県には市町村などを対象に「交通系ICカードへの対応に必要な経費の3分の1以内を県が補助する」という独自の施策があり、これを2025年度まで続けるとともに、国の補助と合わせ市町村などの負担を必要額の3分の1に抑えることで導入を広げる方針を示したそうです。

最近はクレジットカードのタッチ決済を導入する交通機関も増えてきていますが(これなら外国人観光客でもわざわざICカードを購入することなく自前のクレカで乗車可能ですし、機器もICカードより安上がり)ですが、長野県としては交通系ICカードを推進していくわけですね。

現実には、長野県が出資するしなの鉄道は交通系ICカード導入に向けて動いていますが、

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022111800188

他の私鉄や路線バスのICカード導入に関する具体的な動きは長野市近辺(独自のバスICカードをJR東日本の地域連携ICカードに置き換え)だけで、県内第二の都市である松本市でさえも導入の動きはありません。この負担額軽減制度で、松本市とアルピコ交通は動くでしょうか? また、2022/12/1~2023/2/28の期間限定でキャッシュレス決済の実証実験を行った(2022/12/2付ブログ記事「長野県木曽町のコミバスがWAONやSuicaなどで乗れます(3か月間限定)」参照)木曽町が本格導入に向け動くかどうかも注目です。


甲賀市信楽の「国道307号長野バイパス」の工事状況について

2023-05-26 18:24:27 | 幹線道路(関西)

第三セクター「信楽高原鉄道」の信楽駅の南側で、新しい道路の建設工事が進んでいました。信楽駅と国道307号を結ぶ道路の途中から分岐して、大戸川を渡って丘陵地に向かうルートです。

現在の国道307号はGoogleMapの航空写真を見るとわかるように信楽町中心部を貫通しており、交通渋滞や安全面を考えると、中心部から丘を挟んだ大戸川沿いにバイパスを作るというのは自然な流れです。実際、航空写真では上記工事部分のほか、国道422号と大戸川が接近する手前でも山肌を切り崩す工事が進んでいるのがわかります。

ということで調べてみると、新名神高速道路の信楽ICから信楽市街地の南側の運動公園あたりまで国道307号のバイパス(一部現道拡幅)計画があり、信楽ICに近い側2.9kmは国の権限代行事業「国道307号信楽道路」として、残りの区間6.8kmは滋賀県が事業主体の「国道307号長野バイパス」として事業化されていることがわかりました。

https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/ippan/zigyohyoka/ol9a8v000000di0t-att/9.pdf (近畿地方整備局事業評価監視委員会の平成24年度第2回資料)

https://www.kkr.mlit.go.jp/shiga/road/307gou.html (近畿地方整備局滋賀国道事務所のサイトの信楽道路を紹介するページ)

権限代行事業区間のうち信楽ICとの取り付け区間は新名神開通に合わせ2008年に供用開始されましたが、残りの区間の完成は未定で、2023年度の事業計画では「1工区(信楽IC入口~県道大津信楽線との交差点間のバイパス区間)について調査設計及び取得用地管理工事を行う」とあります。2工区(現道拡幅区間)は何も工事が行われていないようです。

そして、国道307号長野バイパスのほうも2023年4月時点では大部分の区間が未着工のままです。

道422号と大戸川が接近する手前一帯も含まれる信楽学区自治振興会神山・江田分会のサイトに掲載されている「神山・江田だより第13号(平成29年7月発行)」の記事によれば、

https://www.kouyama-eda.com/koyamaeda_dayori/t13_gou/t13_007.pdf

2016年時点では「(信楽高原鉄道)玉桂寺前駅から国道422号までの区間を優先区間に位置付け開通に向けて工事を進めており、さらに信楽駅から国道422号までの区間を最優先区間として集中的に整備する計画であり、国道422号との交差部の完了は平成30年初めごろを予定している」とのことで、少なくとも5年は遅れている(現実には工事完了区間なし)わけです・・・

ただ、信楽駅から国道422号までの区間が最優先区間であることは令和になっても変わらず、滋賀県土木交通部道路整備課が2022年2月に作成した資料「社会資本整備総合交付金(中間評価)」の17~19ページ目によれば、

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5308906.pdf

2004年に事業着手されながら20年近く経過しても完成のめどが立たない国道307号長野バイパス工区が「地域の交流と経済活動の活性化を支えるみちづくりの主要な事業」に選定され、最優先区間1.7kmについて集中的に事業を進めることで、早期の効果発現(完成目標は令和6年度)を目指すとのことです。

ただ、問題は「長野バイパスの最優先区間以外が現地での工事着手に至っていない」ことです。たとえこの最優先区間が開通して伊賀市方面~甲賀市中心部方面相互間の通過交通がバイパスに流れたとしても、信楽駅と国道307号を結ぶ区間の道路(観光客の徒歩経路)の自動車交通が現状より大きく増え、さらに信楽駅口交差点を先頭とする渋滞が新たに発生することになりそうです。そして、国道307号の京都府城陽市方面~甲賀市中心部方面相互間の自動車交通は、引き続き信楽町の中心部を経由し続けることでしょう。


徳島県のタクシーの営業区域の状況

2023-05-26 07:30:20 | タクシー

四国運輸局管内のタクシーの営業区域を解説していきます。

四国運輸局管内のタクシーの営業区域が別表として掲載されている「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の許可申請事案及び事業計画変更認可申請事案等の処理方針」のURLはこちらです。最新改正日は2017/4/24です。

https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000099659.pdf

<徳島県>

徳島交通圏

 徳島市、名西郡(石井町・神山町)、名東郡佐那河内村、勝浦郡(勝浦町・上勝町)

阿南交通圏

 阿南市、那賀郡那賀町

鳴門交通圏

 鳴門市、阿波市(旧板野郡吉野町及び土成町に限る。)、板野郡(松茂町・北島町・藍住町・板野町・上板町)

西部交通圏

 阿波市(旧阿波郡市場町及び阿波町に限る。)、吉野川市(旧麻植郡山川町及び美郷村に限る。)、美馬市、美馬郡つるぎ町

海部交通圏

 海部郡(美波町・牟岐町・海陽町)

三好交通圏

 三好市、三好郡東みよし町

小松島市

吉野川市鴨島町

吉野川市川島町

なお、阿南市・牟岐町には島嶼部(四国本土と陸続きでない離島)がありますが、タクシーの営業区域は別建てとなっています・・・実際に島嶼内でタクシーが存在するとは限りませんが

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徳島県では、平成の大合併による営業区域の再編は行われていません。現在の吉野川市は旧麻植郡の4町村(鴨島町・川島町・山川町・美郷村)が合併して成立しましたが、鴨島町と川島町はもともと営業区域が別建てとなっており、これが令和まで引き継がれています。

また、徳島空港は徳島市内ではなく板野郡松茂町に所在し、タクシーの営業区域は徳島交通圏ではなく鳴門交通圏となります。ただ、徳島市に本社のあるタクシー会社でも鳴門交通圏内に出先があれば客待ち可能という扱いになっているようで、徳島空港公式サイトの「タクシーの利用について」のページには徳島市のタクシー会社も掲載されています。

https://www.tokushima-airport.co.jp/access/tax/

ちなみに、上記ページで「金毘羅タクシー」と誤記されている「金比羅タクシー」は、運賃の安さで知られています。

https://www.konpira-taxi.com/%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E6%96%99%E9%87%91%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/

初乗りが460円(他社は580円)、15kmだと3400円(他社は4100円)など15~20%程度安くなっています。但し、同社の営業スタイルは「事前予約」のみで、徳島空港や徳島駅のタクシー乗り場で同社のタクシーが客待ちすることはなく、流しの営業も基本行わないようです。


岩手県交通の陸前高田住田線・猊鼻渓線が2023/9/30限り廃止へ

2023-05-25 18:23:21 | 路線バス

東北運輸局報令和5年5月22日号によれば、岩手県中南部一円で路線バスを運行する「岩手県交通」が、陸前高田住田線と猊鼻渓線を2023/9/30付で廃止すべく東北運輸局に申請したとのことです。

https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/content/000295900.pdf

両路線とも利用が極めて少なく赤字がかさみ、さらに乗務員不足から今後の運行維持が大変困難な状況となっているためだそうです。

こちらでは、両路線の状況を解説します。

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1.陸前高田住田線

 山間部の住田町と沿岸部の陸前高田市街地を結ぶ路線(イオンスーパーセンター陸前高田が始発・終着)となっており、平日は1日4往復ですが土休日は全便運休となります。

http://www.iwatekenkotsu.co.jp/pdf/timetable/42_ofunato/naruishi-sumita20221003.pdf

 もともと国鉄バス→JRバス東北が陸前高田駅~世田米~岩手八日町<住田町北部>~遠野駅間の路線を運行していましたが、赤字がかさむため2004年3月限りで廃止となり、比較的利用が多かった八日町より南側区間は岩手県交通が、北側は住田町に本社のある住田交運が引き継ぎました。しかし、2009年になって岩手県交通から川口<世田米地区の北端にある住田高校の前>~八日町間の廃止の申し出があり、2010年4月から「住田町コミュニティバス」(住田交運が運行)と岩手県交通の3路線(陸前高田住田線・大船渡住田線・長距離路線の大船渡盛岡線)に再編されました。

https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2015022500139/

 しかし東日本大震災で陸前高田市街地が壊滅し、通学以外での住田町~陸前高田市間の需要が大きく減った結果岩手県交通の陸前高田住田線は減便を繰り返し、ついに土休日の運行がなくなりました。これを補填するため、2023/4/8から土曜日に限り住田交運が2往復の運行を開始しました。

https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2015022500122/files/20230406rikuzenntakatasumitasenn.pdf

https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/material/files/group/19/R5_6-rikuzentakatasumita0401.pdf

 おそらく、10月からは平日も住田交運が陸前高田住田線を運行するようになるものと思われます。

 ちなみに、震災前は1日5往復あった長距離路線の大船渡盛岡線も、2023年時点では僅か2往復にまで減っています。震災後しばらくの間は陸前高田市への交通手段として「大船渡盛岡線と陸前高田住田線を世田米で乗り継ぐルート」が案内されていましたが・・・

http://www.iwatekenkotsu.co.jp/pdf/timetable/choukyori_bus/oofunato-morioka_20230401.pdf

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2.猊鼻渓(げいびけい)線

 路線名の通りかつては一関市東部(旧東山町)の景勝地である猊鼻渓への路線として観光客も利用しましたが、1986年に大船渡線猊鼻渓駅が開業し、平成以降は観光客はよほどのことがない限り一般路線バスを利用しなくなったため、2023年現在は完全な生活路線として平日5往復・土休日4往復しています。

http://www.iwatekenkotsu.co.jp/pdf/timetable/33_ichinoseki/33130_geibikei_20221230.pdf

 これを代替するとすれば、「一関市東山町に本社をおき、かつてこの地域からJRバス東北が撤退した後を引き継いで路線バス事業を行っている「東磐交通」に一関市が委託する形でコミュニティバスを運行」というシナリオが有力ですが、果たしてどうなることでしょう? ちなみに、以前は東磐交通は自社の公式サイトに路線バスの情報を載せていたようですが、このブログを書いている時点では「サイトリニューアル中」となっています。

http://toban-group.co.jp/toban-kotsu/index.html


磐梯東都バスが2023/9限り路線バス事業廃止へ <5/26追記あり>

2023-05-25 12:22:04 | 路線バス

東北運輸局報令和5年5月11日号によれば、福島県会津地方の猪苗代町と隣接する北塩原村で路線バスを運行する「磐梯東都バス」が9月末限りで全路線を廃止する旨の申請を行ったとのことです。

https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/content/000295292.pdf

廃止の理由は、「以前より、少子高齢化による利用者の減少に対応すべく、徹底した合理化を進め路線の維持に努めてきました。しかし、今般の新型コロナウイルスの影響により、更に利用者が激減し、路線の維持が困難となり、事業廃止という苦渋の決断をせざるを得ない状況に至ったため。」(カギカッコ内引用)となっています。

磐梯東都バスは首都圏でタクシーや貸切バスを営業する東都自動車グループの一員で、2003年に設立され会津地方で路線バスの運行を開始しました。当初は喜多方駅と裏磐梯高原<系列のホテルあり>を結ぶ観光路線のみでしたが、翌2004年に(地元の会津バスが古くから運行していた)猪苗代駅と裏磐梯高原を結ぶ路線に参入し競合が発生しました。その後磐梯東都バスはさらに町内路線を拡大し、一方の会津バスは路線を縮小し、最終的に2011/9/30限りで猪苗代営業所を閉鎖して町内路線から完全撤退(残っていた路線は磐梯東都バスに引き継ぎ)しています。

https://news.aizubus.com/entry/2011/08/11/100000

https://www.aizubus.com/pdf/kouzi.pdf

現在磐梯東都バスが運行する路線は観光路線と生活路線の両面を持っています・・・路線図はこちら  昨今は観光客の移動手段としての路線バスの位置づけは都市部以外では低くなっているものの、沿線住民への影響は多大です。

このブログを書いている時点では磐梯東都バスの全路線廃止に関する内容を取り上げたメディアは皆無のようですが、最終的には公的補助を増強した上で大半の路線を会津バスが引き継ぐ(元の鞘に収まる)ことになるのかも。会津バスは2013年にみちのりホールディングス傘下となり、猪苗代管内からの全面撤退当時に比べると経営状況は良くなっているかもしれませんが・・・

<5/26追記>

磐梯東都バスが最初に運行していた喜多方駅と裏磐梯高原を結ぶ路線は、1年あまり前の2022/5/1から会津バスが引き継いで運行しています。

https://news.aizubus.com/entry/2022/04/25/185459