聖なる書物を読んで

現役JW29年目

テモテ①

2019-07-24 | 聖書
テモテ①②、テトスの三つは牧会書簡と呼ばれている。

同じ著者によって2世紀後半に書かれた。(もちろんパウロではない)

目的は、指導者の秩序(身分)を確立し、異端を排除すること。(教会組織の強化なんだろうな・・・)

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1:13「かつては冒瀆する者、迫害する者、思い上がった者であった私を。だが、私は憐れんでいただいた。そういうことは、知らずして不信仰のうちになしたのであるから」

後のパウロ教信者たちが、パウロのことをこんな風に擁護してたんだとわかる部分。パウロ自身は、迫害者だったことを熱心さの証拠だって威張ってるのに。


2:8,9「ところで私は望む、男たちはどんな場所でも怒ったり議論したりしないで、浄い手を上げて祈るように、と。同様に女たちも、きちんとしたたたずまいで、恥じらいと節度をもって自分を飾るように」

「同様に」という語、改訂版では省略されてます。確かに普通の感覚だと、ここは「同様に」じゃ意味が通じないです。でも、この著者にとっては、男が手を上げて祈ることと女がおとなしく静かに学ぶことが同様なこと、なんですよ。なのに、それじゃオカシイからと、勝手に言葉を省略しちゃダメでしょ。(他の訳も似たようなことしてるらしいけど)


2:12~14「女が教えることを私は許さない。また男を支配することも許さない。そうではなく、静かにしているべきである。何故なら、アダムが最初に形造られたのであって、それからエヴァが形造られたのである。また、アダムが騙されたのではなく、女が騙されて違反に陥ったのである」

男尊女卑の理由づけに創世記3章の話を用いてるんだけど、この適用の仕方はパウロよりヒドイ。まるでアダムには責任が無く、女が悪い、みたいな書き方。創世記ではちゃんと、アダムにも責任がある話になってるのに。・・・まぁこの筆者も、聖書を自分に都合よく用いていた、ってことなんだよね。


2:15「女は・・・子を生むことによって救われる」

キリスト教思想とは関係ない、女は子どもを生む道具だという男社会の意識が表れているだけのこと。でもこの文書が正典となり、その結果は・・・子どもを生まない女の、生まなくてはならない女の、苦しみ、悲しみエトセトラエトセトラ。この組織でも、この聖句を今の時代に合わせてごちゃごちゃともっともらしく解釈してるけど、てんで説得力ないよね。(ここも省略しちゃえばスッキリしていいのにw)

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以上、田川建三氏の「新約聖書 訳と註」疑似パウロ書簡を参照させていただきました。聖句も田川訳です。


自分はこの組織、支配層は男性で占められてますけど、支配における基本的な考え方はパウロではなくイエスに倣っているので、良いと思ってます。頭の権、ですよね。

でも最近は、どんな指示でも従うようにと圧力がかかってるように感じるので、本来の頭の権が正しく行使される環境ではなくなってきているように思います。

それに、性虐待のようなデリケートな問題などは、男性長老だけじゃ扱いきれない部分もあると思うので、女性長老も必要なのかなぁと思うこともあります。

一つ言えるのは、人は人を支配できない、ということですね。言い換えれば、この地上に神の組織なんてないってことですね。