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横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

懐かしいことかいている記事みつけました。

2019-08-07 05:00:38 | 心臓病の治療
https://wwwcms.jadecom.or.jp/files/00490/e382a4e383b3e382bfe38393e383a5e383bc_e5b08fe9878ee38080e5899be58588e7949f20-20e382b3e38394e383bc.pdf

医師として三年目に赴任した病院の院長のインタビュー記事です。

【プロフィール】 小野 剛先生 1983年自治医科大学卒業(秋田県出身).1996年4月より大森町立大森病院長に就任(市町村合併により2005年10月から秋田県横手市 市立大森病院となる).院長就任時より住民の視点に立ち,「夕暮れ診療」「女性専用外来」など地域ニーズに応える医療サービスを導入.1998年4月の病院新築に伴い,保健・医療・福祉が一体となった「地域包括医療・ケア」に取り組む.また,地域医療実習を通して研修医・医学生の育成にも積極的に取り組んでいる.
市立大森病院 院長
小野 剛先生

地域ニーズに応える医療サービスを目指して

地域の病院で実地の研修

山田隆司(聞き手) 今日は秋田県横手市の市立大森病院に院長の小野 剛先生を訪ねました.先生は大森町が横手市に合併される前からここに赴任され,地域包括ケアのお手本のような取り組みをされてきました.そのことについて後ほどいろい
ろお話を聞かせていただきたいと思いますが,まずは先生の経歴からご紹介いただけますか.

小野 剛 私は昭和58年,自治医科大学6期の卒業です.卒業後,秋田大学の消化器内科で2年間初期
臨床研修をしました.当時秋田県はストレート研修だったのですね.

山田 スーパーローテートせずに最初からストレート研修だったのですか?

小野 そうです.当時自治医大卒業生としては珍し地域の病院で実地の研修かったですね.大学の医局で2年間,消化器と糖尿
病だけを学んだ感じです.3年目から町立羽後病院という,大森から車で南に30分くらい山形県寄りにある小さな病院へ赴任しました.それが1985年です.当時,その病院のベッド数は110床,医師は内科医が私を含めて2人,全部で5人でした.

山田 5人で110床ですか.当時から医師不足だったのですね.

小野 医師不足の中で,5人中3人が自治医大出身だったので教わりながらいろいろな患者さんを診ました.外科以外は診ないといけない状況でしたので.初期研修は大学病院でほとんど消化器しか診ませんでしたが,3年目以降は結局ローテート研修的にやりました.

山田 その地域の人口はどのくらいだったのですか.

小野 当時は人口1万5千人くらいでしたね.

山田 では結構忙しいですね.全科当直もやっていたのですか?

小野 全科当直は週2回くらいですね.秋田県は2年の初期研修後地域に3年赴任,その後1年後期研修をやってまた3年地域に赴任というパターンなのですが,その病院の院長からもっと長くいてほしいと言われ,6年間そこにいました.その間に在宅医療もやらせてもらったし,病棟110床のうち半分は自分が持っていました.マックスで60人近くの入院患者を持っていましたね.

山田 検査などもやっていたのですよね.

小野 上下部内視鏡,超音波,ERCPなどをも含めていろいろやらせていただきました.その6年間の経験が今に生きているのかなと思います.羽後病院に6年間いて,それから後期研修の1年と義務の残りの4年間,秋田大学消化器内科へ戻ってC型肝炎のウイルスについて勉強しました.基礎の先生の下で試験管振りをやらせてもらったのですが性に合わなくて,自分にはこういう研究は駄目だなと感じましたが,最終的には臨床的な研究で学位を取ることができました.そんな時に突然,当時の教授から大森病院で院長が辞めるから院長として行くように言われたのですね.それで平成8年にここに赴任しました.

地域包括ケアの拠点として

山田 先生が赴任された時にこの新病院はあったのですか.

小野 新病院開設は平成10年です.

山田 旧病院はどのくらいの規模だったのですか.

小野 旧病院は94床でした.比較的小さくて,内科だけでしたね.救急の告示もしていませんので,長期入院患者がほとんどでした.

山田 医師は何人くらいいたのですか.

小野 医師は3人です.私が赴任した時自治医大の義務年限の先生が2人いたのですが,「一緒にやろう」と言ったら「自分たちは大学に後期研修に行くことになっている」と言うので,あわてて県庁へ行って後任を必ず出してほしいと頼んで2人に来てもらいました.
 現在横須賀市立うわまち病院にいる岩澤孝昌先生と自治医大さいたま医療センター心臓血管外科の安達晃一先生です.この2人が大変優秀でアグレッシブで,3人で5~6人分の仕事をしていましたね.それが職員にも刺激になって病院の意識が変わりました.そして2年後の新病院開設時は整形外科や外科も始めましたので,7人でスタートしました.