goo blog サービス終了のお知らせ 

横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

左小開胸のオフポンプ冠動脈バイパス術の適応

2019-04-20 08:11:10 | 心臓病の治療
左小開胸のオフポンプ冠動脈バイパス術は、術後の回復が早く、特に縦隔炎が発生しない手術方法です。専用の開胸器を使用すると、左内胸動脈だけでなく、右内胸動脈の採取も可能なため、通常の胸骨正中切開の手術と変わらないクオリティの、冠動脈バイパス術も可能です。

しかしながら右内胸動脈の採取は時間がかかり、左前下行枝まで届かない可能性もあるため、確実な左右内胸動脈を使用した冠動脈バイパス術には、横須賀市立うわまち病院では、胸骨正中切開の従来の方法を採用しています。

すなわち、左小開胸の冠動脈バイパス術の適応は現時点では、左内胸動脈と大伏在静脈の組み合わせで行う、もしくは胃大網動脈との組み合わせで行い、上行大動脈の性状が良好な症例を選択して行っています。

症例によっては左右内胸動脈使用した左小開胸の手術も検討します。