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高入出力特性と高エネルギー密度を両立した蓄電デバイスの実用化

2019-03-06 | 科学・技術
 エネルギー回生システム用の蓄電デバイスには二次電池や電気二重層キャパシターがあげられる。二次電池は体積あたりのエネルギー密度が高いものの、蓄電メカニズムに化学反応を用いるため、高入出力特性を実現することが不可能であり、現行の液型リチウムイオン電池は発火事故のリスクを完全には払拭できない。
 活性炭を用いる電気二重層キャパシターは、優れた入出力特性を有し効率的に減速エネルギー回生が行えるが、体積あたりのエネルギー密度が低いためにユニットサイズを大きくせざるを得ない点が課題になっている。
 このように、既存の蓄電デバイスにはそれぞれ克服すべき課題があり、減速エネルギー回生システムに適した安全性の高い蓄電デバイスの開発が望まれていた。
 JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)は、産学共同実用化開発事業の開発課題「ナノ結晶化チタン酸リチウムを用いたハイブリッドキャパシタ」の開発結果を成功と認定した。
 開発課題は、東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門直井勝彦教授らの研究成果を基に、平成25年8月から平成30年7月にかけて日本ケミコン株式会社に委託して、同社にて企業化開発を進めていたもの。
 本開発では、負極にキャパシター向けに調整したチタン酸リチウムを用いたハイブリッドキャパシターを開発し、電気二重層キャパシターに対して大幅なエネルギー密度の向上を実現するとともに、薄膜塗工電極などの技術によりキャパシターセルの内部抵抗を低減することに成功した。これにより安定した充放電サイクル特性を持ち、減速エネルギー回生システムに適した蓄電デバイスを実用化した。
 具体的な開発内容。
 1.負極用ナノ結晶化チタン酸リチウム(LTO)の合成技術
 今回開発したキャパシター用チタン酸リチウムは、1次粒子サイズが数十nmオーダーの微細構造であり、結晶端部に高導電性のマグネリ相酸化チタン(Ti407)を有した複合材料である。
 このナノ結晶化チタン酸リチウムは、Cレート特性評価において、高レート側でも高い実容量を持っており、材料レベルで高い入出力特性を持っている。
 2.ハイブリッドキャパシターとしての特性
 調整したナノ結晶化チタン酸リチウムを用いたハイブリッドキャパシターの巻回セルにて、高容量・低抵抗を実現した。体積あたりのエネルギー密度は、自社従来品の電気二重層キャパシターに対して191%に相当する。
 充放電によるセルの容量劣化は、10万サイクルで10%以内であり、長期にわたり安定した特性を維持することを確認した。
 期待される効果。
 本開発により減速エネルギー回生ユニットの大容量化がなされ、アイドリングストップ時間の延長やオルタネーターでの発電が減ることによるエンジンへの負荷の低減が実現できる。その効果として、燃費改善やCO2の排出抑制に寄与することが期待される。さらに、車載油圧機器の電動化、先進運転支援システム(ADAS)などの新たな電装機器のピークアシスト・バックアップ用自立電源としての活用も期待される。
 ◆用語解説
 〇減速エネルギー回生システム
 走行中の車両が減速時に捨てていた運動エネルギーを電気として回収し、再利用できるように蓄電するシステム。蓄えられた電気はエアコン、カーナビゲーションシステムなどの電装品の電力として使用する。アイドリングストップ時間の延長のほか、オルタネーターの発電停止によるエンジン負荷の軽減により、燃費向上やCO2排出低減に寄与する。
 〇電気二重層キャパシター(EDLC)
 電極と電解液の界面に形成される電気二重層を利用したキャパシター。電極に表面積が大きい活性炭を用いることで大容量を実現している。二次電池に比べて高出力、長寿命であるが、電極内部を使用しないため体積あたりのエネルギー密度が低い弱点がある。
 〇ハイブリッドキャパシター
 電極のいずれか1つに電気二重層を利用し、もう一方の電極に酸化還元反応を利用した蓄電デバイス。電気二重層キャパシターの高出力、長寿命といった利点を継承しつつ、体積あたりのエネルギー密度を高めている。
 〇Cレート特性
 蓄電デバイスを定電流放電させたとき、60分で放電終了となる電流値で放電したときを1Cとして、各放電速度(時間)での容量特性をまとめたもの。
 〇巻回セル
 電気二重層キャパシターのセル構造の1つ。巻回セルは電極とセパレーターを重ね合わせて巻き芯軸で巻き取った円筒形の構造のこと。

 今日の天気は曇り。寒さは余り感じない。
 散歩道は暑くもなく、寒くもない、散歩には適当だ。
 道沿いの梅に花が咲き出している。白梅だ。
 各地で梅の開花の知らせを聞くが、目の前での開花を見ると感激!!。
 ”ウメ”が満開となると、次の開花は桜(吉野桜)だね。”ウメ””サクラ”、どちらも花見は良いね。
 奈良時代に「花」と言えば梅(の花)。別名も、風待草(かぜまちぐさ)・好文木(こうぶんぼく)・春告草(はるつげぐさ)・・などと多い。平安時代中頃から、梅より桜(の花)が好まれるようになり、江戸時代以降は花といえば「桜」となる。
 ウメ(梅)
  梅の果実も梅と言う
 学名:Prunus mume
 バラ科サクラ属、落葉高木
 原産地は中国、奈良時代の遣隋使か遣唐使が持って来たと言う
 開花時期は1月~4月
 種類により開花期が異なる
 梅には300種以上の品種があり、野梅系・紅梅系・豊後系の3系統に分類される


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