日本で初めて氷河を調査発見したのは、2009年から調査を続けてきた立山カルデラ砂防博物館(富山県立山町)である。極東アジアでの氷河は、ロシア・カムチャツカ半島が南限とされ、日本に現存しないとされていた(国立極地研究所による)。発見されたのは、富山県の北アルプス立山連峰の三つの氷体で、国内初の氷河と日本雪氷学会が認めた(2012年5月発行の雪氷学会誌に掲載される)。
氷河とされたのは、立山連峰の三つの雪渓(せっけい)の雪氷体で、GPS(全地球測位システム)で1年以上ゆっくりとした移動(流下)を確認したものである。剱岳(つるぎだけ、2999m)北方稜線東側の三ノ窓雪渓・小窓雪渓、雄山(おやま、3003m)東側の御前(ごぜん)沢雪渓の三雪渓である。三ノ窓雪渓・小窓雪渓では厚さ30m以上、長さ900m~1200mの氷体があり、1ヵ月間に最大30cm超の流動を確認した。御前沢雪渓下の氷体は長さ400mで、2010年・2011年に1ヵ月当たり7~9cmの流動を確認した。
氷河ができたのは、立山が豪雪地帯で、風下に続く深い谷などがあり、夏でも雪が残る環境にあったと見られる。立山連峰ではこの他にも氷河候補があり、さらに調べたいとの事(調査した博物館)。
★氷河・氷床
寒冷地(高緯度(極地)や高山)では降った雪が、長期間に亘り融けることなく雪氷体(雪と氷の大きな塊)となることがある。氷河は、これが自重で長期間(1年以上)に亘り連続して流動(流下)するものである。因みに、夏でも雪が残る高い山の谷・沢を雪渓と言う。
氷床とは陸地が大規模(面積5万km2)に雪氷体で覆われた状態である。現在でも極地(南極・北極)で見られる。南極の氷の厚さは平均2450m(最大4000m以上)で、棚氷(氷床が海まで延びる)もある。約1万年前以前の最後の氷期(ウルム氷期)では陸地の約3割が氷床となっていたと考えられている。
★立山
立山は日本三名山の一つで、山岳信仰の山として知られている。日本三名山とは、立山(富山県)と富士山(静岡県・山梨県境)、白山(石川県・岐阜県境)である。
駐車場の塀とアスファルト舗装の間にフキノトウが出ていた。隙間は狭い。どこから種が飛んできたのだろう。「ど根性蕗(ふき)」だね。少しいただいて春の風味をと思ったが、、蕾から花となっている・・残念。
フキノトウ(蕗の薹)はフキ(蕗)の花茎
フキ(蕗)は、キク科フキ属の多年草。雌雄異花で、雌花は受粉後に花茎を伸ばし、タンポポの様な綿毛をつけた種子を飛ばす。