星野かえるのひとりごと

HOSHINO Kaeru's monolog

向田 邦子「思い出トランプ」

2005-12-17 01:09:28 | Weblog
文学少年が「凄いよ」と言っていたので。

新潮文庫です。BOOK OFFで250円でした。
運が良ければ100円の可能性もあります。
書かれたのが、昭和の終わり頃なので。

1980年直木賞受賞作品「かわうそ」「犬小屋」「花の名前」も搭載。
1作品15ページほどの短編小説集です。

星新一のショートは随分読みましたけど。
彼とはまた全然違いますね。
星作品はSFですけど、向田作品は、もろ日常です。

しかも「日常の1コマを切り取った」というよりは、
「日常の裏をえぐり取った」ショートです。

「かわうそ」は伏線の張り方が最後まで鮮やか。
こんな、さり気無くさりげなく張れるもんですかね。

私は「大根の月」という作品が好きでした。

主人公は、ある辛い思い出を連想させる月を見たくない。
でも月って、一生そこにあるから。
どんなに見たくなくても、必ず目に入る。

そういう切なさが描けるのが凄いと思いました。

向田 邦子「思い出トランプ」--amazon.co.jp


最新の画像もっと見る

コメントを投稿