このところ秋田遠征が続きましたのでここでゼニタナゴについて少々。

(今年の秋田釣行時に釣れたゼニタナゴ 2016,10,8)
故中村守純先生の「日本のコイ科魚類」をひもといて見るともともとゼニタナゴの分布は青森を除く東北各県、関東地方全県、中部地方:天竜川水系の静岡県の一部の水路(今の磐田辺り)、諏訪湖、日本海側では信濃川水系鎧潟などに広く分布していました。
各地方ごとにいろいろな呼び名で呼ばれていた様で群馬県城沼では「ヤスリメ」、手賀沼周辺では「ビタ」「ニガビタ」、茨城県土浦周辺では「カシマタナゴ」、東京では「オカメ」「オカメタナゴ」と呼ばれていました。

中部地方の分布は大正年間に霞ヶ浦から諏訪湖に大量にカラス貝を移植した時にそこに紛れてゼニタナゴが広がっていったと思われます。1963年の諏訪湖におけるゼニタナゴの漁獲量は88トンだったそうです。この諏訪湖のゼニタナゴが諏訪湖流出河川の天竜川を通じて静岡県の天竜川流域に分布を広げたと思われます。
新潟県の鎧潟は1966年干拓事業により消滅しておりますので過去の文献に記載があったことを辿るしかありません。
ゼニタナゴが減少した理由は日本魚類学会によると
①中国から移入して来た近縁種のタイリクバラタナゴとの競争に敗れて競争排除の原理が働いた。
つまりタイリクバラタナゴと貝や餌などを巡る競争に敗れて自然消滅的に減少していったということですね。
私の私見ですが産卵から浮出までの期間の長さが仇になってしまったのではないでしょうか?
タイリクバラタナゴの卵が貝の中に入った状態で移入されて来ても約4週間で貝から浮出して順調に餌を食べて育ち翌春には2年魚のタイリクバラタナゴとなります。この2年魚のタイリクバラタナゴと前年の秋から7ヶ月かかって貝から浮出したばかりのゼニタナゴとの餌の取り合いになった時にどちらが有利かは明白ですね。こにようなことによりタイリクバラタナゴに置き換わる現象が起こるのではないでしょうか。
②ラージマウスバス等の魚食性魚の侵入による食害です。
1990年代からの日本におけるバス釣りブームの拡大・普及によるラージマウスバスの増加、特に溜池などの閉鎖水系にこの種の魚が入ってしまうとアッと言う間にそのベイトとなる小魚は食べ尽くされてしまいます。
これはゼニタナゴに限ったことではありませんね。実際、秋田の某沼はかつてキタノアカヒレタビラが物凄い魚影を誇っていましたが数年前にラージマウスバスが放流されてからは一気に数が減ってしまい現在ではキタアカを釣るのも一苦労といった状況です。ヘラブナ釣りで賑わってはいますがこの沼は現在はバス天国と化してしまっています。
こういった状況はまさに釣り人のエゴが生んだ結果といっても過言ではありません。バス釣りをしたい釣り人、またそれにより利益を得る人々によるラージマウスバスの拡散が大きく生態系を変えてしまいました。
バスに関してはスモールマウスバスも河川への違法放流が増えていますね。多摩川、相模川、利根川、鬼怒川、千曲川などで本流釣りをしていると釣れる事があるようです。
この様な無秩序な放流はタナゴに関しても当てはまります。青森のシロヒレタビラ、東北地方のアブラボテ、関東や東北地方のカネヒラなどがわかりやすい例ですね。最近では三重県の一部地域でアカヒレタビラ、熊本でのシロヒレタビラなどが放流されているという話も聞きます。特にタビラ類は容易に交雑が起こってしまうので非常に心配です。
話がそれたので元に戻します。
③タナゴ類が産卵する二枚貝の生息環境が悪化し二枚貝が減少した池でのゼニタナゴの過剰産卵による二枚貝の死滅によるゼニタナゴの絶滅などが挙げられる様です。
二枚貝の生息環境の悪化は水路では護岸工事や
改修工事が原因です。溜池などでは溜池の放置により池干しが行われ無くなり泥が蓄積して二枚貝が住む環境の悪化なども挙げられます。
④これも私見になりますが、先ほど触れた無秩序な放流も一因の可能性もあるように思います。
秋産卵型のタナゴはカネヒラ、ゼニタナゴ、イタセンパラがいるのはご存知ですよね。
東海大学 鈴木伸洋先生によるとこの中でゼニタナゴとイタセンパラは他種のタナゴと交雑が出来ない種との事です。例えばゼニタナゴの卵に別種のタナゴの精子が受精してしまうと受精卵は細胞分裂の途中で死んでしまいます。
同じ秋産卵型のカネヒラがゼニタナゴの生活圏に侵入した場合に上記の様な事が起こることは考えらます。当然交雑出来ない種は減って行きますし、同じ産卵時期なので産卵母貝の取り合いにもなるのではないでしょうか?最初に挙げたタイリクバラタナゴとともにカネヒラの侵入も一因である可能性もあります。
この様にしてどんどん生息数が減ってしまい現在ゼニタナゴが確認出来るのは福島県(県条例によりゼニタナゴの採捕禁止)、宮城県(保護池等の設置)、岩手県(県の天然記念物指定)、秋田県(県条例で一部の生息地での採捕禁止)となっています。
関東の一部の溜池には福島県産のゼニタナゴが放流されているのではないか?といった噂も耳にします。
今年、秋田県においてはゼニタナゴ自体に採捕禁止の法令がかかるのではと言われておりましたが指定生息地のみが法令の対象となったので、辛うじて釣りの対象にはなっています。

(今年の秋田釣行時に釣れたゼニタナゴとキタノアカヒレタビラ 2016,10,23)
現状、秋田においては若干ではありますがゼニタナゴが釣れるところは残っています。(宮城県でもあるようですね?)
結果を求めるのは大事ですが少ないながらもそういった場所を探す楽しみも良いものです。そうした過程でムラサキのタナゴに巡り会えたらこの上なく幸せなことではないでしょうか?

(今年の秋田釣行時に釣れたゼニタナゴ 2016,10,8)
故中村守純先生の「日本のコイ科魚類」をひもといて見るともともとゼニタナゴの分布は青森を除く東北各県、関東地方全県、中部地方:天竜川水系の静岡県の一部の水路(今の磐田辺り)、諏訪湖、日本海側では信濃川水系鎧潟などに広く分布していました。
各地方ごとにいろいろな呼び名で呼ばれていた様で群馬県城沼では「ヤスリメ」、手賀沼周辺では「ビタ」「ニガビタ」、茨城県土浦周辺では「カシマタナゴ」、東京では「オカメ」「オカメタナゴ」と呼ばれていました。

中部地方の分布は大正年間に霞ヶ浦から諏訪湖に大量にカラス貝を移植した時にそこに紛れてゼニタナゴが広がっていったと思われます。1963年の諏訪湖におけるゼニタナゴの漁獲量は88トンだったそうです。この諏訪湖のゼニタナゴが諏訪湖流出河川の天竜川を通じて静岡県の天竜川流域に分布を広げたと思われます。
新潟県の鎧潟は1966年干拓事業により消滅しておりますので過去の文献に記載があったことを辿るしかありません。
ゼニタナゴが減少した理由は日本魚類学会によると
①中国から移入して来た近縁種のタイリクバラタナゴとの競争に敗れて競争排除の原理が働いた。
つまりタイリクバラタナゴと貝や餌などを巡る競争に敗れて自然消滅的に減少していったということですね。
私の私見ですが産卵から浮出までの期間の長さが仇になってしまったのではないでしょうか?
タイリクバラタナゴの卵が貝の中に入った状態で移入されて来ても約4週間で貝から浮出して順調に餌を食べて育ち翌春には2年魚のタイリクバラタナゴとなります。この2年魚のタイリクバラタナゴと前年の秋から7ヶ月かかって貝から浮出したばかりのゼニタナゴとの餌の取り合いになった時にどちらが有利かは明白ですね。こにようなことによりタイリクバラタナゴに置き換わる現象が起こるのではないでしょうか。
②ラージマウスバス等の魚食性魚の侵入による食害です。
1990年代からの日本におけるバス釣りブームの拡大・普及によるラージマウスバスの増加、特に溜池などの閉鎖水系にこの種の魚が入ってしまうとアッと言う間にそのベイトとなる小魚は食べ尽くされてしまいます。
これはゼニタナゴに限ったことではありませんね。実際、秋田の某沼はかつてキタノアカヒレタビラが物凄い魚影を誇っていましたが数年前にラージマウスバスが放流されてからは一気に数が減ってしまい現在ではキタアカを釣るのも一苦労といった状況です。ヘラブナ釣りで賑わってはいますがこの沼は現在はバス天国と化してしまっています。
こういった状況はまさに釣り人のエゴが生んだ結果といっても過言ではありません。バス釣りをしたい釣り人、またそれにより利益を得る人々によるラージマウスバスの拡散が大きく生態系を変えてしまいました。
バスに関してはスモールマウスバスも河川への違法放流が増えていますね。多摩川、相模川、利根川、鬼怒川、千曲川などで本流釣りをしていると釣れる事があるようです。
この様な無秩序な放流はタナゴに関しても当てはまります。青森のシロヒレタビラ、東北地方のアブラボテ、関東や東北地方のカネヒラなどがわかりやすい例ですね。最近では三重県の一部地域でアカヒレタビラ、熊本でのシロヒレタビラなどが放流されているという話も聞きます。特にタビラ類は容易に交雑が起こってしまうので非常に心配です。
話がそれたので元に戻します。
③タナゴ類が産卵する二枚貝の生息環境が悪化し二枚貝が減少した池でのゼニタナゴの過剰産卵による二枚貝の死滅によるゼニタナゴの絶滅などが挙げられる様です。
二枚貝の生息環境の悪化は水路では護岸工事や
改修工事が原因です。溜池などでは溜池の放置により池干しが行われ無くなり泥が蓄積して二枚貝が住む環境の悪化なども挙げられます。
④これも私見になりますが、先ほど触れた無秩序な放流も一因の可能性もあるように思います。
秋産卵型のタナゴはカネヒラ、ゼニタナゴ、イタセンパラがいるのはご存知ですよね。
東海大学 鈴木伸洋先生によるとこの中でゼニタナゴとイタセンパラは他種のタナゴと交雑が出来ない種との事です。例えばゼニタナゴの卵に別種のタナゴの精子が受精してしまうと受精卵は細胞分裂の途中で死んでしまいます。
同じ秋産卵型のカネヒラがゼニタナゴの生活圏に侵入した場合に上記の様な事が起こることは考えらます。当然交雑出来ない種は減って行きますし、同じ産卵時期なので産卵母貝の取り合いにもなるのではないでしょうか?最初に挙げたタイリクバラタナゴとともにカネヒラの侵入も一因である可能性もあります。
この様にしてどんどん生息数が減ってしまい現在ゼニタナゴが確認出来るのは福島県(県条例によりゼニタナゴの採捕禁止)、宮城県(保護池等の設置)、岩手県(県の天然記念物指定)、秋田県(県条例で一部の生息地での採捕禁止)となっています。
関東の一部の溜池には福島県産のゼニタナゴが放流されているのではないか?といった噂も耳にします。
今年、秋田県においてはゼニタナゴ自体に採捕禁止の法令がかかるのではと言われておりましたが指定生息地のみが法令の対象となったので、辛うじて釣りの対象にはなっています。

(今年の秋田釣行時に釣れたゼニタナゴとキタノアカヒレタビラ 2016,10,23)
現状、秋田においては若干ではありますがゼニタナゴが釣れるところは残っています。(宮城県でもあるようですね?)
結果を求めるのは大事ですが少ないながらもそういった場所を探す楽しみも良いものです。そうした過程でムラサキのタナゴに巡り会えたらこの上なく幸せなことではないでしょうか?
四国の話題でしか出てこない私ですが,ついつい・・・(笑)
確かに,外来種や自然環境の変化の影響って,普段から接している者にはそう思わざる得ないですよね。
昨日,書店にて「外来種のせいにするな」的な書籍を見つけてパラパラッと覗いてみると,強い生物が繁栄するとか何とか・・・。読破したわけではないので本意を確認したわけではありませんが・・・,いろいろ解釈はあるものですね。
どちらにせよ,ずっと身近に接することができる存在であって欲しいと思います。
ところで,ン十年の私のながーい飼育経験上ですが,
飼育下では体内に残った針は,時間が経てばほとんど吐きだしてくることが多いです。自然界では,周りの環境でそうはいかないかもしれませんがご参考までに。
私も12月頭に盛岡3日間ですが,釣りする時間を取りたくても取れませんでしたわ。1年ぶりの東北でしたのにね・・・(泣)
では。今後も頑張ってください。
ご来訪ありがとうございます。
外来種による影響は大きいと思いますが、外来種そのものが悪い訳ではなくそれを持ち込んだ人間が一番悪いと思います。
少し逸れますが旧吉野川水系でのミシシッピーアカミミガメの多さにはびっくりしました。
これらも結局はミドリガメブームのときに大量に日本に持ち込まれ購入して飼っていた人たちが飼うことができなくなり放流してしまった結果だと思います。
このようにほとんどがヒトが介在してしまった結果ですね。。。
それと魚の体内に入った針の件、貴重な経験談を教えて頂きありがとうございます。
水産試験場等のレポートからの知識でしたので、認識を改める必要がありますね!
後ほど記事は訂正をしておきます。
単なる暮らしの知恵的なものなので・・・(笑)
アカミミガメ,すごいでしょ!
あの河川は本当にアカミミだらけです。
ちょくちょく出会う,ウナギ獲りのおやじさんの仕掛けなんかほとんどアカミミだったりで,「くそっ!」なんてその場で首カットですよ。
水路なんか探すとお祭りやペットショップで見たミドリガメがいるわけですよ。しかしながら,野生の子亀は警戒心旺盛で,攻撃性も俊敏性も全然異なるわけですよ。あれを見ると,外来種は放しちゃいけないと思いますね。
ほんとアカミミガメすごいですよね。
今年の釣行時に私も1匹釣ってしまいました。^_^
ちなみに私の住んでいる近くの公園の池もアカミミガメだらけです。。