学習者各位
本日の学習時間はこれまでです.お疲れさまでした.
アルト・ハイデルベルク(74)
——————————【74】——————————
..........Doktor: Laß mich ausreden, zum Kukuk
noch 'mal ! Ich sage Dir, Du
hast nichts gesehen ! keine Menschen,
keine Burschen, keine Mädels,——wenn
auch just das vielleicht nicht die Hauptsache
ist,——Du bist ja noch nicht einmal allein
über eine Straße gegangen.
Karl Heinrich:.Darauf kommt's schließlich nicht an.
............Doktor:Ja, mein Junge, darauf kommt's an.
Nur darauf, daß jemand allein über die
Straße geht und gehen darf. Komm'mit.
(Will gehen, hält noch einmal an,
glücklich beide Hände auf Karl Heinrichs
Schultern legend.) O mein lieber Karl Heinz,
Du sollst Augen machen ! Heidelberg !
Du sollst Augen machen !
.——————————(訳)——————————
............博士:とことん言わせてくれ給え!言って
おくが君は何もみたことがないんだよ.
人間というものを、若者という連中を、
女の子のことも知らないでいる.
—— たとえ、それがまさに重要だという
わけではないにしてもだ.——君はまだ
ひとりで通りを歩いたことが一度もない.
カール・ハインリヒ:そのことは所詮重要なことではありません.
............博士:君、それは重要なのだ.ひとりで歩く、
ひとりで歩けると言うことが最も大切
なことなのだよ.(行こうとするが、もう
一度立ち止まって、うれしそうに両手を
カール・ハインリヒの両肩に置いた.)
おお、我が親愛なるカール・ハインツ、
君は目を開くことになるぞ!
ハイデルベルクだぞ! 君は目を開く
ことになるのだ!
——————————《語彙》——————————
ausreden: (自/h) 終りまで話す
(他) (4格)+ ausreden lassen
(4格)の話を最後まで聞く
(3格に4格を)思いとどまるよう説得する
zum Kukuk noch 'mal !: (俗)こんちくしょう、
うせやがれ.
一国の皇太子にこのような品のない言葉
使いは、しないはずです.ここは字義通
りカッコーの鳴くまで、つまり、「すっか
り」、「存分に」、「最後まで」などの意味で
使っていると思います.
zum Kukuk ですが、あちらの国の鳩時計は
カッコー(ポッポーではない)が鳴くので
「時間が来るまで」という意味解釈でよろ
しいかと思います.
「すっかり」という訳語は「春になるまで
時間をたっぷりかける」という解釈による
ものです.
ドイツでは、カッコーは春に鳴くので、
「春まで待ってね」みたいな意味が生じる
のでしょう.
尚、原文側のスペルでは辞書掲載はありません.
現代ドイツ語のスペルでは
Kukuk はKuckuck(m){_s/_e}.
Burschen: (pl)<der Bursche {_n/_n} 若者、青年
das Mädel :{_s/_.}(南ドイツ・オーストリア) 娘、少女、女の子
die Hauptsache: {_/_n} 主要なこと、
もっとも重要な問題
just: [発音ユスト](副) ちょうど、まさに、
たった今 √ラテン語
wenn: たとえ~だったとしても(接続法Ⅱ式とともに)
das: そのことが
wenn auch just das vielleicht nicht die Hauptsache ist,
たとえ、もしかしたら今それが重要なことでは
ないにせよ、
schließlich: (副) 最後に、ついに、やっと、
② 結局は、何といっても (after all)
es kommt auf etwas⁴(jn⁴) an ~(4格):~次第である
(4格)が重要問題である
an/halten: (自) 止まる、停止する
legend: (現在分詞) 置きながら < legen (他) 置く
「両手をカールハインリヒの両肩に置きながら立
ち止まる」が直訳.
サウンドオブミュージック(74)
——————— 【74】————————————
I should have liked to talk a little while
to the friendly-looking man and ask a
good many questions before I had to face
the first sea captain of my life.
————————(訳)————————————––
もうちょっとの間、今のしたしげな執事さん
とお話しておきたかったのに。生まれて初め
てお会いする船長さんのことをもっと聞いて
おきたかったのですがね.
————————⦅語句⦆————————————––
sea captain:(商船の) 船長
訳は「大佐」とするか「船長」とするか
迷いましたが「船長」だと勘違いしてい
るほうが面白いのでそのようにしました.
もっとも、トラップ氏が海軍大佐である
ことは修道院で院長から聞かされていた
はずですが.
さすらいの青春(74)
———————【74】——————————
De la rue on entendait grincer * le
soufflet de la forge et l'on apercevait
à la lueur du brasier, dans ce lieu
obscur et tintant, parfois des gens de
campagne qui avaient arrêté leur voiture
pour causer un instant, parfois un éco-
lier comme nous, adossé à une porte,
qui regardait sans rien dire.
Et c'est là que tout commença, envi-
ron huit jours avant Noël.
—————————(訳)—————————————
道路から鍛冶屋のふいごが軋む音が聞こえて
いました. そして薄暗い中に時々、車を止め
て、おしゃべりをする村の人たちや、何もしゃ
べらず、門扉に背もたれして、見ているだけの、
私たちと同じような生徒の姿が、金属音と共に
発せられる炭火の閃光で、見え隠れしていまし
た. そしてすべては、クリスマスのおよそ1
週間前、ここで始まったのでした.
—————————⦅語句⦆————————————
forge:(f) (村の)鍛冶屋
(複数で)鉄工所、精錬工場
soufflet:(m) ふいご、
soufflet de forge / 鍛冶屋のふいご
grincer:[グランセ] 軋む
lueur:[リュール](f) 微光、閃光
brasier:(m) ①(真っ赤に燃える)炭火
②(燃えさかる)火
apercevait:(直半過/3単) < apercevoir
apercevoir:(他) 見える、気が付く
parfois:(副)時に、時々
tintant: < tinter (自) ①(鐘が)鳴る
② 鋭い音を立てる、
チャリン[かちん]と音を立てる
ここでは「金属音を発して」と訳しました.
causer: (自) おしゃべりをする
écolier, ère (n) 小学生、初心者、新米
ここでは「生徒」と訳しました.
campagne: (f) 田舎, ここでは「村」と訳しました.
adossé: < adosser ( à, contre に)もたせかける
s'adosser (à, contre に) もたれる (を)背にする
I am a cat.「吾輩はネコである」(3)
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原文:
然もあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪
な種族であったそうだ.
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英文:
This human being, I heard afterwards, was a member of the
most ferocious human species; a shosei, one of those students
who, in return for board and lodging, perform small chores
about the house.
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和訳
この人間というのは、後日聞かされたことだけど、最も
残忍な人類のたぐいで、書生というものらしい。それは、
学生の一種で、下宿させてもらう代償として、家事手伝
いをする。
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仏訳:
Cet homme, d'aprés ce qu' on dit, est une de la cruel
sorte d' humanité;on l'appelle “shosei”.
C'est un étudiant qui aide sa maîtresse à faire le
ménage et la cuisine en échange de la gratuite pension..
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