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女城主直虎と雪花の虎

2017-01-23 04:05:11 | MUSIC/TV/MOVIE
柴咲コウ主演のNHK大河ドラマ『おんな城主・直虎』が始まった。
前作の真田丸はなんやかんや言いながらも最後まで見てしまったのだが、今回の直虎は見ていない。戦国ものは好きなんだが、なぜか見たいって欲求が起こらないのよね。別に大した理由があるわけじゃないのだが、井伊家には興味がないし、徳川があんまり好きじゃないからかなぁ。まぁ俺一人が見ようがが見まいが視聴率が変わるわけでは無いしね。

家を救うために立ち上がった女城主、というのが番組の売りみたいなのだが、戦国時代に女城主など結構いる。しかし、女性の地位がべらぼうに低く扱われていた戦国〜江戸時代は、女性の名前や記録など残ってないのが当たり前。この井伊直虎も資料もほとんど無いから全編フィクションや想像の世界で作られるんだと思う。そうなると別に見なくていいかなぁって気になってしまうのよ。どうせNHKだ、ハードな時代を駆け抜けた女性ってスタンスで描くんだろう。それって女性登用がどうの、女性が活躍できる社会がどうのって騒いでる人は面白いかもしれないね。俺はいいや。

戦国時代ってそんなに記録もちゃんと残ってなくて、後で歴史研究家の方や、そういうことを研究してる偉い先生方が繋ぎ合わせてくれたんだけど、なんかまゆつば物のものが多い。
戦国時代で一番有名な女性はお市の方(織田信長の妹で浅井長政・柴田勝家の妻)だと思うけど、この人でさえ資料が少ないから逸話や風説をまとめたものしかない。信長がお市から届いた両端を縛った小豆によって浅井の裏切りを理解し、窮地から脱出した(金ヶ崎の退き口)話とか、織田家安泰のために嫁いだ柴田勝家とともに最後は爆死したとかくらい。

信長の妻濃の方(帰蝶)も、嫁いだ時の斎藤道三から隙あれば殺せと脇差を忍ばせてたとかの話は有名だが、これだって真実かどうかわからない。明智光秀と幼馴染だとか、本能寺で信長と一緒に戦って死んだとか、どれもこれもドラマや本の創作の域を出ない。
秀吉の妻ねねも、寧が名でそれがおねさまとかねね様と言われてるがはっきりしない。秀吉死後の高台院での方が文献や資料が残ってるくらいだ。

そうなると、ドラマや本とかで創作された部分が後に残って、それが一般的に広まってたり、真実だと思い込んでることが多いのではないかね。
真田信繁は公式の書簡では一度も真田幸村と名乗って無いのに、信繁より幸村の方が有名だ。これは江戸時代の歌舞伎や浪曲のせいらしい。忠臣蔵も吉良邸へ討ち入りした日は大雪のイメージだが、実は当日は晴れ。これも歌舞伎や浪曲、講談の演出のせいらしい。

斎藤道三や武田信玄の肖像画は別人では無いかと言われている。二人とももっとすっきりした体型だったそうだ。
今川義元はドラマでは必ずダメな公家上がりの姿で描かれるが、実は下克上で今川当主の座をもぎ取り、政治手腕も凄かった人らしい。
伊達政宗は50代以上の人は渡辺謙のイメージで思ってるし、若い世代は戦国BASARAのイメージだ。同じように直江兼続も大河ドラマを見た人は妻夫木聡のイメージだろう。

特に女性のイメージは大河ドラマの影響が大きのではないか。
第13代将軍徳川家定の妻・天璋院篤姫は宮崎あおい(篤姫)、前田利家の妻・マツは松嶋菜々子(利家とまつ)、山内一豊の妻・千代は仲間由紀恵(功名が辻)、新島襄の妻・八重は綾瀬はるか(八重の桜)・・・。
だけど誰々の妻って付属品みたいに列記される戦国時代・幕末の女性。井伊直虎の旦那は無名で誰も知らないからなぁ。大丈夫か?柴咲コウは直人らのイメージを無事作れるのか。

それならいっそ東村アキコさんの漫画「雪花の虎」をドラマ化した方が面白かったんじゃないかなぁ。
これは吉高由里子・榮倉奈々・大島優子で現在実写ドラマ化されてる「東京タラレバ娘」の原作者・東村アキコさんが、歴史や戦国など全く興味がないのに、上杉謙信は実は女性だったのではないか?って想像ふくらましながら、史実や資料をもとにフィクションで描いてる漫画。
現在4巻まで発行されてるんだが、この漫画面白いのよ。



生涯独身で子のいなかった上杉謙信は、女性ではないか?って説は結構言われてる。
常に白頭巾をまとってたり、敵に塩を送ったり、やることなすこと結構女性っぽい。自筆の書簡も残ってるのだが、女性っぽい字だしね。まぁ川中島で信玄と直接戦ったり、酒が大好きだっりするのだが色々な漫画や本でも謙信は女性っぽく(または女性として)描かれてる。結構、真実かもしれないよ。

まぁ想像を湧き立てるのが戦国時代劇ファン。
女城主・直虎も、雪花の虎も今後の展開に期待だ。


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